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December 31, 2004

今年読んだ本

 今年の4月に中学校に異動し、図書委員会担当になった。
 小学校とは違い、中学校の図書館はそれなりに大人が読める
作品も多い。昼休みの当番の時間を中心に読書にふけった 。
 また、本校は各クラスに学級文庫として30冊ほど準備してあるのでそこも利用した。
 また個人的にも本を買って読んだ。
 
 『水底の棺』   中川なをみ (くもん出版)
 『嘘つきアーニャの真っ赤な真』 米原真理(角川書店)
『言葉の虫めがね』俵万智 (角川文庫)
 『きよしこ』 『日曜日の夕刊』 『ナイフ』『ビタミンF』『エイジ』『舞姫通信』
・・・重松清の作品は、たくさん読ませてもらったが、まだまだ読み切れない。
 『4人はなぜ死んだのか』  三好万季
 『iモード事件』 松永真理  (集英社文庫)457円
 『Good Luck』アレックス・ロビラ  ポプラ社(952円)
 『父の詫び状』 向田邦子 (文春文庫)448円
 『四日間の奇跡』 朝倉卓弥(宝島社文庫)690円
 『夏の庭』 湯本香樹実 (新潮文庫)
 『心が雨漏りする日は』 中島らも
 『菊次郎とサキ』  ビートたけし
 『蹴りたい背中』 綿矢りさ
 『半落ち』 横山秀夫 (新潮社)

 自分としては結構頻繁に読んでいたが、こうやって並べてみると少ないと思う。
 これらを書評の形でまとめ、中学生に紹介していきたいと思いつつ、年内にはできなかった。
 選択国語を受講した生徒たちには「お奨めの1冊」をカードに書いてもらい、図書室前に掲示した。生徒にやらせた以上、自分もやらねばと思ってはいる。
 図書館になかったら絶対読まなかったのが『水底の棺』。でも、これはよかった。
 さすが映画になった『半落ち』はラストでびっくり。ラストの種明かしの部分は授業のネタになる。
 図書館の漫画で『三国志』にも、はまったが全巻そろってなくて欲求不満。
 障害者施設の建設を扱った漫画『どんぐりの家』は、何度も泣いた。

 入試問題になっていたので気になって読んだのが志賀直哉の『小僧の神様』。
 半田市の「ごんぎつねの里」の資料で気になって読んだのが新美南吉の『牛をつないだ椿の木』。シンプルながら作者の強い願いが感じられた。
 こうした短編も、もっともっと極めてみたい。

 ここ数年、教育書かビジネス書しか読まなかった。
 小説から学べることも多い。
 「忙しい」を理由に読書を怠っては、成長はない。
 来年も、奮起したい。

 

 

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December 20, 2004

学力調査結果の考察(TOSSからの学び)

 学力低下の原因を家庭に押し付けたり、調査そのものを疑ったりするような記述ばかりでは、「では教師であるお前は何をやってぃるのだ」と言われてしまう。私は教師であって教育評論家ではない。
 自分の責任は緻密に書かねばと、もたもたしていると、自分の責任を問う気がないように思われてしまうので、とりあえずは1点書き留めておく。
 先に「平均点」について述べた。クラスで下位の子を放置していては平均点は上がらない。「どの子の学力も伸ばす授業」は心地よいスローガンにはなりえても、そう簡単なことではない。
 さて、私は「特別支援教育」にもささやかながら関心を持ち、その理解を広めるべく書籍の発刊にも微力を尽くした。
文部科学省も報告しているとおり、通常学級にも6%ほどの特別支援教育の要する子、すなわち「軽度発達障害」の子が存在する。40人学級で2.4人という割合になる。
 これらの子の中には、対応の仕方を間違えれば学級崩壊の張本人にもなるような子もいる。学級崩壊を放置したら学級全体の学力低下が起きることは言うまでもない。
 しかし、もともとの知能は決して低くないので、うまく対応すれば、それなりの成績(あるいはすばらしい成績)を収めることもできる。ドクターやノーベル賞受賞者にも、そうした障害を克服した人がいる。
 そのような子(落ち着きのない子や長続きしない子)をも集中させる教育技術が存在する。
 そして、そのような教育技術は、障害のない子・単なるやんちゃ坊主にも有効となる。
 軽度発達障害のような子を手をこまねいて放置したり排斥したりする時代は過ぎようとしている。「特別支援教育」「ADHDやLDの児童」について無知な教師はもぐりである。ぜひ雑誌『教室の障害児』を手にしていただきたい。
 そのような子に対応できる教育技術・指導技術・教材・教具の開発は、学力調査の結果を引き上げる1つの観点になる。私自身の授業でそうした技術が充満しているなどとは言えないが、少なくとも意識した授業を心がけている。
 「どの子も集中する授業・どの子も分かる授業」を心がけることで「学力低下」の問題に対応しようとしている。そして、それは現在のところ「トス」(旧教育技術法則化運動)に学ぶことが一番有効なのだということを、まずは記しておきたいと思う。

