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March 21, 2007

東洋思想~陰陽の太極図~

Taikyoku
これが「陰陽」の基本である太極図。
太極とは易学でいう宇宙生命といったもので東洋哲学の陰陽原理を象徴しているそうで。
この太極図の発想を取り入れたのが韓国の国旗。
「太極旗」ともいうそうだ。
「宇宙最高の原理」を意味する「太極」を円で示し、赤は陽、青は陰を表し善悪・新旧・天地・男女など万物は相対するものから成り立つという東洋思想を表す。
Taegeukgi_1
モンゴルの国旗の中にも、この太極図が含まれている。
赤は進歩と繁栄、黄色は永遠の愛と友好、青はモンゴルの伝統的な色でモンゴル国民を表す。
旗竿側の紋様はソヨンボと呼ばれるモンゴル伝統のシンボルで幸福を示す炎、宇宙と永遠を示す太陽と三日月、大地に向かう槍と矢じりを示す2つの三角形、正義と正直さを示す2つの長方形、陰陽を示す巴から構成されている。
ということだから、いろんな意味を含んだ国旗のようだ。
Mongolia

ペプシコーラのロゴ、シマンテックのロゴ、浜松市の市標も、陰陽を用いているのだと書いてあった。
ハワイのサーフィンのブランド「Town & Country」は、太極図そのまんまである。
サーフィンをする人の精神的苦悩を表しているとのことで、会社のHPにも「陰陽」をデザインしたと明記している。
Tclogo
トモエのそろばんのマークと似ていると思ったら「巴」のマーク(紋章)は、ここからきていた。
トモエのソロバンのマークは「三つ巴」である。Logo_eng


自分の知らないところで、当たり前のように行われている事実がある。
知らないことは恐ろしい。

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March 15, 2007

日本人の原点~八百万の神~

 日本人は貪欲に異種文化を吸収し、伝統文化と融合し高めていくことができる。
 その特徴は、どこに由来するのか、気になっていた。
 1つの答え(ヒント)が「多神教」にあった。

http://www.h3.dion.ne.jp/~haboro/kobore.html#rekisikyouiku1

 多神教  キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、これら一神教の争いは千数百年の永きに渡り続き、未だに終わることは有りません。それはこの三宗教が、おのれの神を唯一絶対と信じ、歩み寄ることがないからです。  彼らにとっては自分の宗教以外は全て邪教なのです。このところがどうしても、日本人には理解できません。 日本人の宗教の基盤は、土着信仰である神道であり、神道の根本は自然崇拝から発展した多神教です。  多神教である、私たちは沢山の神様がいらっしゃることを、あたりまえと考えています。ですから、たとへ敵対する相手が自分達とまったく違う神様を信じていても、相手が人間であると言う事を疑うことはありません。 従って、同じ人間同士なんだから話せば分かると考えます。ここには対等の人間としての価値観が有ります。 しかし、一神教の人たちは自分の宗教以外を邪教と考えていますから、どうしても見下してしまうのです。 よく一神教の方が「寛容な心で異教徒を許す。」という言葉を使われますが、私は日本人として、とても疑問に感じるのです。  信仰が違うからといって どうして許したり許されたりしなければいけないのでしょうか、これでは対等な人間同士として話し合うことも理解し合う事も出来ません。  日本人は一神教の方々から、宗教に対し曖昧でいい加減であると非難されます。しかし、地球は狭くなりました。この狭い空間で多様な価値観が仲良く共存する道を世界が求めています。  神棚があり仏壇があり そして年末にはクリスマスツリーがある、この生活を自然に受止める事の出来る日本人を私は素晴らしいと思います。自分に誇りを持つことは大切です。しかし、それは己を律するためのものであって  けして見下したり差別したりするためのものではありません。  日本古来の信仰と伝統に、私たちはもっともっと、自信と誇りを持つべきと考えます。

・・・多神教だから「多用な文化を受容できる」。
 「みんなちがって、みんないい」は、あいだみつおの専売特許でなく日本の古来からの発想だったのだ。
何でも貪欲に受け入れる態度は「いい加減」=アバウトであるが、それゆえ「よい加減」=ジャストなのだ。
「いい加減」「無節操」という批判はあたらないのだという意味で、日本人の思想に胸を張って生きたい。

