重松清の世界 『日曜日の夕刊』
『日曜日の夕刊』 重松清 新潮文庫
同じく重松清の作品。これは短編集。
学級文庫に入っていたので給食の合間に少しずつ読んだ。
そして、ときどきハッとしたりジーンとしたりした。
最後にあとがきを読んだ。構成のうまさは宮部みゆきと双璧とあって、それほどの作家なんだなとあらためて感じた。逆に言うと何の先入観もないまま読んで、素直に感激したことがうれしかった。
ほのぼのとした感じがするのは家族や子どもからの視点が多いからだ。
そのことが「きよしこ」と同じ日に読み終えたことで一層明確になった。
個人的には「チマ男とガサ子」が自分のことのようで面白かった。
「すし喰いねえ」などのもの悲しいストーリーもいい。
ただ、『ナイフ』『エイジ』などの長編を読んでしまうと、『ビタミンF』も『日曜日の夕刊』もやや印象が薄れてしまう。
「後藤を待ちながら」などは、『ナイフ』の延長上にあるような作品だから。
Comments
竹田先生、はじめまして♪
“今宵、重松作品を語ろう!”を主催させていただいております、トラキチです。
TBありがとうございました。
重松さんの作品は自分のおかれている環境上、小説としてしか読んだことはないのですが(笑)、入試や模試問題としてもかなり出題されているらしいですね。
先生のレビューは興味深く読ませていただきましたが、とりわけ『ナイフ』に対する文章には釘付けにされました。
もし未読でしたら『疾走』の先生のご意見をお聞かせいただけたらと思っております。
これからもよろしくお願いします。
Posted by: トラキチ | February 12, 2005 12:33 PM
「疾走」ですか。表紙の絵を見てびっとんでしまったヤツですね。ほのぼのした重松作品が気に入っているので読めるかなあ。
最近の週刊誌に重松さんの作品ありますよね。
たまたま読んだ号の性描写に驚いたというか、重松作品の幅広さに戸惑っています。僕は重松作品の、ある限定的な分野しか読めないかもしれません。
Posted by: 竹田博之 | February 13, 2005 08:39 PM