イコールのパターン
説明文(に限らないかもしれないが)を授業する時、1つ注意していることがある。
「=(イコール)」でつなげられる表現はどこか」
である。
イコールというのは3通りあると思う。
1)ある言葉を短くまとめる
2)ある言葉を詳しく説明する
3)言い換え・よく似た表現による繰り返し
言葉の定義・解説・同義語反復などが、イコールでつながれる。
・ 「エコロケーション」とは~のことを言う。
・ 「鹿踊り」とは~のことを言う。
のような「AとはB」は、見つけやすい。
言い換え・要約でいうと
・ ~という賢治の願い
・ ~という現代の課題
のような「AというB」も、見つけやすい。
・このような環境問題
・このような事例
のような「AのようなB」の場合も「A=B」でまとめられる。
光村の教科書から一部引用する。
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見渡すかぎりの広い高原に立ったとき、例えば、すすきが一面きらきらと銀色に波打って光っていれば、目の前の風景は、まるで海のようにも見えてくるでしょう。
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「見渡すかぎりの広い高原」
=「目の前の風景」
=「海のよう」
という等式(っぽいもの)が考えられる。
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賢治は「鹿踊りのはじまり」という童話も書いています。この童話は、命あるものの原初の姿や在り方が語られた傑作童話です。自然の中では、人は鹿にもなれるし、人も、ほかの動物も植物も、光や風や、海や野原や山なども、みんなが地球上の同じ地平に共生しているものなのだという、地球環境に対するメッセージさえも読み取れます。
人間の自分勝手な人間中心の世界観ではなく、森羅万象、さまざまな生きとし生けるものたちに、人間は生かされているのだ、という賢治のつつしみ深い考え方に多くの人が共感する時代になってきました。時代がようやく賢治に追いついてきた、といってよいかもしれません。
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「鹿踊りのはじまり」という童話
=「命あるものの原初の姿や在り方が語られた傑作童話」
=「~みんなが地球上の同じ地平に共生しているもの」という内容
=「地球環境に対するメッセージ」が込められている
=「~人間は生かされているのだ」という内容
=「賢治のつつしみ深い考え方」が表れている
=「多くの人が共感」する内容
=「時代がようやく賢治に追いついてきた」t言える内容
まあ、無理無理でここまで = でつなぐとも、どうかとは思うが、
分かりにくい文章は試しにこうやって = でつなげてみると、論理の展開が分かる。
(それにしても長い一文があったりして、難解な文章である。)
= でつなげてみると、巧妙に内容がスライドしてずれていく場合がある。
それは、少しずつ内容がずれていく「伝言ゲーム」みたいなもので、
隣同士は = でつなげられるのに、最初と最後をつなげようと思うと
到底つなげられないことがあるので、要注意なのである。
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