記憶の三段階
佐々木信一郎著 『子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育』(講談社α新書)中に、モンテッソーリ教育の中で用いられる用語として「セガンの3段階」があると書いてあった。
「セガンの三段階の名称練習」=「概念と言葉を結び合わせる活動」を自分なりにまとめてみる。(P70~73)
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1)「これは○○です」と名称を伝える「短期記憶」の段階。
2)「どっちが○○ですか」「○○をください」と何度も名前を聞いて選ばせる「保持」の段階。
「リハーサル」とも書いてあった。
3)「これは何ですか」と聞いて「○○」と答えさせる。「再生」の段階・長期記憶の段階。
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・・・セガンの三段階の名称練習は、認知心理学によっても裏付けられる方法です、とある。
また、第2段階の「大人が名称をいい、子供が何度も動く」場面が大事だとされている。
ネットの心理学用語辞典を調べたら、よく似た箇所があった。
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☆記憶 memory
記憶とは生体が過去の経験の効果を保持し、後にそれを再現して利用する機能。符号化(明記)、貯蔵(保持)、 検索(想起)の3段階からなる。
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・・・記憶の3段階は「明記・保持・想起」というのは、セガンの3段階と同義だとみてよいだろう。
さて、この部分を読んで、いろんな実践が思い出された。
◆算数で用語を教える場面では、
「○○とは△△のことを言います。」
「○○とは何ですか?」
「△△のことを何と言いますか?
の3番目のように、きちんと逆からも問うことが「詰め」になっている。
◆「対比」の用語を教える場面では、
1)○○と△△のような関係を「対比」と言います。
2)○○と対比されている言葉は何ですか?
2)○○と△△は、どんな点で対比されていますか。
3)この場面では何と何が対比されていますか?
3)この場面に対比はありますか?
1)用語を記名レベルで教えこむ
2)用語の持つ意味や定義をきちんと理解させる
3)別の場面でも自分でその用語を使いこなせるようにさせる
というように導いていかなくては、教えたことにはならない。
この記憶の3段階は、認知心理学の「理解」の3段階
1)想起レベル
2)解釈レベル
3)問題解釈レベル
とも重なってくるのかが気になってきた。
自分の知識では理解できないので、今後の課題としたい。
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Comments
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Posted by: chaturbate token hack | March 02, 2014 06:51 PM