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March 06, 2005

西武の堤義明氏の話題

 コクド前会長の堤義明氏が証券取引法違反で逮捕されてから、夜のニュースは、ここのところ、この話題で盛り上がっている。
 ただし、私がテレビで見た特集の内容は証券取引法違反の解説ではない。
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・いかに堤氏がワンマン経営であったか。
・堤氏の会社が、いかに巧みに利益を上げてきたか。
・オリンピック誘致が、いかに西武のリゾート開発と絡んでいたか。
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 つまり今回の逮捕容疑とは全く違う。
 逮捕されるまで、いかに堤氏が神様と呼ばれ、全ての権限を握り、強引なまでに利益を上げ、「裸の王様」だったかを批判する内容である。「神話の崩壊」などと言われている。
 あほらしい。
 逮捕されるまで、マスコミは堤氏への批判をしたくても我慢してきたということか。
 これまで「あなたは『裸の王様ですよ』」と進言することも「あなたの会社のリゾート開発は『やりすぎ』ですよ」などと、西武グループの強引な乱開発を糾弾しなかった新聞やテレビが、今ごろ堰を切ったように特集を組んで何になるというのか。
 テレビの特集では、とっくの昔に西武グループの批判本を書いた人のインタビューをしていたが、本当に批判したい内容なら、逮捕以前から特集を組めばいいのだ。批判本の内容がまっとうなら、もっと前から特集を組むべきなのだ。
 道路公団や社会保険事業団などへの批判も、「「批判しても抗議されない」という風向きを確かめてからのもののように思える(その点、週刊誌は先に先にと批判の矛先を向けている)。 
 こうした新聞・テレビの報道態度は、「いじめ」に似ている。
 「こいつはいじめていいんだ」と認知された者だけを、徹底的にいじめぬくのである。
 特にそれまで言いたくても言えなかった大物の場合、より陰湿で凄惨な「いじめ」が行われる。
 このような新聞・テレビのやり口に非常に嫌悪感を抱く。
 コクドグループによる乱開発・法人税を一銭もおさめず世界の長者番付に名前を列ねた堤氏のことは、10年も前に何かの雑誌で読んだことがある。
 今ごろ集中砲火するほどのことではない。
 今回批判特集を組むなら、今回の逮捕容疑のことだけでいい。
 今ごろ利益誘導の乱開発を批判するのは卑怯である。
 

 
 

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