古文の授業は暗号を解くように
中学校2年で古文を教えている。
一段落したので「まとめの感想・授業の感想」を書かせた。
「難しくい」「よくわからない」という意見もあったし、
「だんだん分かるようになった」という意見もあった。
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★最初は全然意味が分からないけれど、1つづつ古語を習うたびに、この文章はそういう意味だったのかと納得できました。
★教科書を1回読むだけだと意味が全然分からない言葉も出てきたけど、その言葉の意味を調べて何回か教科書を読むと、少しずつ意味が分かってくるのが楽しくて初めて古典をもっとやりたいと思いました。
★だんだん古典を現代語に訳していくのがジグソーパズルみたいに楽しくなって、「平家物語」は楽しくない話だけどおもしろい話とかを楽しみながら訳せるといいなあと思った。古典を楽しむという題名のように古典を楽しみつつできたのでよかったです。=======================
文章の読み取りを「読解」と言うが、暗号を読み解くような場合は「解読」と言う。
古典の文章は、知っている単語や言い回しを手がかりに意味を探っていくという意味では、まさに「解読」である。
紹介した感想は、暗号を解読するような面白さを味わった子である。
僕が一度も使っていないのに「ジグソーパズル」という比喩が出てきたのには驚いた。
古文は一読では分からない。分からない文章を少しずつ読み解いていく面白さが「古文を読む」ことのダイゴミであるとも言える。気分はインデイジョーンズ教授か。
もちろん、暗号が苦手な子もいるから配慮は必要である。難しすぎる授業は敬遠される。
ただ、読み解きの面白さを前面に出した授業をすることが、説明で終始しがちな国語の授業の突破口にならないかと考えている。
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Comments
古文に続いて漢文の授業を行いました。
レ点や一・二点などは、まさに暗号の読み解きです。
ある子の感想は以下の通り。
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前回やった古典は本当に意味不明で今の文にするのが大変だったけど、今回やった漢詩ではレ点や一・二点をつけるだけで今の文みたいに理解できて、ここの文字はとばして、先にここを読んで・・と思いながらクロスワードみたいにどんどん文字を入れて!と授業でやっていくうちにおもしろくなって、はっきりいって古典より漢詩の方が本当に楽しかったです。(中略)
今回やった暗唱で最初と2番目はスグ覚えれたけれど、3番目のやつは覚えるのに苦労した。でも、こうやって覚えるのは楽しいので、もっと他の作品も覚えたり学びたかったです。
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次は、現代語の分野でも「暗号」の楽しさを実感させることを考えようと思っています。
Posted by: 竹田博之 | February 01, 2005 03:26 PM