「父の詫び状」 向田邦子
『父の詫び状』 向田邦子
中2の国語の教科書に向田邦子の「字のないはがき」があるので関連して9月ごろ読んでみた。
特に「親の愛」が気になった。「親の愛」は家庭の教育力の現れである。
酒飲みで暴れん坊の父親は、手土産の寿司を食わせようと夜中に子どもを起こす。とんでもない父親だが、奥底に子どもへの思いが込められている。
夜更けにトイレに行き茶の間をのぞくと、母が子どもの筆箱を並べて鉛筆を削っている。
「母は子供が小学校を出るまで1日も欠かさず削ってくれていた」という。
日赤病院に通院していた邦子を連れて母はよく鰻屋へ行った。そして子供の分の鰻丼を1つ注文したが、自分は食べなかった。自分は無理してでも子供には栄養をつけさせたかったのだろう。
そうした母親の「無償の愛」にあふれたエッセイ集である。
やはり、子供の教育を牛耳っているのは、母親である。
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