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December 26, 2007

5段落の論説文

 論説文を書かせる際の基本的構造は「はじめー中ーおわり」の3段落で考えてきた。
 無理せずに、とにかく「はじめー中ーおわり」の3段落でいいから意識するように教えてきた。
 さて、日本言語技術教育学会の『検定外・力がつく日本言語技術教科書 6年生・後編」(明治図書)の「ダイエット」は5段落になっている。意味段落で言えば4段落。

 「はじめ」・・あらまし
 「なか1」・・具体的事例1
 「なか2」・・具体的事例2
 「まとめ」・・「なか」の共通する性質
 「むすび」・・意見・主張

 びっくりしたのは、具体例を2つ挙げて、その共通点を「まとめ」に書いていく作業である。
 このような文章は、教師になってからなら書いたことがある。
◆いくつかの授業実践を例示して、そこから教育技術の法則性を考察する。
◆1人の作家の作品を数点あげて、そこから、その作家の思考や作品のパターンを考察する。
である。
 一方、読みとりの授業なら、指導したことはある。
 事例1・事例2から共通項を挙げ、まとめにもっていく論説文は、教科書にもよくあるからだ。
 だから、この5段落の論説文を書く訓練は、必ず、論説文を読む時の1つのパターンとして生きる。
 そして、「具体と抽象」の往復活動の習熟に役立てることができる。
 その点では、実にすばらしい文章構成の指導であり、論理的思考の指導なのである。
 
 ただし、そう簡単には、このパターンの文章は書けないと思う。
 教材文から共通項を読みとるのも難しいのだから、自分が挙げた事例から共通項を見いだすは、もっと難しい。
 だからこそ、対比的に作品全体を読みとる授業や、自説を補強するための具体例を複数挙げる論説文を書く授業を繰り返し訓練し、この思考パターンを習熟させていく必要がある。

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「キー・コンピテンシー」とは?

 OECDの学力調査に絡み、「キー・コンピテンシー」という用語を目にした。
 よく分からない。
 ネットで検索したら、中教審の配付資料にあった→ここ
 
 次のような書物があることも知った。
======================
ドミニク・S・ライチェン、ローラ・H・サルガニク編著
立田慶裕監訳
「キー・コンピテンシー国際標準の学力をめざして
明石書店、2006年5月、A4判248頁、定価3800円
=====================
http://blhrri.org/info/book_review/book_r_0260.htm
の書評によると、3つのカテゴリーと9つの能力がある。
 文科省の言葉と微妙に違うが、なるほどなあと思う。

)相互作用的に道具を用いる
 ①言語、シンボル、テクストを相互作用的に用いる能力
 ②知識や情報を相互作用的に用いる能力
 ③技術を相互作用的に用いる能力
2)社会的に異質な集団で交流する
 ①他人といい関係を作る能力
 ②協力する能力
 ③争いを処理し解決する能力
3)自律的に活動する
 ①大きな展望の中で活動する能力
 ②人生計画や個人的プロジェクトを設計し実行する能力
 ③自らの権利、利害、限界やニーズを表明する能力

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December 25, 2007

イチロー「野球にウソは通じない」

「第12回イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席したイチローのコメントが中日スポーツに掲載された。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/baseball/news/CK2007122402074585.html

コメントのみ引用する。
◆「大人の世界ではウソをつかなければならないときがある。僕もたまにつきます。でも、野球にウソは通じない。体で覚えることしかできないことを、君たちは野球を通じて学んでいるんです」

◆「例えばイチロー選手のまねをすることを『イチローだからできるんだ』と言ってやめさせないでほしい。まねをするときは成長できるとき。やってみてダメだったら次を考えればいいんです」。

1つめは少年向け。
2つめは保護者向け。
どちらも含蓄がある。

体を使わなければ身に付かない知識もある。これを「暗黙知」と言う。
たとえば、自転車の乗り方は理屈で説明するのは難しいが、乗れてしまえば、ずっと忘れない。
本や映像で学べる知識は「形式知」と言う。
本や映像でも学べるが、そこには限界がある。「畳の上の水練」という言葉もあるから、机上の学問だけで全て分かったような気になるなということでもある。

