自己責任で主張しよう!
1月1日の新聞は、いろいろ示唆に富む。
たとえば、中日新聞の元旦の社説。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2008010102076491.html
は、現在の日本の格差社会の現状を憂えている。
◆年収二百万円以下が千二十三万人(〇六年)。相対的貧困率(平均所得の半分に満たない人の比率)はOECD諸国中、米国に次いで世界二位。
◆ 生活保護受給者の百五十一万人と国民健康保険の滞納は四百八十万世帯で過去最高記録。
◆若年層に絞ると、四人に一人が非正社員で、三人に一人は年収は百二十万円ほどとの調査も。
◆パート・アルバイト男性の四人に三人が親元に身を寄せて、結婚は極めてまれ。
◆若者たちの無職や低賃金が個人の資質や努力の足りなさでなく、経済社会システム問題や大変革時代との遭遇に由来
といった指摘は、新年早々ではあるが、油断できない現実の厳しさを示している。
ところで、この日の中日新聞には次の新春対談があった。
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「幼児化ニッポン」明日はあるか
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この中で内田樹さんが説いている。
◆格差論の類を読んでいても、ちょっとうんざりします。書いている人は三十代や四十代の人なんだけど、それだけ生きているということは、もうこのシステムのインサイダーじゃないですか。システムがうまく機能していないことについては彼らもすでに当事者責任があると思うんです。それなのに、このシステムの不調について自分には全く責任がないという前提から非をならす。
それって「私は未成年です」と宣言しているのと同じでしょう。
・・・この指摘は、新聞社説にもあてはまる。
現状批判するだけで、新聞のようなマスコミとしての自分の責任に触れない物言いは、「未成年」であると批判されても仕方ない。
もちろん、この論法で言えば、45歳を過ぎた自分も同罪である。
いつまでも、他人事のように世の中を憂えたり、マスコミ批判するのではなく、自分のできることを、きちんと述べていかなくてはならない。
今年は、そのような1年にしたい。
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