「教育勅語」と「武士道」
「修身教育」というようなジャンルに言及するには勇気がいる。知らないことが多すぎるからだ。
でも少しずつ勉強していきたいと思っている。
今日は、たまたま入った喫茶店でPHPの『歴史街道』という雑誌が目に入った。
それも2004年5月号ということで、あとでネットで調べたら在庫ナシだった。
喫茶店で携帯電話で写した表紙を見れば分かるように「武士道」についてのテーマである。
映画「ラストサムライ」もトムクルーズが「武士道」から受けた感銘が元になっている。
その映画のブームと「武士道」のブームがシンクロしたのだが、私自身は最近まで「武士道」に関心がなかった。 今年のベストセラー「国家の品格」を読む前に、新渡戸「武士道」をたまたま読んで、興味を持ち始めたところである。少しずつブログでも書いていこうと思っている。
さて、本日、喫茶店で読んだ本。
森本哲郎氏のわずかな発言だけを書き留めた。
「敗戦後、占領政策を進めたGHQが驚いたことの1つは、修身と言う科目で学校の教師が道徳を教えていることでした。
彼らにしてみれば、道徳を教える立場にあるのは、牧師あるいは神父だけではないか、というわけです。教会がやるべきことを学校で教師が教えているとはけしからんということで修身教育をやめさせた。・・・」
新渡戸稲造は「宗教のない国でどうして道徳教育ができるのか」を尋ねられ、日本には「武士道の精神がある」ということで「武士道」を著した。
仏教・儒教・神道の影響を受けた道徳規準・行動基準としての「武士道」。
教育基本法改正の話題の中で「修身(教育勅語)の復活か」という言われ方もする。
そのようなQAのウエブもあった。→ここ
教育勅語については、次のように解説されていた。
教育勅語の概要は次のとおり。
(1) 第1段落で、天皇の「臣民」が君子に忠誠を尽くし、親に考を尽くしてきたことによって、天皇を中心に日本の「国体」が守られてきたことを強調し、教育の根本もそこにあると指摘しています。 (2) そして、第2段落で、親孝行、兄弟の友情、夫婦和合、友人同士の信頼、自制心、博愛の精神、学業・職業を通じた啓発と修養、公益の促進、国の憲法・法律の遵守、非常事態における国への奉仕を説き、こうした行動を通じて皇室のいっそうの隆盛を支えるよう求めています。 (3) 第3段落では、こうした教えは古今東西に通用するものであるから、天皇・臣民が心をひとつにして守っていかなければならないと説明しています。このうち第2段落に書かれていることだけを取り上げて、「教育勅語は普遍的な道徳を示したものにすぎない」と主張する人たちもいます。しかし、全体を通じて読めば、天皇・権力者中心の国家秩序を維持するために教育を利用しようとするものであったことは明らかです。このような文書が戦前の教育の支柱とされたことが、第2次世界大戦を通じて多くの人命が失われ、また人間の尊厳が否定される大きな要因となったのです。
実は、私も第2段落だけ取り上げればいいと思う1人である。
第2段落の内容は新渡戸「武士道」と重なり、日本人のモラルの拠り所となるべき部分である。
「国家の品格」で新渡戸「武士道」が取り上げられている。
「武士道」を再評価するからと言って主君のために命を投げだせとは誰も言わない。
同じように「教育勅語」を再評価するからと言って天皇に命を投げ出せとは誰も言わない。
「武士道」や「教育勅語の第2段落」を再評価することに、どう無理があるのか、そこを注意深く勉強してみようと思う。
教育勅語に関する詳しい解説は、 ここ がお薦め。
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Comments
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Posted by: internet providers antlers ok | May 24, 2014 08:38 AM