一方の「マネ」のすすめも素晴らしい。
「学ぶ」は「まねぶ」に由来する。
イチローを特別視して、あきらめるてはいけない。
イチローに少しでも近づきたいと「マネ」る行為を否定してはいけない。
とにかく「イチローは天才だから・特別だから」と思ってしまったら、そこからの学びはなくなるし、成長もなくなるのだ。

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December 18, 2007

格差社会を生み出す大企業の繁栄映

ワーキングプアや格差社会の問題を目にすると、学校関係者としても2人の子どもの親としても、黙っていられなくなる。
トヨタが絶好調で、他府県からは、よく見られる愛知県だが、下請け企業は大変らしい。
トヨタの批判は広告主を失うので、タブーなのだとも聞いたが、12月17日の中日新聞では「格差の中で」という特集記事で、トヨタの批判がしっかり書かれていた。

◆(トヨタの四次下請け工場で)、業績が伸びず、五年前から冬のボーナス支給を凍結している。トヨタの躍進のおかげで仕事は増えたが、利益につながらない。元請け親会社のコストダウン要求がきつくなり、経営改善のきっかけをつかめていない。
◆親会社の年間平均ボーナスは、この工場の若い社員の年収を上回る。

親会社のボーナス以下の年収で下請け工場は働かされている。
親会社は「働かせてやっている」とでも思っているのだろうか。
愛知県はトヨタのおかげで潤っているのだろうか。
それとも、トヨタのおかげで苦しんでいるのだろうか。

「『生産台数世界一」を確実にしたトヨタ自動車の下請けにさえ、ボーナスが払えない工場がある」
とある。
これは「トヨタでさえ」ではなく「トヨタだから」のように思えてならない。
利益至上主義のトヨタだから、そこまで下請けに非情になれるのではないか。

パート雇用に頼る企業が正社員登用を増加することを願っているし、
下請け企業に非常な単価切り下げをさせないことも願っている。

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December 15, 2007

バイオ燃料とアルコール燃料

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ガソリン価格の高騰でバイオ燃料が注目されている。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071209i501.htm
政府・与党は8日、サトウキビなどから作るバイオ燃料をガソリンに混ぜた燃料について、ガソリン税(揮発油税と地方道路税)を軽くする優遇措置を、2008年度税制改正で導入する方針を固めた。

とのことだ。
バイオ燃料については、次の記事も参考になる。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo240.htm

バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなどを発酵させて作るアルコールの一種で、ガソリンに混ぜることで、自動車燃料としても使える。世界で4100万キロ・リットル(2004年)が生産され、7割をブラジル(1500万キロ・リットル)と米国(1400万キロ・リットル)が占めている。

とのことで「カーボンニュートラル」の言葉があるように、自然界からのアルコールの生成は二酸化炭素の吸収になるので、それを用いた燃料は二酸化炭素排出を減らすことになるというわけだ。

バイオ燃料は、要するに「アルコール燃料」である。
「アルコール燃料」は驚くことではない。
インデイレースはガソリンよりアルコールの方が火災が防げるとのことで、アルコール燃料(メタノール燃料)を使用している。
http://www.auto-g.jp/column/ura_trade/ura13/

にもかかわらず、日本では、「高濃度アルコール燃料」が使用禁止のままである。
3%までなら許可などと、のんきなことを言わず、高濃度のアルコール燃料に耐えられる自動車パーツの製造を課した方が、国策としてはふさわしい。
バイオ燃料は価格がガソリンより高いことが問題なのだそうだが、
数年前販売された高濃度アルコール燃料は、ガソリン税がいらないので、割安だった。
あまりに安いので「軽油税」が課せられて、差額10円程度に価格調整がはかられたくらいだ。

