法隆寺~「柔構造」の象徴~
法隆寺は世界最古の木造建築として知られている。
地震が多く湿気の多い日本で1300年も木造建築が残るなんて驚異である。
ちなみに
■現代の家の寿命は20年
■伝統構法の家の寿命は300年
と言われている。
先日の「ガイアの夜明け」では、古い家屋の柱が重宝がられていた。
大切に使えば柱になった材木でも何百年も生き続けるのだそうだ→ここ
中学校の国語の教科書でも紹介されているが、法隆寺が現存する理由は「柔構造の原理」である。
http://www.ne.jp/asahi/fukada/gont/concept/con-text1.htmlによれば、
現代の家の考え方は、地震に対して地面にしっかり固定し、びくとも動かないように家全体を固めようとしています。
地震という自然のエネルギーに対して、あくまで頑なに抵抗して、人知の力で対抗していこうという発想です。
これを剛構造といいます。
一方、伝統構法の家は地震の力に対して、どうやってそれを受け流し、分散し、逃がしていくかという考えに基づいています。
自然のエネルギーに対して抵抗するのでなく、柔軟に受け入れていく作りになっているのです。これを柔構造といいます。
建物は、外力を受けたとき、一重から五重まで、それぞれがヤジロベエの如く互い違いにゆらゆらと波を打つように揺れ動き、塔全体がスネークダンスを舞うように作られています。
・・・建築構造としての「柔構造」も興味深いが、そもそも日本人が「柔構造」の発想であることも興味深い。
かつて「八百万の神」でも書いたが、日本は外からの文化を積極的に吸収して発展してきた。
それは、そもそもの発想が「柔構造」だからだ。
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もともと日本人は、自然の力に対抗しようという意識よりも、人間を自然の一部として捕らえ、自然の中でこそ生かされるという意識が強かったと思います。その様な背景があって、柔構造のようなすばらしい知恵が生まれたのですね。
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とも書いてある。
確かに
◆合気道のような日本の武術も、相手の力をうまく利用している(「柔道」=「柔よく剛を制す」も同じだ)。
◆日本では、神様も仏様も同じように大切にあつかわれ、初もうでがありクリスマスがありお盆がある。
◆人に話を聞かれたくないときは、密室で話すのでなく、ふすまを全部開けて広間の真ん中で堂々と話をしたそうだ。
◆湿気や暑気を嫌って遮断するのではなく、湿気や暑気を受け入れて暮らしてきた。
・・・ 「柔構造」の思想は、日本人の誇りなのだとつくづく思う。
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