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March 11, 2007

「たゆまざる歩み恐ろしかたつむり」

ある学校の卒業生に向けての言葉の中で、次の俳句が引用されていた。

◆たゆまざる歩み恐ろし かたつむり

ネットで検索すると、学校だよりなどでも紹介されていた。
下記は、塾のおたよりの言葉である。
http://www.japan-net.ne.jp/~kectokai/kecdai200508.htm
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北村西望(1884~1987)日本・彫刻家
長崎の平和記念像を作った彫刻家北村西望は、百二歳で亡くなる日まで現役で創作に励んだ。
彼の半生は苦労の連続であった。
ライバル達は日展で次々と受賞、自分は八年間も賞をとれず、彫刻をやめようと思ったそうです。
「私は天才ではない。だからいい仕事をするために長生きするんです」と語っています。
平和記念像を作っていたある夜、足もとにいたかたつむりが翌朝見ると十メートルもある像のてっぺんに上がっていました。
それを見た北村西望は感動し、自分の半生を思い、作ったのがこの俳句です。
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 大元が何か分からないが、私が今回知った俳句の解説も、ネットで見られた学校便りの解説も、およそ、このような内容だった。
 「たゆまざる努力」「たゆまざる追求」・・・「たゆまざる」という響きががいいなあと思う。

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外国人研修生の不当な労働

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 3月8日の中日新聞に「自著を語る」という書評が載った。
 「外国人研修生殺人事件」(安田浩一著 七つ森書店)
 外国人留学生として8万元(約120万円)を借金で工面して渡日した中国人青年。
 派遣先は養豚場。研修生は労働法が適用されないから期限付きの安価な労働力として利用されてしまった。
 待遇改善を求めて仕事を放棄したため、受け入れ窓口の農業団体は彼を中国に帰すことを決めた。
 しかし、多額の借金を背負って来日した青年は帰ることもできず、もみあう中で殺人事件に発展してしまったのだという。。
 筆者自身が次のように語っている。
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浮かび上がってきたのは研修制度を人身売買の手段として利用する、日中双方の奴隷業者ともいうべき存在である。
そうした研修制度の”闇”が、労働現場に荒廃をもたらしているという実態を、私は本書で明らかにしたつもりだ。
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 BK1の内容紹介では次のように書かれている。
「千葉県木更津市の養豚場で発生した殺人事件に、この国の興廃と病理が凝縮されている。『国際貢献』の美名とは裏腹に、劣悪な労働条件と人権無視がまかり通っていた外国人研修制度。中国での取材も交え、この事件の背景を探る。」
 
 続いて翌日3月9日の中日新聞に「ベトナム研修生”虐待”」の見出しでニュースが掲載された。

 国の外国人研修・技能実習制度で来日したベトナムの二十代女性六人が八日、実習先の愛知県豊田市の自動車内装部品製造会社でパスポートを没収されたり、トイレに行くたびに罰金を取られたなどとして、同社や、法務省や厚生労働省などが設立し同研修を運営する財団法人「国際研修協力機構」などを相手取り、今月中にも、人権侵害の慰謝料と不足賃金の支払いを求める訴えを名古屋地裁に起こすことを求めた。

・・・弁護団は、トヨタの3次下請けメーカーでつくる実習生の受け入れ機構「豊田技術交流事業協同組合」の責任も追及、としている。
 提訴しただけだから真相が分からないとも言える。帰国した研修生たちの一方的な訴えという可能性もある。
 しかし、上の中国留学生の場合が「闇」であるのに対し、下のベトナム研修生の場合は国の研修制度で派遣された「表」の事件である。
 表の制度で受け入れた実習生がパスポートを没収されたり罰金を科せられたり「強制送還するぞ」と脅かされたりというのが「事実」だとしたら、もう表も裏もあったものでなない。
 トヨタの繁栄も、日本の繁栄も、このような非道な(非合法な)システムによって成り立っているのだろうか。
 私は最近「日本人の誇り」のネタを集めている。
 日本人のよさを誇ろうにも、このような「闇」が表舞台にまで浸透していることは恐ろしい。
 たとえ「一部」の仕業でも、国家の「恥」だと思わざるををえない。
 このような「闇や恥」に目をつぶって「日本人の誇り」を語るほど能天気ではいられない。

