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December 10, 2005

フィンランドメソッド~フィンランド国語教科書~

fin
OECDの読解力調査で堂々トップのフィンランド。
そのフィンランドの4年生の国語の教科書の日本語翻訳版が出た(経済界・2000円)。
確かにすごいわ。
OECDの読解力の問題で日本の中学生がお手上げだったともいわれた、いわゆる「評論文」の設問があちこちに登場するのである。
(例1)なぜカウノ先生の家族は緑色の服を着て過ごすことになったのですか。
(例2)本がいっぱいありすぎるため、生徒たちは困っています。~どんなことに困っているか、説明しなさい。
(例3)どうすれば、ソフィアに対するいじめをやめさせることができると思いますか。

 例1のような「なぜ」の設問が多い。
 答えが大事なのではなく、どうしてその答えを導いたかのプロセスが大事なのだと言う。
 尊敬する野口芳宏先生も「なぜ」に強くなれ、と勧めている。
 たった一つの正解を選ぶ・正解となる言葉を抜き出すような国語とは対局にあるともいえる。
 ただし、難易度のハードルを下げるため(?)、書き出しが示されている。
 「ライラ先生が心配していたのは~」
 「生徒たちは図書館バスの本を全部借りてきました。なぜなら~」

・・・このように書き出しを提示しすぎたり、テーマを指定しすぎるのは、本当の自分の意思表明にならないのではないかという心配があったので、フィンランドの教科書は安心材料になった。
 ちなみに、設問の内容には驚きはしていない。
 日本だって分析批評による文学作品の読解指導が20年以上の実績を持ち、言語技術教育学会も実績を積んでいる。『向山型国語教え方教室』も、好調である。
 そこで問われていること、狙っていることはフィンランド型とよく似ている。
 そういう意味では、僕は、この教科書を手にすることで、自分の方向性が間違っていなかったことに確信できたたのである。
次のフィンランドメソッドの「5つの力」も特別驚きはしない。でも、こうやって5つの力を列挙されると、自分の方向性に確信が持てるのである。
 ①発想力 ②論理力 ③表現力 ④批判的思考力 ⑤コミュニケーション力

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Comments

■OECDの読解力調査
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「PISA調査とTIMSS調査の公開問題例」
http://www.ocec.ne.jp/linksyu/pisatimss/koukaimonndai.htm

から、

「PISA調査(読解力)の公開問題例」
http://www.ocec.ne.jp/linksyu/pisatimss/dokkairyoku.pdf

へとぶと、「チャド湖に関する問題」など、
社会科の図表の読み取りみたいなものが、
「読解力」のテストになっていることに
驚きました。

また、PISA2000 と PISA2003 の日本の
結果を比べると、
「分からない生徒」と「分かる生徒」が
それぞれ増え、学力の二極化が
深刻になっているともいえるようですね。

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