« デイベート型の発想の問題点(1) | Main | デイベート型思考の効能 »

November 11, 2006

デイベート型思考の問題点(2)

「けんかをした友だちに謝るにはどんな方法がいいか」
という論題は、ズレが起きる。
 「けんか」という言葉のイメージがさまざまだからだ。
 殴り合いのケンカをした場合と、ちょっとした口げんかでは、謝り方が違うし、許し方も違う。
 今けんかして謝るということなら、別に電話や手紙を使うまでもない。今、直接謝ればいいのだ。
 
 だから、「口げんか」ということでイメージを統一しよう。
 「謝ろうとしたら帰ってしまった。明日学校で会えるけど、どうするか」という状況に統一しよう。

ということにする。
 ただし、実際に授業してみると、これでも不十分だった。
・ 「口げんか」といってもどれくらいなのか。自分の方が悪いのかどうかで謝り方も違ってくる。
・それほどたいしたことのない口ケンカなら、わざわざ家まで行って謝るのは大げさすぎるし相手に迷惑だ。
・ケンカしたのは、いつのことなのかが分からない。
などといった場面設定の不備が質問されてくるのである。
 僕は、このように慎重に疑問を呈する子は「よく考えている素晴らしい子」だと思っている。
  このように論題に対して慎重になることは、とっても大切なことである。
 ぱっと状況を見て、安易に断定するのは危険な行為である。
 マスコミの学校批判も時に一面的・独善的であることが多くて辟易する。
 「いじめ」という言葉で表現してはいけない犯罪行為を「いじめ」と断じたり、一部の保護者や有識者の意見を「総意」のような扱いで流したり・・。
 
 「想像力がある子は思いやりがある」とたびたたび主張しているのは、この意味である。 

|

« デイベート型の発想の問題点(1) | Main | デイベート型思考の効能 »

教育」カテゴリの記事

国語」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference デイベート型思考の問題点(2):

« デイベート型の発想の問題点(1) | Main | デイベート型思考の効能 »