履修してない高校を糾弾できるか?
必修科目を受けていないので卒業できない高校生がいる、というニュースが昨日流れた。
えっ、そんなこと話題にしていたら、全国でたくさん該当校が出ると思うけど大丈夫なの?と思ったら本日の共同ニュースで、下記のように掲載された。予想通りだ。
必修を未履修、10県59校で 文科省が実態調査へ
富山県の高岡南高校などで、学習指導要領で必修となっている世界史などの授業を履修させなかったため在校生が卒業できない恐れが出ている問題で、少なくとも全国10県の59校で、必修科目を履修していない生徒がいることが25日、共同通信の調査で分かった。
中には、数年前から未履修が続いていたり、未履修の卒業生がいる高校もあった。学習指導要領違反の可能性もあり、文部科学省は同日、全国の都道府県教育委員会に実態把握を求める通知を出すことを決めた。27日までに回答を求める。
調査は全国の都道府県教育委員会のほか、公立を中心に各都道府県で大学進学率の高い高校の一部を対象に実施した。
未履修が判明した高校は岩手県の27校のほか、山形県11校、福島県10校、福井県5校、青森、栃木、富山、石川、愛媛、宮崎の各県で1校ずつ。
石川県では私立星稜高校で5年前から、一部生徒に世界史などの授業をしていなかったことが判明。また、同校によると、3年生約680人の全員が卒業に必要な音楽の単位が不足しているという。
福井県では5校で計約700人の在校生が必修科目を履修していなかった。
学習指導要領では高校の地理歴史は世界史が必修で、さらに日本史、地理から1科目選択して履修する。未履修校の多くは大学受験対策として生徒が選択した1科目だけを履修させていた。
ほら、どんどん増えてきたよ。
私立高校を調査したら、もっと増えるだろう。
音楽等の実技教科もきちんと調査したら、もっと増えるだろう。
大学入試に必要ない科目はドンドン切り捨てたいというのが、高校生の本心だ。
これから70時間分も補習などで補っていくというが、1校だけではすまないことは、今日のニュースで明らかだ。
該当校の受験生は大学入試本番直前の冬休みに補習を受ける。
バレずにすんだ高校生は、知らん顔して補習をまぬがれる。
必修科目を履修しなかった卒業生は、おとがめなしなのか?
学校側の不手際や落ち度を糾弾するのはいい。
でも、騒ぎ出したら該当の高校生に負担がかかる。
マスコミは、高校生の一生を左右する覚悟があるのか。
第一報を報じる前に熟考しなかったのか。
私は「不正を働いた高校生を見逃せ」という主張をしているわけではない。
まあ、気持ち半分は「見逃せばいい」と思っている。
この場合は高校生自身には「不正の意識はない」と考えられるからだ。
相手は受験生。
これからが大変な時期なのだ。
何か特例で対処しないと悲劇が起きる。
文科省も、教育委員会も学校も今更ほじくってどうするというのか?
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