バイオ燃料のニュースを見ていると、3%、5%、10%と段階的に濃度を上げるよう計画が進められている。
数年前に日本で販売されていた高濃度アルコール燃料は、バイオエタノールではなかったが、50%前後の濃度であった。
それでも、私は乗っていたステップワゴンのほか、多くの自家用車には不都合はなかった。
一部の車で不具合が生じ、火災が発生し、販売停止になった。
経済産業省が特集サイトを作成している。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/nennryouhp/index.html

ガソリンの高騰でバイオエタノール燃料を広げようとしている。
しかし高濃度アルコール燃料は使用禁止のまま。
このあたりは、きちんと説明をしてほしいし、高濃度アルコール燃料が、低濃度・中濃度になってでもいいから販売復活する機運が高まってほしい。

ちなみに過去に3回書いている。まだまだよく分からない。
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2007/01/post_d3d0.html
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2007/01/post_cf95.html
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2007/01/post_3949.html

バイオ燃料に安易に期待してはいけないサイトの特集が以下にある。必見!
http://bb2.atbb.jp/alternative/viewtopic.php?t=355&view=next&sid=3890fdfc685f4e8ca22432098167d9a0

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December 11, 2007

5000万件だって可能じゃないか!

朝のラジオで流れてきたニュースに耳を疑った。
ネットで検索してみた。
http://newsflash.nifty.com/search?action=1&func=2&article_id=te__kyodo_2007121001000849&csvname=255413414

全5千万世帯に封書で通知(共同通信)
 三菱東京UFJ銀行が、来年末に完了させる予定の旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステム統合に伴い、
来年2月から週末に現金自動預払機(ATM)のサービスを休止して作業することを知らせる封書を、
全約5000万世帯と全事業所に郵送することが10日、分かった。
ATMの休止を、いつまでの期間内に、どの程度の回数実施するかは未定。
三菱UFJ銀は、27都道府県に店舗展開し、口座数は約4000万に上る。
[共同通信:2007年12月11日07時56分]

 民間のUFJが、5000万人に封書を配布する。
 厚生労働省は、年金未納問題で「5000万人への郵送作業は困難」であるとのことだった。
 50円のはがきでも25億円になるから、予算的にも厳しいと聞いていた。
 なんだ、民間なら5000万人への郵送ができるんだ。
 がんばれUFJ!
 見習え厚生労働省!

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何のための報道記事か?

本日の中日新聞朝刊は、時津風部屋の事件がトップニュースだった。

http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007121102071124.html

ポイント整理すると
◆6月26日、けいこ後に死亡した事件で、死亡する直前のぶつかりげいこについて同部屋の力士が、愛知県警の調べに対し「けいこではなくいじめだった」と供述していたことが分かった。
◆県警はけいこを逸脱した制裁や「しつけ」名目の暴行が斉藤さんの死につながったとみて当時の時津風親方=と兄弟子数人を傷害致死容疑で立件する方針を固めた。来月中にも強制捜査に乗り出す。

「調べでは、斉藤さんは死亡前日の6月25日夜、親方からビール瓶で額を殴られたほか、兄弟子数人から殴るけるの暴行を受けた。26日は自ら朝げいこに参加したが、ぶつかりげいこの最後に倒れ、多発外傷による外傷性ショックで死亡した」とあるが、それは、最近の「調べ」なのだろうか。
6月・7月には、そこまで調べなかったということなのだろうか。

「県警はけいこを逸脱していたとの見方を強め、同部屋力士らから事情聴取してきた」という記述も「いつ」のことなのかが抜け落ちている。

 「県警はさらに詳しく死因を調べるため名古屋大に再鑑定を依頼、近く鑑定結果が出される見通しだ」ともあるがが、何を今さら!である。

 県警の発表記事の垂れ流しなら分かる。「~と県警が発表した」という文脈なら分かる。
 しかし、新聞記事だ。
 マスコミはなぜ県警がこれまで動かなかったのかを追及すべきではないか?
 のんきに県警の今後の動向に注目するような問題ではない。
 県警は、この事件について、詳しく事情を調べてこなかったのだ。
 あやうく事故としてうやむやにされかけていた。
 そのあたりを厳しく批判的に追及するのがマスコミの仕事であってほしい。

