複眼的な思考
僕は少しだけデイべートの勉強をしたことがある→ここ
小・中学の教科書にも以前は「デイべート」が掲載されていた。
新学習指導要領に即した教科書になって「デイベート」は、もっと一般的になるかと思ったらそうでもなかった。
「聞く・話す」の力をつけるには「デイべート」はかなり有効だとは思うが、教師の指導体制が整っていなかったのかもしれない。どちらの側が勝ちなのかをきちんと判定でき、また説明できなければいけないのだから浸透するのが難しかったのだとも思う。僕自身デイべートを授業内のゲームとして実践する自信はなかった。
さて、それでもデイべートが面白いと思ったのは、ずばり肯定・否定という双方の意見を考えるという「複眼的思考」が鍛えられるからだ。
デイべートで勝つためには相手側の論理を想定した上での意見の構築が要求されるからだ。
先日、新聞の投書欄に中学生の意見として「愛・地球博のペットボトル持ち込み禁止」への反対意見が載った。
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このままペットボトルの持ち込みを禁止したままだと脱水症状になる人が続出するのではと心配です。
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この意見は甘い。
(1)万博会場でペットボトル等の飲料を売っていないならば正しい。しかし実際は売っている。
(2)全ての飲料の持ち込みが禁止されているならば正しい。しかし水筒も紙パックも許可されている。
(3)会場内でのペットボトルがあまりにも高額なら問題がある。しかし1本150円は標準である。僕は見ていないがウオータークーラーもあるらしい。
(4)「水筒では重い」という意見があると思う。しかし、それは「脱水症状になるからペットボトル解禁を」という主張とはズレる。保温機能のないタッパーのような物なら決して重くない。
投書欄に載せる文章なのだから、反対意見も想定できた方がいい。
中学教師の僕としては、そこまで指導したいと思う。
個人的には「ペットボトル解禁」に賛成である。
しかし、デイベートだから、自分側の意見あろうと反対意見を述べることもある。
このように自己否定できるところがいい。
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