 ★軽度発達障害の子と学級崩壊の張本人とは同一ではない。「障害がある子は学級崩壊を招く」「学級崩壊を起こした子は障害がある」ということにはならないことをご理解ください。

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December 18, 2004

「父の詫び状」 向田邦子

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 『父の詫び状』 向田邦子
 中2の国語の教科書に向田邦子の「字のないはがき」があるので関連して9月ごろ読んでみた。
 特に「親の愛」が気になった。「親の愛」は家庭の教育力の現れである。
 酒飲みで暴れん坊の父親は、手土産の寿司を食わせようと夜中に子どもを起こす。とんでもない父親だが、奥底に子どもへの思いが込められている。
 夜更けにトイレに行き茶の間をのぞくと、母が子どもの筆箱を並べて鉛筆を削っている。
 「母は子供が小学校を出るまで1日も欠かさず削ってくれていた」という。
 日赤病院に通院していた邦子を連れて母はよく鰻屋へ行った。そして子供の分の鰻丼を1つ注文したが、自分は食べなかった。自分は無理してでも子供には栄養をつけさせたかったのだろう。
 そうした母親の「無償の愛」にあふれたエッセイ集である。
 やはり、子供の教育を牛耳っているのは、母親である。
 

 

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「菊次郎とさき」 ビートたけし

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 『菊次郎とさき』(新潮社) ビートたけし

 教室の学級文庫に入っていたので読んでみた。特に「SAKI」について、学力調査と関連させながら述べる。
 学力調査のブログにコメントしていただいた「はてな教授」の12月12日のダイアリーの意見とは正反対の思いを抱いた。それは1時代前の母親の教育に対する思い入れの強さが、今の親にはあるか、という思いである。時代の逆行と言われるかもしれないが・・。
 たけしの母親「サキさん」は、嫌がる息子にとにかく勉強を強いた。誕生日に電車に乗って本屋に出かけ参考書の「自由自在」をシリーズで購入する。野球する暇があるのならと英語塾と書道塾に行かせる。参考書を買うためにあらゆるアルバイトをやり、担任の先生の洗濯の世話まで買って出る。
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 当時の親というものは、多かれ少なかれそういうところがあった。おいらのオフクロも、子供たちの将来に自分の残りの人生のありったけのものを賭けていて、その先にはいつか見返りがあると信じていた。
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 「家貧しくて孝子顕わる」なんて言葉も出てくる。高度経済成長の時代は「大学を出ていい生活を」という強い思いが蔓延していたのだ。42歳の僕でも、自分の母親にその思いがあったことを強く思い出す。
 この本には、たけしの幼少の頃だけでなく、大人になってもなお子供を気遣い、決して目を離すことのなかった母親の強い愛情が表現されて圧倒されてしまった。ラストで母親から渡された「変な袋」の中身が分かるシーンは圧巻!
 東大入学者の家庭の年収や子供への投資額などがよく話題になる。
 子どもに惜しみなく愛情を注ぎ、また子どもに惜しみなく教育費を注ぐ家庭(母親)は、今も健在だろうか?
 今は母親だって、おしゃれしたいし、グルメもしたいし、自分の自由な時間もほしいと思う。
 それは自然の思いであって誰も否定はしない。だから自分を犠牲にして身を粉にして働いた「サキさん」のような母親を今の時代に望みはしないし、推奨もしない。
 それでもなお「サキさん」のような母親が当時の日本の子供の基礎学力の定着に貢献したのではないかという思いも否定できない。発展途上にある国家が教育に熱を入れ学力調査で好成績をあげるのは、それらの国に「サキさん」のような母親が沢山いるからかもしれない。
 学力低下の原因の一端に家庭の教育力の低下が挙げられる。それが国家が成熟した結果であるならば、学力調査の上位国は途上国に譲ればいいと開き直ることもできる。しかし、学力低下が将来の国家の衰退につながるのなら、やはり下位でもいいなどと言ってはいられない。「サキさん」の思いの強さは、これからも学ばれるべきだろう。

