「エリート」という言葉
『国家の品格』の中に、「真のエリートが必要」という項がある(P83)。
「愛国心」は手垢にまみれた言葉だから使わないと藤原氏は言う。
しかし、「エリート」は特に違和感も持たないで用いている。
「旧制中学、旧制高校は、こうした意味でのエリート養成機関でした」とある。実際は「エリート養成機関」でなく、どう呼ばれていたのか気になるところである。
個人的な見解で言うと、「エリート」という言葉も「愛国心」同様マイナスイメージが強く、十分手垢にまみれていると思う。たとえば「エリート」と言われて誇らしく思う人がどれくらいいるか、心からの尊敬の念を抱いて「あの人はエリートだ」と用いるケースがどれくらいあるかを考えてみればいい。
ウイキペデイアには次のように解説している→ここ
よい意味でのエリート養成は必要であろう。
でも、手垢にまみれた「エリート」では選ばれる人もかわいそうだ。まだ「リーダー」の方がましだ。
藤原氏が「愛国心」について述べたP115の一説を、そのまま「エリート」に置き換えてみる。
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私は「エリート」という言葉は、意識的に使いません。手垢にまみれているからです。そのかわりに「○○」という言葉を使い、それを広めようと思っています。言葉なくして情緒はないのです。
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「エリート」に代わる適切な言葉はないのだろうか。
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