がんばれ!ノコギリ屋根の織物工場
私の住む一宮市の地元誌「CITYー1」の137号の「近代を築いた産業遺産」という特集にひかれた。
私の家の周りにも見られる「ノコギリ屋根の工場」については、次のような解説がある。
一宮地方の人たちは、遠い昔、木曽川の水流とのたたかいの中から、逆境を利用し、危機に面するたびごとに、絹から綿へ、さらに絹綿交織へ、そして毛織物へ、ウールラインへと、見事に転換し発展を遂げてきた。そうした経緯の中で建てられたノコギリ屋根の工場は、多い時には3600以上もあったといわれますが、現在は600前後が残っていると思われます。
ノコギリ屋根は、南側がななめになっていて、北側が切り立っている。
その北側の屋根の部分にはガラスが、はめこまれていて採光の役割を果たしている。
南からの光は時間によって変化するが北側の光は安定しており、織物の仕上がり具合・色あいを確かめるのにちょうどいいのだそうだ。前述の雑誌には「電気が豊富になった現在でも、反物の出来不出来については一日中変化の少ない柔らかい『北光線』のもとでおこなわれていると聞いています」とある。
なるほどね、私自身は、この町で生まれ住んだ訳でじゃないので、そんな深い意味があるとは知らなかった。
ノコギリ屋根の工場は現役で、ガッシャンガッシャンと響いてくる。
かつては「ガチャ万」と言われ、1回ガチャンとやると1万円になったというほど景気のよかった町である。
そんな時代を知らない私にとって、この付近はのどかだが、さびれた雰囲気があることは否めない。
歴史があるんだなあ。がんばれ「ノコギリ屋根」!
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