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December 16, 2004

IEA学力調査

20041215k0000m040134000p_size5OECDの学習到達度調査の次は「IEA学力調査」だと。
まず文部科学省の速報が第1級資料です。
今度は応用力ではなく、基礎学力だそうで、ここでもトップにいないのが問題だというのがマスコミの論調である。
まずは第一感で書きますよ。
成績結果は「平均」です。
上位グループはそこそこでも、下位グループが足を引っ張ると平均点はぐっと下がります。
学校のテストでも60・70が平均のテストに10点・20点の子が入ると、平均がずいぶん下がります。
「上位の子は前回同様だが、下位の子が全体の平均を下げた」
というような結果であることも考えられる。その可能性があるかないかを探りながら、結果を分析してみたい。

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December 14, 2004

OECD学習到達度調査の考察

 OECDの学力調査の結果を論じるにあたり、いくつか考えたいことがあります。
 まずは、この調査の信頼度です。
 言い方を変えると、他国はどのくらい関心を持ってこの調査に取り組んでいるかです。
 暴論かもしれないけど言いますよ。
 トップグループにフィンランドやリヒテンシュタインやマカオが入ってますが、これらの国家がこの調査にあわせて万全の体制で臨み、日本がそれほどの意識もなく調査に臨んでいるのだとしたら、このような結果もやむをえないところでしょう。
 12月8日の中日新聞夕刊には、この調査について、こう説明されています。
==========================
(前略)生徒の修得内容を判定するのが目的ではないため、解答に必要な数学の公式などはあらかじめ問題用紙に印刷されており、適切に使えるかどうかを試す。
==========================
 日本の学力調査の多くは「生徒の習得内容の判定」を目的とし、数学の公式をあらかじめ提示するようなケースは少ないはずです。
 「読解力」のテストは、
===================================
文章やグラフ、表などから情報を正しく読みとり、知識や経験に関連付けて考える力を調査した
==========================
とありました。
 自分の意見を自由に記述するスタイルのテストに慣れていないのですから、開き直ればできなくて当たり前です。
 私自身マークシートの共通一次世代です。
 選択型のマークシートでどれだけ知識を詰め込むかを競うような大学受験が今でもまかり通っているわけですから、OECDの調査で好成績を収めるのは難しいですよ。
 とりわけ低位の子が無解答や手付かずというのは当たり前です。
 大学入試でも志望校の傾向に合わせるのが当然の対策です。
 OECDの学力調査で好成績を取らせたいなら、そのような試験に慣れるような対策を講じるべきです。
 そこまでやる気がないなら(つまり「素」の状態で受けることを「よし」とするならば)、結果に一喜一憂しないことです。
 「読解力向上プログラム」を作るというならば、大学受験をOECD型にすれば、ずいぶん成果が現れることでしょう。
 冒頭で「この調査の信頼度」と書いたのは、日本の大学受験のあり方を変えさせるほど、OECD型の試験は普遍性を持つかどうかが問われるという意味なのです。
 そこまで信頼できるなら思い切って改革することに賛成します。
 