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December 05, 2007

OECD学力調査結果 ~15才の身になって考えろ~

OECD学力調査で、15才の学力が「がた落ち」だなどと騒がれている。
この報道を聞いた15才はどう感じるだろうか。
どう見たって「全否定」である。
国家の恥のような扱いをする報道に憤りを感じる。
15才は暗記中心の高校入試に必死で戦ってきたのだ。
その子たちにいきなり高校入試とは違うスタイルの学力調査をやらせ、
十分対応していない記述問題をやらせ、
その結果が悪かったと糾弾するのは、あまりにも酷である。

そんなにOECD調査に対応したければ、高校入試の問題を対応させるべきだ。
入試の動向が変われば、中学校現場は変わる。
「指導要領」が変わっても現場はなかなか動かない。残念だがそれが本音である。
現場を変えたければ「入試」から変えてほしい。

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December 03, 2007

「言語技術」が日本のサッカーを変える。

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瞬時に判断し、相手に伝える!
「ピッチの外」の革命的トレーニング.

ぶったまげた書籍だ。
サッカーが強くなるには、相手にきちんと自分の意志を伝える言語技術が必要なんだと。
なぜ、自分はこの動きをしたのかを説明できる言語技術。
相手にどんな動きをしてほしいかを説明できる言語技術。
目次は、次のようになっている。
=======================
1章 「言語技術」に挑戦するJFAアカデミー福島
2章 実践! ことばで鍛えるトレーニング
3章 論理でパスするドイツ・サッカー――なぜいま「言語技術」か(1)
4章 世界との差は、判断力――なぜいま「言語技術」か(2)
5章 監督のことばが、選手を伸ばす
6章 論理プラス非論理――日本流サッカーの夢へ
========================
きちんと言葉で伝えることの重要さは、指導者でも同じことだ。
サッカーの指導者のライセンスを取得するのに、デイベートのような言語トレーニングが必修となっている。
的確な指示、指導は、明確な言語技術が基盤になる。

・・・・というわけで、いち早く言語技術に着目したサッカー協会はすごい。
しかし、これは「日本のサッカー」に限ったことではない。
日本のすべてのスポーツ、あらゆる日常生活で「言語技術」は重要なのだ。

言語技術が日本を変える。

そのような自覚の元で、言語の指導に関わっていきたい。

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December 02, 2007

論理的思考がストーカーをなくす

 想像力がいじめをなくす・論理的思考がいじめをなくす、ということを以前書いた。
 時々起こるストーカー事件を防ぐのも小さい頃からの論理的思考の指導ではないかと思っている。

 ストーカーの気持ちが次のようなものだと仮定しての話である。
============================
自分が相手をこんなに好きなんだから、きっとわかってくれるはずだ。
============================
 まあ、百歩譲って「自分が相手をこんなに好きなんだから、相手も自分を好きだろう」とは書かなかった。
 「きっとわかってもらえる」「いつか思いは通じるはず」という強い思いこみが悲劇を生んでいる。
 世の中は相手にわかってもらえないことはたくさんあるし、たとえ分かってもらえても相手が自分を好きになるとは限らない。
 それを理解できないのは(認めないには)、失敗体験の欠如や、望む物はいつでも手に入れることができた甘やかしのツケかもしれない。
 論路的思考の観点で次のように考えてみた。

 日々の授業の中で「自分の考えが全員の考えではない」と自覚させる行為が、どれだけ意識されているだろうか。
 自由に意見を言わせる場面はけっこうあると思う。
 そこで「いろんな意見が出たね」で終わるのではなく、
 ◆意見の違いに注目し、 
 ◆自分の意見だけが正解ではないことを知り、
 ◆他の意見・他の立場を受け入れる。
まで、責任をもって授業したい。

 自分の意見が唯一の正解というわけではない、というのは、ある意味で「小さな自己否定」である。
自己否定できる人、自分を客観化できる人に育てていけば、自分の感情を絶対視してストーカー行為に走ることもないのかなあと勝手に考えている。

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