エタノール燃料の未来は明るいか(2)
11月に行った授業では「バイオエタノール」についての中日新聞のコラムを提示した。
そのコラムは「未来は明るい」というトーンだった。
したがって、その時の授業も明るい未来を提示して終われた。
それなのに、今年になっての「エタノールを供給する穀物の不足・値上げ」が話題になってきた。
となると、昨年の記事と今回のニュースの数値等を照合してみる必要がある。
前の記事の概要は、WEBで見られる次の2記事と良く似ている。
◆http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=6417
◆http://www.okinawatimes.co.jp/day/200608301300_05.html
1)宮古島では特産物のサトウキビからバイオエタノールを作り実車走行が実験的に行われている。
2)砂糖をとった後に残る糖みつを発酵・蒸留してエタノールを製造している。
3)島内のサトウキビから1400キロリットル。E3(エタノール3%)ガソリンで2万台分。
4)ガソリンを全てE3にすると全国でCO2約250万トン分に相当し。
2010年までに国が見込む運輸部門の排出量の約23%に相当する。
5)環境省は2010年のエタノール国内生産量を約3万キロリットルと見込む。
6)しかし導入目標達成のためには大半を輸入に頼ることになる。
◆先のニュースのトウモロコシでなく、サトウキビ、しかも砂糖をとった残りかすである点では、やや状況が異なる。
しかし、授業では(6)「大半は輸入」を見落とした。
子どもには直接資料を印刷・配布していないから「サトウキビで車が走る」という希望的な部分だけが強調された。
しかし、(6)を読むと、決して楽観はできない。
輸入部分を世界各国で奪い合いになると、値上がりも起きるし、確保が困難にもなる。
先のニュースと比べてみると
(1月ニュース)・・環境省は2010年までに原油換算50万キロリットルのバイオガソリンの普及を目指している。
(昨年新聞)・・・・環境省は2010年のエタノール国内生産量を約3万キロリットルと見込む。
ところが大本の環境省のHPを探しても、原典がなかなか分からないのである。
ちなみに、別の記事もヒットした。
トウモロコシ・サトウキビではなく、コメからエタノールというプランである。
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200611100089.html
この記事は、「米からエタノールを(水田を油田に)」ということで、減反調整で余った水田を利用して食用ほどの質でないコメを作ればいいなら採算の見込みが立つのでは、ということだった。
エタノールの原材料をどこから調達するかでも、いろいろ情報が違ってくる。
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