 もちろん、数学的応用力は前回(3年前)が1位、今回が6位。
 読解力は前回8位、今回14位。
というようになっていますから「転落」のイメージは、ついて回ります。相対的に下降したことは否めません。
 
 というように、学力調査の結果を鵜呑みにしないで疑ってみること・持論を述べることも、この調査の狙う「読解力」です。

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OECD学力調査

OECD12月7・8日あたりのニュースで「OECD学力調査」の結果に対する特集が組まれていました。読解力のランクが落ちたことなどを挙げ、
「世界首位レベルから転落」
「学力トップ」陥落の衝撃
といった見出しでセンセーショナルに扱っていました。
 しかし、まずは自分の読解力で、調査結果を分析してみないとね。 なにせ、読解力の定義は次のものです。
 ============================
 読解力とは、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」である。
=============================
 今回の結果(テキスト)を熟考し、世に問うこと(社会参加)できなければ、我々教師も読解力がないということです。

ちなみに、この調査の詳細は文部科学省のこのレポートが第1級資料になります。

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沖の鳥島のニュース

 12月8日の某新聞に「沖の鳥島周辺に中国船」という見出しのニュースが載った。
「日本最南端の沖の鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船が活動していることを七日夜、海上自衛隊のP3C哨戒機が確認した」ということだ。
 この記事には、今年4月に中国当局者が沖の鳥島を「島ではなく岩だから、日本のEEZは設定できない」と発言し、日本側の当時の福田康夫官房長官が「全く受け入れられない」と発言したということも記されていた。
「島ではなく岩である」は、ある意味正論である。それだけにしかし中国の動きはなかなか恐ろしい。
 

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December 01, 2004

「沖の鳥島」をもっと知ろう。

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11月30日の「報道ステーション」で沖の鳥島の映像が流れた。めったに見られないので、あわてて長男を起こして見せようとしたが残念ながら起きなかった。
 上に紹介したような写真は学校で購入する子どもの資料集にもあるが、生の映像は驚いた。ちなみに上の画像は、このHPから引用させていただいた。
「沖の鳥島」で検索すれば、他にも参考になる画像が入手できる。リンクフリーでないものもあるので、皆さん各自で調べてみてほしい。
 下記の画像は国土地理院測地部のHPから検索したものを引用させていただいた。島(岩)の全貌である。画像では犬のフンみたいなものだが、ニュースで見たところ、まあ体1つ分といったところか。
 ・輪ッかみたいのが、防波堤で周囲50M。
 ・コンクリートの真ん中にチタンでできた網がかぶせてあり、その下に畳1枚もないほど・高さ70センチの岩が保護されている。
 ・満潮時でも海上に出ていないと島とはみなされない。
 ・荒波にサンゴ礁が浸食されて消滅する心配があったため、1988年に285億もの予算で護岸工事を行った。
 ・おかげで日本の総面積を超える40万平方キロの排他的経済水域を確保することができた。
 ・工事の為に組み立てられた基地はそのまま海上に放置してあるが、その基地の方が島よりでかい!
 ・昨日の「報道ステーション」が特集を組んだのは、中国から「沖の鳥島」にクレームが来たかららしい。
 
 僕も小学5年生のクラスで国の位置・領土に関連して最南端・最北端など4つの島の抱える問題点を紹介したことがある。北方領土も竹島(魚釣島)も領土問題をはらんでいる。
 もっともっと事実を知った上で授業をするべきであった。
 国土の授業は、国民を育てる義務教育の中でも最重要な項目である。
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