「どうやって謝るのか」の国語の授業
中1の国語の単元にグループデイスカッションがあって、「けんかした友だちにどんな方法で謝るか」というテーマが例示されている。
デイベートのテーマは「あいまいさ」があると、議論がかみあわないというのが僕の持論なので
「口げんかした友だちが帰ってしまったら、どんな方法で謝るか」
という形に条件を設定した。
教科書の流れでは「電話・手紙・メールなど」で話し合わせる形になっている。
しかし、である。
謝罪の基本は、直接相手の目を見てきちんと謝ることだ。
最初からメールだ電話だ手紙だと逃げるような方法を学校が勧めてどうするのか。
実際の授業では各自で方法を考えさせたので、子どもの中には、「直接謝る」という方法を書いてくる子がちゃんといた。
ただし「直接謝る」といっても時期が問題になる。
「その日のうちに」「翌日学校であった時に」の2通りにあるけど、どっちで考えてるの?などと確認していく。
「手紙」を選んだ子には「その日のうちか、翌日か」「直接渡すか、ポストや机の中など間接的に渡すか」を明記させる。 そのような枝分かれを考えずに、手紙・メール・電話で選択させるのは混乱の元なのである。
そして、他の子の意見を聞いて、それぞれの方法の長所・短所を考えさせた。
繰り返す。
基本は「その日のうちに、直接会って、きちんと謝る」だ。
しかし、会ってしまうとうまく謝れないという子もいるので、百歩譲って、自分の心を届けやすい「電話」や「メール」「手紙」などを選ぶことも「あり」とする。
でも、電話は通じないかもしれないし、受話器を取ってくれないかもしれない。
メールや手紙は、差出人を見て開かないかもしれないし、届いたことに気づかないかもしれない。
まあ、そこまで言うと「先生、そんなこと言ったら会いに行っても会ってくれないかもしれないよ」という子が出てくるのでキリがないが・・・。
現実的には、1つの方法ではうまくいかない場合も多いし、合わせ技で攻める場合もある。
電話をかけたけど通じなかったから、直接会いに行くとか、
当日は電話で謝って、翌日顔を合わせた時にきちんと目を見て謝るとか・・。
そのように、たくさんの方法を列挙し、それぞれの長所・短所をしっかり列挙することが「思考の訓練」になる。
読んでいて感激した生徒の感想を2つ示す。
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あやまる方法は、いっぱいあるけれど、どれもいいな~と思った。メール、電話、直接あやまる、どれもいい所もあるけど、悪いところもいっぱいあるな~と思った。あまりこういうこと考えた事はなかったけど、考えてみると、けっこう大変だった。もし、これが口げんかじゃなかったら、相当考えるだろうな~と思った。でも、口げんかだからあやまりにくいとも思った(大けがさせたら、すぐにあやまれるから)。
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全てのものに一長一短があり、決めるのに迷ったが、最後は次の日に会って話した方がいいと思った。このシチュエーションはけっこうあるから話していて楽しかった。やっぱり1人で勉強するよりみんなで話し合った方がいろんな考え方をもった答えが出るから、話すといろいろな考え方ができるようになったと思う。
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1つの方法しか浮かばない子、選んだ方法の短所を意識できない子は失敗する。
だから、想像力のある子はコミュニケーション能力が優れていると言えるのである。
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