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December 14, 2006

「論理力ノート」~譲歩~

 以前、「だが、しかし~」の論理ということを書いた。
 論文を書くときの鉄則とでも言うべき方法で、
「確かにAという論もある。だが、しかし、Bの方がいい」
という主張の方を守ることにより、独善的にBを主張しているわけではないことを相手に伝えるのである。
 出口氏の、この本では、そのような「だが、しかし」の論理を「譲歩」と呼んでいる。
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 自分の意見の正しさを読者に印象づけたい場合には、反対意見を持ちだしてそれを否定すればいい。
 しかし、それを正面切ってやれば、相手に礼を失することになる。そういった無礼な文章や議論はマスコミなどではしばしば見られるが、真の知識人はそのようなことはしない。反対意見を持ち出すのがそれを否定するためなら、それだけに相手に対する配慮が必要だ。
 だから、筆者は一歩ゆずって反対意見をとりあえずは認める。「なるほど、それはもっともである」「たしかに一理ある」といった具合に譲歩する。
 そして、その後、「しかし~」とゆっくり否定するのである。(P36)
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 目の前にいる相手の場合は「譲歩」というような配慮も必要なのだと思う。
 これが、たとえば作品分析のような倒すべき相手のいない内容なら、妙な配慮も遠慮もいらないのではないかと僕は思う。それは僕が「真の知識人」ではないからか。
 相手の論を否定しているのであって、相手の人格を否定しているわけではない。
 だから、堂々と否定すればいいのだが、ビジネス書である本書としては配慮した方がいいということなのだろう。
 
 「論理的な読み方」を身につけるためには、文章の3つの論理の理解が必要だと出口氏は言う。
①イコールの関係
②対立関係
③因果関係

①は、具体例・体験・比喩・引用
②は、対比・譲歩・弁証法
③は、「AだからB」

①の「イコールの関係」は先日書いた。前も書いた。
②の中の「弁証法」も、先日書いた。
②の中の「譲歩」は、今書いている。「だが、しかし」は前に書いた。
②の中の「対比」は、ブログには、あまりないが、研究論文で書いたことがある(HP化はしていないはず)。
③「AだからB」は、もう少し検討してみる。因果関係ということなので「なぜならば」で意識した実践が、ここに該当する。

 出口氏の言いたいことが、かなり分かってきたような気がする。
 もうひとがんばりだ!

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