複眼的思考(2)
先日も「複眼的思考」ということで書いた。
1つの事象を両面から考える・あるいは別の見方をしてみるというのは大切な思考訓練である。
ただし、それにはきちんとした情報収集が必要で、確かな情報をキャッチする力がないと両面からの思考も難しくなる。少なくとも一面的な情報を鵜呑みにしないことである。
スポーツがおもしろくて、ニュースもよく見る。
たとえば若の花・貴の花兄弟の仲違いでも、一面的な言い分だけでは何も信用できないから、今のところ我々はコメントしない方がよい。それを宇佐見寛氏は「番」の意識と述べた。
貴の花の単独インタビュー記事だって、本当の事を言っているかどうか我々には信じられないのだ。
複眼的思考のススメということは、短絡的な判断や一面的な判断、いわば「勇み足」をするなということだ。
例えば大リーグの野茂投手は現在のデビルレイズ球団を解雇された。
今年になって通算200勝を達成したとはいえ、今年の野茂投手は勝ち数が少なかった。
成績が悪いから解雇も仕方ないというのが私の個人的な考えだった。
しかし、別の筋によると、これ以上野茂投手が投げるとオプションの形でお金が支払われる契約なっていたのだそうだ→ここ
だから成績の善し悪しに関係なくコンスタントに登板した野茂投手はいずれ解雇されることになっていたということなのだろう(これは憶測)。
そういう裏話は妙に野球に多い。
たとえば、先日のオールスターで松阪投手と清原が対戦した。
1打席目が清原のドーム直撃の大飛球。
2打席目は三振。
その日のテレビで掛布さんが「清原は1球勝負(しかも直球勝負)をするために2ストライクまでは意図的に見送った。最後の一球で勝負してくれる松阪に敬意を表して2ストライクまで見送ったのだ。1球勝負でないと打者に有利だから」と語った。
三振かホームランかという一騎打ちに意味があるのであり、変化球でかわしたり、ヒットねらいでは意味がないということなのである。
あるいは、今シーズン、完全試合を逃した中日の川上憲伸→ここ
スリーボールから投げた1球を打たれてしまった。
翌日の谷繁捕手のコメントが「完全試合を狙っていたからフォアボールが出せなかった。ノーヒットノーランでいいなら、あそこでストライクを取りに行くことはなかった」。
なるほど、フォアボールを出せるか出せないかという状況によって配球も変わり、結果も変わってくる。
そこまで知らずに、プロ野球の「うんちく」などをあたるのは情けない。
くれぐれも自分の思っていることが万人の思っていることと完全一致するなどと思わないことだ。
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