『国家の品格』 藤原正彦
私が購入したのは2006年11月25日版37刷、初版から、ほぼ1年。
「今年度 新書NO1 日本人に『品格』を問い220万部突破」と帯にある。
「品格」が今年の流行語大賞にもなった。
新潮社にくわしいHPがある→ここ
①ベストセラーになったということは、この本の内容について支持が多いということだ。
②帯には「『必読の書』と圧倒的支持の声!」ともある。
③この本の内容についての支持者が多いと言うことは、「教育基本法」の改定や、「日本人のモラルの欠如をなんとかしようという教育」への支持者が多いということである。
「教育基本法」改正反対論者は、この事実をどう見るか?
・・・このような「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理の破綻について数学的に教示されている(P57)。
それだけでも勉強になった。
帯に紹介された本書の内容
1)資本主義の勝利は幻想
2)情緒の文明を誇れ
3)英語より国語と漢字
4)論理の限界を知る
5)卑怯を憎む心、憐憫の情の大切さ
6)跪く心を忘れない
7)武士道精神の復興を
8)古典を読め
9)家族愛、郷土愛、祖国愛、人類愛
10)国際貢献など不要
11)重要なのは「文学」と「芸術」と「数学」
12)真のエリートを求める
「220万部=220万の人が読了し 上記の12項目全ての意見に100%賛同」
は確率的に低い。
読了した割合を0.8とし、12項目の各支持を0.8と高めに設定したとしても、
0.8×0.8×0.8×0.8×0.8×0.8×0.8×0.8・・
となるから、あっという間に数値は限りなくゼロに近くなっていく。
というのが本書に示された藤原氏の論理だ。
しかし、こうした論理そのものが(4)の「論理の限界」に該当するのだと思っている。
各項目の支持が大方0.8なら、いくらステップが多くても最後まで0.8というのが常識的な判断だからだ。
というわけで、藤原氏の意見に賛同したり、異論をはさみながら、自分の学びをまとめてみたい。
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