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March 07, 2007

インフルエンザの死者の数

 タミフル服用による異常行動による死亡事故が話題になっている。
 では、インフルエンザによる死亡者の数はどんなものなのだろう。
 先日の中日新聞のコラムに数値が載っていた。→ここ

国内ではインフルエンザで多い年には一万人以上が死亡しているが、新型では国の推計で最悪、約六十四万人が死亡する。何としても封じ込めなければいけない。

 インフルエンザの死者数は多い年で1万人。
 それに比べればタミフル事故は年に15例である。

 インフルエンザによる死者を減らすために、
1)副作用に注意してタミフルを服用する。
2)ただし、むやみやたらにタミフルに依存しない。
というあたりが無難なのではないか。

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March 04, 2007

「国家の大義」(講談社+α新書)

Taigi
『国家の大義』 (講談社+α新書)、前野徹著。
サブタイトルが、「世界が賞賛したこの国のかたち」
「伝統と誇りを取り戻せば、日本は再び輝く! 歴史を通して日本の伝統、日本人の精神を語り続けてきた著者が、西洋文明の限界と野蛮性を斬り、心の内なる先人の魂を呼び起こして、日本人の精神復興に立ち上がる。」
というWEBの紹介もあった(帯かも知れない。僕は帯を処分してしまった)。
『国家の品格』がベストセラーなら、その読者にはスライドして本書も読んでほしいと思う。
『国家の品格』は、日本の失われた精神性を「武士道精神」にさかのぼって論じていた。
「国家の大義』は、もっとさかのぼって分かりやすく解説してくれている。

・元来の日本列島の気候風土
・八百万の神・神道の発想
・聖徳太子の教え
・すぐれた文化の咀嚼力

たくさんラインマークした。
元気が出る書物であるが、戦後60年の日本の動きには危惧を抱いている。
今のままでは「いけない」と警告している。
過去の日本の良さに溺れてはいけない。
次のコラムも参考に。
http://www.worldtimes.co.jp/syohyou/bk060827-2.html

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タミフルとメデイアリテラシー

タミフルの副作用で異常行動が起こり死亡事故が起きた (とする) 。
タミフルの服用者は年間で860万人にもなるそうだから、注意を呼びかけることは大切だ。
服用した16才以下の死亡は16例、異常行動での死亡は5例ということだ。
インフルエンザを治したくて医師の指示に従って処方されて死亡するなど、親としては辛くてたまらないことだ。
ちょっとした副作用ならいいが、死亡はまずい。

さあ、そうなると、提示してほしいのは「タミフルを使わずにインフルエンザで死亡」という例があるのかどうか、である。
そもそもインフルエンザによる死亡者が16例以上あるのなら、そちらだって重要なニュースなのだ。
そして、タミフルを飲んだ場合と飲まない場合で、安全性や危険性にどう差異があるか。

それらが分かったときに、
「タミフルを飲んだら危険」なのか、「タミフルを飲まないと危険なのか」が明らかになる。
もちろん、タミフル以外で効果が上がる薬があるならそちらに移行していけばいい。

・・・これは子どもの自殺数が話題になったとき、それ以上の数の大人の自殺者がニュースで話題にならなかったケースとよく似ているように思う。

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March 01, 2007

タミフルの危険率

 給食費の未払い家庭は、ごく少数である。
 センター入試のリスニング機器不具合も、ごく少数である。
 同じように考えると「また、タミフル」であるが、マスコミの取り上げ方はヒステリックだという指摘があった。

http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2007/02/post_572b.html

 日本では、2003-2004に600万人がタミフル服用と言われている。
 1年間で300万人。
 幻覚なども含めた「重大な副作用」が報告されているのは5年間で64人。
 1年に平均すると約13人。
 重大に副作用が起きる確率は、300万分の13。
 つまり、0.00043パーセント。
 これを鳥インフルエンザが人に感染した場合の感染者の死亡率は70パーセントと比較したら、極めて少ない数字だと言うことだ。
 発症後48時間以内に朝夕1カプセルずつ5日間タミフルを使用すれば、ウィルスの増殖を抑制する、のだとしたら、
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マスコミがタミフルの0.00043パーセントの確率で起きる重大な副作用「だけ」を強調するのは、正しくない。
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・・・その通りだなあと思ってしまった。

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