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February 11, 2005

学力低下とスポーツ向上

 2005年2月9日のサッカーワールドカップ予選北朝鮮戦は、ロスタイムのゴールで勝利を収めた。→ここ
 1993年のドーハの悲劇とは全く正反対の出来事が起きたといえる。あの時はロスタイムに同点ゴールを決められ、得失点差でワールドカップ出場を阻まれてしまったのである。生放送で見ていた世代にとっては、本当に「うっそー」と思える瞬間だった。
 「結局、自力がないんだよな」と自虐的にぼやいていたあの頃に比べ、サッカー選手の実力がアップしたのだろうか。
 確かに、サッカー界はJリーグ・海外組の誕生・ワールドカップ出場と順調にステップアップしている。
 そして、それはメジャーリーグへの挑戦者がどんどん増えているプロ野球でも同じことが言える。
 陸上男子短距離界や女子マラソンもすごい。女子フィギアスケートも愛知勢が層の厚さを誇っている。
 学力低下が叫ばれるが、スポーツ界は順調に層の厚さを増し、順調にレベルアップしているといえるのではないか。
 「近頃の若者は・・」と嘆かれることは多いが、スポーツ界は評価されていいのではないか。
 だとしたら、その原因はいったい何なのか。
 逆に言うと「体力低下」のようなマイナス面はよく強調されるが、スポーツ界での活躍が正当に評価されることがないのはなぜなのだろうか。
 以前「菊次郎とさき」でコメントしたことと関連する。
 「大学へ入ればいい生活ができる」という神話が通用した頃は、たくさんの母親が教育に熱を入れた。
 今でも同じような思いで子供に塾通いさせる親はたくさんいる。
 それと同じような感覚で子供に熱心にスポーツに通わせる親が確実に増えていると思う。
 私の知っている範囲でも、少年野球・サッカー・スイミング・テニスなど親が熱心に送迎したり試合会場で黄色い声援を飛ばしている親がたくさんいる(我が家も、そうした部分をもっている)。
 「勉強で一流は無理だけどスポーツなら一流を」などと夢見ている親が多いとは思わない。
 ただ、勉強もいいけどスポーツもできた方がいいと思うのは自然のことで、授業後(放課後)に自然にみんなが集まってきて空き地で遊んでいた昔と違い、今はお金を払ってきちんとしたスポーツ団体に加入して組織的に練習することがごく当たり前になった。
 スポーツに投資することに違和感がなくなってきて、きちんとしたスポーツ団体に加入する年齢が確実に低下してきて、その結果、さまざまなスポーツで早期教育を受けた子供は成長してきているというのが私の印象である。
 無論、全ての子供がスポーツをやっているわけではないので、平均的な体力は低下している。
 そういう意味では、学力同様「二極分化」しているといえるかも。

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