PISA型読解力と「論語」
「読解力から読解リテラシー」というテーマを、時々耳にする。
これは、OECDの国際学力調査(PISA調査)を念頭においたもので,PISA型読解力の定義は
「自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し,熟考する能力」
とある。従来の「読解力」と区別して「読解リテラシー」とか「PISA型読解力」と呼ばれる。
文科省の 読解力向上プログラムによれば,指導3つの重点目標が示されている。
①テキストを理解・評価しながら「読む力」を高める取り組みの充実
②テキストに基づいて自分の考えを「書く力」を高める取り組みの充実
③様々な文章や資料を読む機会や,自分の意見を述べたり書いたりする機会の充実
筆者の主張を自分はどう思うのか・・・読み取った内容を元に自分の意見を述べる【読み書きの関連指導】は指導要領でもきちんと位置づけられていますが,行事作文や日記を書かせるだけでは意見文を書けるようにはならない。
「○○について,あなたはどう思うか」
「あなたの意見に対する意見をどう思うか」
という形で書かせたり発表させたりする活動に日ごろから取り組むことが大事だ。
指導要領では「書くこと」の指導の中で,
「なぜかというと~」「その理由は~」「~のためである」「例えば~」「事例を挙げると」「などが当たる」などの表現について指導するとある。こうした表現の習熟させれば,意見文の質も上がってくる。
各学年「読むこと」の「自分の考えの形成及び交流に関する指導事項」からも明らかなように、自分の意見や感想を発表することと,みんなの感想や意見を聴き合うこと・比べて考えてみることが大切です。
◆1・2年 文章の内容と自分の経験とを結び付けて,自分の思いや考えをまとめ,発表し合うこと
◆3・4年 文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあることに気付くこと
◆5・6年 本や文章を読んで考えたことを発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりすること
指導要領には感想を述べ合う言語活動について「次のようにも感想を述べ合ったら,自分の感想が,友だちの感想と比べてどのような特徴をもつのかを認識させていくことが大切です」と記されている。
さて、7月1日の地元中日新聞の文化欄、池内了氏(総合研究大学院大)の文章が掲載された。
論語の「学びて思わざれば即ち罔し。思いて学ばざれば即ち殆し」を引用し、「学ぶ」だけで「思う」がなければ、干からびた知識の集積でしかなく真理が明らかにならないし、「思う」だけで「学び」がなければ根拠や論理性のない空論や暴論がはびこってしまう、 と説いている。
「国際学力テストなどでも指摘されているように、日本の小中学生は暗記した知識には強いが応用問題には弱いと言われてきた」ともある。
「論語」の説くところは、まさにPISA型読解力の望むところと同じだ。
論語の言葉はもちろん知っていたが、このPISA型読解力と重ねたことはなかった。(既習の「論語」の知識をPISA型読解力と結び付ける思考力こそが、PISA型読解力なのだ)。
論語からも分かるように、PISA型読解力の望むものは、決して目新しい学力ではない。
永遠の課題ともいえるほど根源的な学力なのである。



















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