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November 11, 2006

「ハッピーバースデー」青木和雄

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出版社/著者からの内容紹介
実の母親に愛してもらえず、誕生日さえ忘れられてしまった11歳の少女・あすかは、声を失ってしまう。しかし、優しい祖父母の元で自然の営みに触れ、「いのち」の意味を学ぶ。生まれかわったあすかがどんな行動を起こすのか。そして、母親の愛は戻って来るのか…リアルな展開に、5頁に一度は、涙が噴き出る物語。

内容(「BOOK」データベースより)
「ああ、あすかなんて、本当に生まなきゃよかったなあ。」自分の思い通りに成長した長男に比べ、できの悪い娘あすかに容赦ない言葉を浴びせる母静代。しかし静代の見せかけの鎧は、職場の年若い上司なつきによって徐々に剥がされていく。愛に餓え、愛を求めて彷徨う母娘の再生の物語。

 学校の図書館にあった本。今年の夏の読書感想文でも数点あった(コミックもあるらしいので、そちらを読んだのかもしれない)。100万人が泣いたなどというコピーも踊っている。
 次から次へと主人公あすかに不幸が訪れる。だからといって「5頁に一度は、涙が噴き出る物語」とは・・・。
 
 不幸が訪れれば訪れるほど、先を読みたくなる。ストーリー展開が激しくて、いっき読みしたくなるタイプの本だから、中学生が好んで読むのは、よく分かる。
 ただし、私は好きにはなれなかった。
 作者はカウンセラーで、実話に基づいているというが、道徳の教科書に掲載されるような「できすぎ」な感じがあるからだ。 
 典型的な悲劇に、典型的なハッピーエンド。
 それでも、読みやすさゆえに中学生が喜んで手に取るなら、それでもいいかなと思う。
 読書のきっかけになるなら、コミックでも、映画やドラマの元本でも、お子様ランチのようなお手軽本でもいいと思う。
 「いじめ」問題について考えるきっかけにはなりうる1冊だ。
 「いじめ」問題が騒がれる昨今だから、一度目を通してみる価値はある。

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Comments

いじめ、教師同士のいじめがなくならないのに、子供同士のいじめなんてなくならないでしょう。
特に愛知県は、愛知教育大学の学閥や地元出身かどうかなど差別が横行しており、その筋から外れている教師は校務分掌で差別を受けています。
ある教師は得意分野で仕事を持たされ、評価されているのに、別の教師は不得意分野の仕事しか回されず、不適格教師、という言葉をちらつかされながら仕事をしている人もいます。
これから教員評価も採用されるというのに、こんな状態でとても平等な評価などできっこありません。
こうした根本から直さない限り、いじめはなくならないでしょう。

Posted by: 愛知の教師 | November 12, 2006 10:20 AM

教師のいじめは確かにあります。しかし、もっと言えば世の中には「いじめ」はいくらでもあります。いろんな職場で、いろんな町内で露骨な意地悪をしたり無視したりすることが現実に起こっています。教師の問題をごまかすつもりはありませんが、教師同士のいじめがなくならなければ・・・と言うならば保護者にも地域にもそうした「いじめ」をなくす呼びかけをしていく必要があると思います。

Posted by: 竹田博之 | November 12, 2006 01:54 PM

Sources have mentioned that it'll be completed throughout the well-awaited Microsoft next-gen Xbox reveal. I like xfire for its messenger, which can be used in game, and out. Tourism in Revelstoke is one of the most important activities here since this place is the gateway to the wilds of the Monashee mountains.

Posted by: call of duty ghosts hack | March 05, 2014 10:30 PM

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