「いじめ自殺」ではなく「恐喝自殺」!
どこのニュース記事でもいいのだが、たまたま検索できたものを利用させていただく。
たとえば、以下のようなネット配信記事がある。
======================
<神戸・高3自殺>一転「いじめ受けていた」滝川高が公表
9月21日20時57分配信 毎日新聞
自殺した同級生に対する恐喝未遂容疑で私立滝川高(神戸市)3年の男子生徒(17)が逮捕された事件で、同高は21日、記者会見を開き、「(被害生徒は)逮捕された生徒を含む運動同好会の3人からいじめを受けていた」とする調査結果を公表した。 以下略
========================
この日のNHKたTBSの夜のニュースでも「いじめ」という言葉を使っていた。
おかしい。
逮捕された少年は「恐喝容疑」である。
なぜ「いじめ自殺」などという言葉でくくってしまうのだろうか?
前日のネット配信記事も同じである。
========================
幾度も「ぱしり」「偽ブランド売りつけ」 高3いじめ自殺
9月19日19時9分配信 産経新聞
神戸市須磨区の私立高校で今年7月、校舎から飛び降り自殺した同校3年の男子生徒=当時(18)=に対し、同級生の少年(17)らが金品を要求していた恐喝未遂事件で、男子生徒が少年らのグループにたびたびおごらされていたことが19日、兵庫県警の調べで分かった。また、男子生徒が逮捕された少年とは別の同級生から偽のブランド品を高額で売りつけられていたことも判明。県警は、複数の生徒から頻繁に金品の要求を受けた男子生徒が金の工面に行き詰まり、自殺に追い込まれた可能性があるとみて捜査している。
=========================
上記の記事は「産経新聞」である。
産経新聞は、その前日、文科相の言葉を紹介している。
========================
「いじめというより犯罪」神戸の自殺で文科相が批判
9月18日13時38分配信 産経新聞
神戸市須磨区の私立高校で男子生徒が自殺し、同級生が恐喝未遂の疑いで逮捕された問題で、伊吹文明文部科学相は18日、「報道の通りとすれば、いじめというより犯罪。警察で調べているが、どういう状況だったのか実態を知りたい」と話した。
男子生徒の自殺は、同級生からの金を要求するメールが関係していた疑いがあるが、伊吹文科相はこの点について、「目に映ることだけを把握すればいいのではない。いじめが見えにくくなっているのは確かだが、相談できる先生、保護者がいるかどうかだ」との見解を示した。
========================
いじめでなく犯罪
いじめ自殺はなく、恐喝自殺
「いじめ」という言葉でごまかしていると
「仲良しグループ内で、ちょっとした悪ふざけがエスカレート」
といったイメージで許されてしまう。
悪ふざけのエスカレートで
・偽ブランド品を正規の値段で買い取らせたり
・下半身を写してネットで公開したり
・金をまきあげる生徒を「財務大臣」と呼んでいたり
した事実を許容したらたまったものではない。
そのような人間関係は「友達」であるわけがない。
「友達のふりをして近づいて陰湿な犯罪を繰り返した」
このような表現で事件を取り上げないと、事件の本質は見えてこないし、「いじめ」に対する抑止効果にもならない。
「ニュース」カテゴリの記事
- 福島原発のメルトダウンは、周知の事実だった?(2011.05.21)
- 共同通信社は投票日の朝、当選情報を報道した!(2011.02.07)
- 「中国側刺激の恐れ」は弱腰報道では?(2010.10.09)
- 何を今さら! 高齢者行方不明(2010.08.10)
- 冷静な金銭感覚の議論(2010.07.04)
「教育」カテゴリの記事
- 行動を価値づけする(2024.09.12)
- 人々が画一化しないために(2024.09.08)
- 「原爆裁判」については、ほとんど知りませんでした!(2024.09.06)
- パラリンピックの理念(2024.09.02)
- 先生が子離れしないと、子どもは自立できない。(2024.09.02)
「いじめ」カテゴリの記事
- 和久田学先生の講演(2015.06.21)
- いじめの原因も対策も「同調圧力」(2013.08.06)
- 「いじめ」はなくならないからこそ、なくす努力が必要になる!(2013.02.12)
- 「いじめの早期発見・早期対応について」(2012.07.31)
- 「いじめの問題への取組の徹底について(通知)」を読む(2012.07.31)
Comments