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November 25, 2006

「教育基本法」について学習しよう(1)

 教育基本法改正の何が問題になっているのか。
 そんなことも知らずに教師をしているのも当事者意識に欠ける。
 国会でも市民集会でもいろいろ騒がれているのだから、何が議論の的か理解しておく必要がある。
というわけで、「教育基本法改正」についての「ひとり学習会」を開くことにする(笑)。
 現行法と改正案の比較表なども参考になります→ここ

 11月22日に実質審議入りした参院教育基本法特別委員会で、「不当な支配」の表現が焦点となった。
 民主党の佐藤泰介氏「『不当な支配』とは誰の誰に対する支配か」と追及したのである(ちなみに佐藤議員は教師出身であり、愛教組が支援しています)。
 
「不当な支配」・・・
 分かる人には分かる、分からない人には分からない論点だ。
 現行法では、次のように記されている。
第10条(教育行政) 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

文部科学省HPの解説によると「 第1項は、教育と国民の関係を規定したもので、教育が国民の信託にこたえて、国民全体に対して直接責任を負うように行われるべきであり、党派的な不当な支配の介入や、一部の勢力の利益のために行われることがあってはならないことを示したものである。」
とある。
 これに対し、改正案第16条は
(1)教育は、不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担および相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならないこと。とある。
 この差異が分かるのは、かなりマニアな人で、多くの人はスルーしてしまう。
 しかし、改正反対論者にとって、この部分はとても重要な意味を持っている。
 あらかじめ言っておくが、わたしは今のところ改正反対論者ではない。
 
 改正案では「不当な支配に服することなく」のあとに「教育は法律の定めるところにより行われる」との表現を盛り込んだ。
 伊吹文明文部科学相は24日午後の参院教育基本法特別委員会で、
「教育は、法律の定めるところにより行うべきもの」の規定について「国会で決めた法律は、国民の意思で全体の意思だ。これと違うことを特定のイズム(思想)や特定の思想的背景を持ってやることを禁止しているのがこの条項だ」と述べた。
 何が言いたいのか。
 何が問題なのか。
 私なりの表現に置き換えると
 佐藤氏は「現行法では『不当な支配』とは、国家の不当な支配の事を指すはずだ」と指摘しているのに対し、
大臣は「法に従わないものの圧力が『不当な支配』だ」と明言したのである。
 よって、ここにおいて、「不当な支配」の主が全く逆であることが明らかになったのだ。
 現行法と改正案では、ほとんど差異のないように見える第10条だが、意味が全然違う、ということを、佐藤議員は「誰の誰に対する『不当な支配』か」と問いただしたのである。
 大臣のこのような見解に対しては「詐欺」「スリカエ」だという意見がある。 
 
 「不等な支配」の主語は公権力など。

 現行法ができた経緯からすれば、元々「不当な支配」の主語は公権力だったのだろう。
 そもそも教育基本法は、戦前の教育が国家権力の圧力に屈して軍国主義教育をもたらしてしまったことの反省から成立したものだから、そのような国家の不等な支配を禁じたのである。
 ところが、さまざまな団体が、国や文部省の指導に対して、「不当な支配」という言葉を用いて批判したり、拒否をしてきた。
 そうした批判の一部があまりに過激であったため、今度はその公権力を批判する団体こそが「不当な支配」になってしまった。
 世直しのために立ち上がった殿様が、いつしか暴君になってしまうようなものか。
 戦後60年である。「不当な支配」の主語が変遷してしまったとしても不思議ではない。
 あらたな勢力が「不当な支配」をしているなら、その勢力からの「不当な支配」を排除するのは、国家(行政)として当然の行為である。
 だから、私は「不当な支配」の主語が現行法設立当初と異なっていても、そのことは批判の対象にはならないと思う。大切なのは、現在「不当な支配」をしている勢力があるかないかなのだから。
 もちろん、文部科学省は、そのように主語が変わっていった経緯を詳しくは言わないだろう。
 どういった勢力が「不当な支配」なのかをいちいち断言すれば、ますます糾弾されるからだ。
 いつの時代においても「党派的な不当な支配の介入や、一部の勢力の利益のために行われることがあってはならないこと」が最重要なのである。

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Comments

日本が間違った方向にすすもうとしている以上、それに対してNo!を突きつけてこそ尊敬される国民なのだ!

以下こぴぺ
 教育改革は国家の犬のクソ教師を量産する!
 中川昭一がごときヤクザが、自由・平和・人権を遍く日本に実現しようと日々がんばっている日教組をガン細胞呼ばわりするのはやつの頭が狂ってるとしか言いようがない。
 中川とそれに連なるクソ右翼こそガン細胞であり国民生活に不安をもたらすものであることは、国民はすべてお見通しだ!
 せいぜい参議院選までの短い春を謳歌するがいいさ

Posted by: fefe | November 25, 2006 06:13 PM

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