いじめ自殺への緊急対策
いじめの自殺問題は危険である。
それは、どうしても「連鎖」を呼ぶからだ。
我慢の限界で生活している子は、同じようないじめで自殺している子の報道を耳にすると。それまで張りつめていた糸が切れてしまうこともある。
だからこそ、それぞれの学校で対策を立てていかねばならない。
今回、学年主任として、次のような文面を作った。
子どもの自殺という悲しいニュースが時々報道されます。 原因が、学校内でのトラブルである場合は多く、胸が詰まります。 「いじめ」に悩んで自殺した小学校6年生の女の子の遺書の一部です。この手紙を読んでいるということは私が死んだと言うことでしょう
私は、この学校や生徒のことがとてもいやになりました。それは、3年生のころからです。なぜか私の周りにだけ人がいないんです。
5年生になって人から「キモイ」と言われて、とてもつらくなりました。
6年生になって私が差別されるようになりました。それがだんだんエスカレートしました。一時はおさまったのですが、周りの人が私をさけているような冷たいような気がしました。
みんなは私のことがきらいでしたか? 気持ちわるかったですか?
私は、みんなに冷たくされているような気がしました。
それは、とても悲しくて苦しくて、たえられませんでした。
修学旅行の部屋割りを決める際に、今回、自殺した女子だけ部屋が決まらず、担任や同級生のほかの女子も含め、3回にわたって話し合っていたことが分かっています。だれかが一言さそってあげれば解決する問題ではないでしょうか。
皆さんのクラスでは、席替えや班決めなどで、もめたことはありませんか?
毎月行われている席替えでも、連続してその女子の隣の席に決まった男子に「気の毒だ」という声が上がったという話です。どうしてわざわざ人の嫌がることを口にするのでしょうか?。
皆さんのクラスでは、ノートやプリントを集める時に1人の子の分だけよけてみたり、すれちがっただけで「気持ち悪い」「うざい」と聞こえるように言ったりする子はいませんか?
「うざい」「キモイ」「あっち行って」「しゃべらんで」といった言葉を平気で口にする人がいます。言う方は、ほんの軽い気持ちで口にします。でも、言われた方が本当につらい気持ちになるのです。
あなたの一言で、その子が学校に来れなくなったり、心の病にかかったり、命を落とすようなことになったらどうしますか。あなたも一生、その責任を感じて生きていかねばなりません。その覚悟はありますか?
皆さんにお願いです。
◆いやな思いをさせている子は、今日から止めましょう。
◆嫌な思いをしている子は、がまんしていないで、先生やおうちの人に相談しましょう。
◆そんなトラブルを見かけた子は、知らん顔していないでストップさせましょう。
だまって見ている人にも責任はあるのです。
・・・このまま文書にして提示することは支障があるので、これを元に各担任がお話しをするということでまとまった。
各クラスの詳細は分からないが、とりあえず第一手を打った。
「いじめ」は簡単にはなくならないかもしれない。
しかし、いじめ自殺は何とか防ぎたい。
「先生達は、いじめに取り組むよ」の宣言が第一手である。
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Comments
「やまかん日記」のやまかんです。自分は長年いじめ問題の解決を課題にしていたので、春日井教育さんのおっしゃることがすごく納得できます。
Posted by: やまかん | October 14, 2006 09:51 PM