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September 24, 2006

がんばれ亀山ブランド

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正規社員雇用を増やしたソフトバンク、町工場の底力を見せた岡野工業。
続いて、ネットで調べ学習して確認してみたかったのが、亀山ブランドと言われるシャープの液晶工場(亀山工場)だ。
液晶を中心に企業を誘致したので「クリスタルバレー構想」と言われる。→ここ
国内の他県や中国との誘致合戦に勝ったのが三重県の亀山市だった。→ここ
 そして、液晶のシャープ。→ここ
 町田社長の次の話は「なるほど!」と、うなるものだった。
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そして、もうひとつ、シャープの経営のなかで見逃せないのが、日本における物づくりへのこだわりだ。「亀山ブランド」という、工業製品としては、初の産地ブランドが定着している同社の液晶パネルも、日本の物づくりによるもの。

 「場所を決める時に、海外からは、法人税をただにするとか、土地をただで提供するとか、様々なアプローチがあった。だが、大画面テレビ用液晶パネルという新たに作る技術であること、テレビに採用する上で、製品部門やパートナー企業との摺り合わせの技術が必要なこと、海外への技術流出の可能性があることなどを考えると、日本での物づくりしかないと考えた」(町田社長)。

 亀山では、三重県がクリスタルバレー構想を推進しており、液晶関連企業が相次いで進出していたことも、同地への工場進出に大きく作用した。現在、亀山には、約70社の液晶関連企業が進出している。
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というのが、日本での物づくりにこだわった経緯である。
 ただし、「日本での物づくりのこだわり」は、「日本の物づくりの危機感」でもあった。

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 実は、町田社長は、海外生産シフトの動きに対して、危機感を感じていた。「海外の生産拠点の社員に話を聞くと、日本に帰りたくないという。海外にいると、日本よりも安く作れるため、それほど努力をしないままでいられる。そして、日本に帰っても、自分のポジションがない、という。一方、日本の工場は、多くの製品を海外で生産し、日本では作るものがないので、生産革新をしようという気持ちがない。メーカーという立場で考えると、これは大変なことが起こると感じた。海外生産は、安く作れるというメリットはあるが、メーカーの生産技術が衰えることになりかねない。まさに、一時的な痛みを和らげるモルヒネみたいなもので、なにも解決しないと考えた。そこで2001年に日本での物づくりを改めて訴えた」。
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 海外生産への移行は「モルヒネ」、という指摘を大企業の社長からされるとは・・。 
 先の岡野工業の岡野社長の話とリンクするとよく分かる。
 岡野社長は、
・だれもやりたがらないような安い仕事
・だれもやりたがらないような無理な仕事
を進んで引き受けて活路を見いだした。
 だれもやりたがらないような安い仕事は海外へ発注されてしまう。
 しかし、そのような安い仕事も、知恵を絞り、機械の性能を上げて、生産量を上げて、単価を下げる努力をすることで利益の上がる仕事になっていく。それが生産革新の意欲であり、生産技術の向上につながっていく。
 安いからと海外に生産を任せていたら、生産革新や生産技術向上の機会が失われるのは当然のことだ。
 シャープは、技術流出の心配と、日本の物づくりの衰退の心配から、国内生産を選択した。 

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それに対して、「マスコミは非難し、『中国行きのバスに乗り遅れた』というような表現を使った」という。しかし、「いまではその論調も変わった。私は、日本での物づくりは正しかったと判断している。とくに、液晶パネルのような発展途上の製品であり、摺り合わせが必要な製品は、日本での物づくりが適している」とした。
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 このような英断を下したシャープの心意気にエールを送りたい。
 
 がんばれシャープ! 
 がんばれ日本の物づくり! 

(追記)
吉永小百合のテレビコマーシャル「亀山工場物語」が、ネットで見られます→ここ

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Comments

はじめまして。
さすが、目の付け所がシャープと言わざるを得ない事例ですね。
今後、液晶のシャープがプラズマ陣営といかに闘っていくかが興味のあるところです。
授業などでの利用等、教室環境では液晶パネルの方が「映り」がいいんですが、世の趨勢は大画面化ですのでプラズマ優位なんですよね。

Posted by: chameleon | September 24, 2006 at 01:40 PM

液晶かプラズマかという競争ですね。数年先はどうなっていることでしょう。シャープだって、数年先は今とは全く違う戦略を立てているかもしれません。それぐらいの社会変化への対応がないと一流企業とは言えないんでしょうね。

Posted by: 竹田博之 | September 29, 2006 at 12:01 AM

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