説明文の授業
OECD調査の読解力の問題は評論文のようなものでした。
しかし、指導要領の「読むこと」の項目には、自分の意見をふまえて読むことも含まれていました。
中3の教科書(光村)でも、説明文のあとの「手引き」に次のようにあります。
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体験に基づいて考えを深める
「マスメデイアを通した現実世界」「パソコン通信というコミュニケーション」でのそれぞれの筆者の主張を、自分自身の体験に基づいて考えてみよう。同意できる点は何か。また、「そうは思えない」ところはどこか。ノートにまとめ、友達と意見交換しよう。
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・・・・どのように意見交換したらいいのかは定かではないが、自分の体験を生かせ、とある。
今回はスピーチを行うと言うことで、次のようなプリントを配布しました。
1・「マスメデイアを通した現実世界」は、やや抽象的な内容で理解が困難です。
読んでいて、その段落の内容に合うような具体的なニュースや話題は思いつきませんでしたか。
あったら、それを元に、意見文を書きましょう。
(例)
①(ケネデイ暗殺のように)ニュースを知ってテレビで確かめたくなった経験
②(ケネデイ暗殺のように)ニュースで知ったことをたくさんの人に語った経験
③鳥瞰情報型のニュースの例
④エピソード情報型の例
⑤観光名所を紹介するテレビ報道がマニュアル化してしまったと感じた経験
⑥テレビで紹介されたイメージに慣れて、現実に違和感をもった経験
(書き方の例)
マスメデイアを通した現実世界」の○段落の○○の部分を読んでいて、次のようなニュース
(エピソード・報道の例)を思い出しました。
↓具体的な例
このように具体例で考えると、筆者の○○という意見がよく理解できました。
これがAランクのメニュー。
Bランクは説明文を読んでの感想です。
文章から触発されて自分の経験や既知のニュース・エピソードを例示できればA。
文章の感想は書けるが、自分の体験を盛り込めなければB。
残念ながら、いずれも書けなければCという評価基準です。
それにしても肝心なのは「書けない子」をどうするかです。
読解力調査でも問題になっていたのは無答の生徒が他国より多かったことで、それが平均点を下げる結果になっています。
じゃあ、力のない子にはどう指導すればいいのか。
Aランクの意見文どころかBランクの感想も書けない子はどうすればいいのか。
「意味の変わり目で段落を変えなさい」「想起した自分の経験を踏まえながら書きなさい」という指示の仕方は
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「AさせたければAと言え」
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と言われるあまりに直接的な指示で、これはなかなか成果が上がりません。
「AさせたければBと言え」というのが、「間接性の原理」を踏まえた指示で、この方が子どもは動くのだと言われます。
しかし、作業指示というのは、直接表現( 「AさせたければAと言え」)であることが多いのです。
そこをどうするか、できない子も取り組めるような指示の出し方・ヒントの出し方。
子どもの思考を促す指示や発問について、なんとかならないかなあと思案するばかりです。
「ノートは縦にどんどん進めようね」と算数の力のない子に言ってもなかなかできない。
図形の問題は補助線を入れると簡単なんだよと言われても、力のない子は思い浮かばない。
「跳び箱は遠くに手を着きなさい」と言われても、できない子はできない。
・・・・・「分かってるけど、それができないから苦労しているんだよ」
という子どもの叫びが聞こえてくる。
「分かる」と「できる」は違うから、
・分かっていても、なかなかできないものなのだ。
・できる子の中には、分かっていなくてもできてしまう子もいる。
・でも、できない子は「分かる」から取り組ませよう。
ということになるのです。
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