論理数学的な法則性
モンテッソーリ教育の第一人者、相良敦子氏の『お母さんの敏感期』のたくさんの箇所に付せんを入れた。
P112~113・145
・《知性の働き》は、ひとことでいえば〈区別する〉ことです。まず「分ける」のです。次に分けたものを「集める」、分けたものを「較べる」、分けたものを「合わせる」などします。別の言葉でいえば、「分析」「集合」「比較」「対応」などをするということです。知性は分析・集合・比較・対応など論理数学的な法則性によって、どんどんと展開します。
・《知性の性質》は、ひとことでいえば〈自発性〉なのです。知性が働くところには自発的な発展が見られるわけです。
・・・とりわけ「対比されている表現を集め、分類し、意味づけして主題に迫る」という国語の授業は、論理数学的な法則性だったという意味でも画期的だったわけだ。
浴びるほどの体験の蓄積→ 「分析」「集合」「比較」「対応」という授業も、論理数学的な法則性に則しているわけだ。
そして、この知性の働きについて、数字がもっている三つの構造を示している。
P146~147
①分類したり、結合させたりする。(代数的構造)
②A<B<Cのように系列化する(順序の構造)
③空間とか図形の性質にそって、連続させたり、隣接させたり、包囲したりする(位相的構造)
・・・思いつきの授業は、科学的根拠を持てない。
確かな授業は、確かな科学的根拠に支えられている。
以下の引用部分も要注意である。
P152
「分けたり・集めたり・較べたり・合わせたり」という〈数学的〉働きをしながら、また、「抽象したり・因果関係をしらべたり・類推したり」という〈哲学的〉働きをしながら、知性は、その働きを続け、どんどん発展させていくという性質をもっています。だから、知性の性質は「自発性」だといえます。
P161
《自律とは》
・自分の頭で考え(知性を働かせ)
・自分のからだ(感覚器官や運動器官)をよく使い、
・自分のやりたいことを自分で追求したり展開できる力
P162
《自立》の前提となるものが《自律》のように思えます。
・「これをこうすれば、こういう結果につながる」という見通しがもてること。
・そのように考えたら、自分の思い通りに動けること
・やり始めたことを、どんどん発展させていけること
このような力を身につけている子どもは《自律》能力を備えているといえましょう。
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