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March 23, 2008

大豆と牛肉

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中日新聞の日曜版に掲載される大図解シリーズで「水危機と食料」が掲載された。
保存しておいたのだが、しばらくして紛失してしまった。
すごく気になるデータがあったのでネットで探してみた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/daizukai/2008/CK2008022902191492.html

ネットで見られる画像では詳細な文章が分からなかったが、どうやら次のサイトで見られる数値と同じデータのようだ。

http://210.165.9.64/giants-55/e/2e41b288ee082ac14f1360f0d7921f68

食料1kg生産に必要な水】
(東京大学生産技術研究所・沖大幹教授等のグループ試算による。)

・ トウモロコシ  : 1.9トン
・ 小麦   : 2  トン
・ 大豆   : 2.5トン
・ 白米   : 3.6トン
・ 豚(正肉): 5.9トン
・ 牛(正肉):20.7トン

ここで注目したいのは大豆と牛肉1キロを生産するのに必要な水の量が10倍も異なる点だ。
どうせ蛋白源になるなら、牛肉を食べなくても大豆を食べた方が水の無駄がない・エネルギーロスがないということだ。

そして、フードマイレージ(食糧の輸送距離)によるCo2の排出量を考えたら、できる限り国内で食料をまかなうべきなのだということになる。
いわゆる地産地消だ。
ウイキペデイアには次のようにある。
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農林水産省の2001年の試算によると、
日本のフードマイレージは、総量では世界中で群を抜いて大きく、国民一人当たりでも一位となっている。
これについて農水省幹部は「現代の日本人が歴史上のどの時代における、どの国の王侯貴族よりも贅沢な食事をしていることになっている」と解説している。

国名   総量       国民一人当たり
日本   9002億800万   7093
韓国   3171億6900万  6637
アメリカ 2958億2100万  1051
イギリス 1879億8600万  3195
ドイツ  1717億5100万  2090
フランス 1044億700万   1738

※単位:トン×キロメートル
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私が、このウィキペデイアの記事に驚いたのは、2001年の段階で農水省は「フードマイレージ」の問題意識があったということだ。
私自身がこの言葉を聞いたのは、この1年内だからだ。
改めて、自分のアンテナの低さを恥じてしまった。

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March 22, 2008

大豆と日本文化

 小麦粉の大量消費がアメリカの余剰解消であるとはいえ、うどんは日本食の代表だし、お好み焼きもおいしいからすべてを否定する気はない。
 とはいえ、日本は小麦よりは米文化の世界である。
 と、思ったら、日本は「大豆」の世界だという記述もあった。
 醤油も味噌も豆腐も大豆からできるのだから、確かに大豆は日本食文化の代表格だ。
 http://hf-terrace.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_21f5.html
には、大豆と日本文化の結びつきが書かれている。
 なるほど節分の豆まきも大豆か・・・。
 
 「大豆」に注目したのは、3月2日付の中日新聞に「日本人の食生活の基本」と題して一宮市。山下病院の服部外志之氏の文章が載っていたからだ。
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 日本人の食生活の基本は、①米②だし③大豆および大豆製品(豆腐・納豆・みそ)の三つを基本とし、これに魚、野菜を加えて食べていました。それが戦後、アメリカの指導による栄養改善運動で、米がパンに、だしが脂に、みそ汁が牛乳になり、大豆および大豆製品は肉に代わってしまいました。
 「中略)
 大豆には動脈硬化を防ぐ働きがあり、アメリカでは、血中コレステロールを下げる働きがあることを表示できます。
 日本人が、米、だし、大豆および大豆製品を食生活の基本に据えてきたことは理にかなっており、これに野菜、魚と、多少の肉を加えれば、食事は理想的になるでしょう。
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 戦後の栄養改善運動は昨日ブログで紹介したように「厚生省」の仕事であった。 
 米よりも小麦の方が栄養価が高いと広報し、小麦消費を推奨してきた。
 そのアメリカが、大豆の効能を認め和食を取り入れようとしているんだから、皮肉なものだ。
 学校の「総合的な学習」でカレーを作ったり味噌を作ったり、ソバ打ち体験したりする実践もある。そのような実践を否定する意見もある。
 しかし、日本の食文化の代表である「大豆」に注目し、味噌づくりをさせることは「学習」として十分意義があるのではないかと思っている。

 それにしても、②の「だし」についての記述は初耳だった。
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 次はだしについて注目してみましょう。フランス料理、イタリア料理のブイヨンや、中国料理の湯のおいしさは、いずれも脂によるものです。世界中の料理で、脂を使わずにおいしさが出せるのは、日本料理のかつお節とコンブで作るだしの「うまみ」だけです。
 この脂を使わずにおいしさを出せるだしを、肥満を防ぐ秘法として世界中が注目しています。
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 食文化も奥が深い!

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March 20, 2008

アメリカ小麦と人造米と役人

Ph01
 『アメリカ小麦戦略』は学校でのパン給食やキッチンカーによる小麦粉料理の普及をねらっていた様子を記している。
 資料として掲載されている1955年10月27日の「対日小麦市場開拓作業の進捗状況について」の報告書によると、アメリカ小麦の普及に協力していたのが厚生省、断固反対したのが農林省ということになる。

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 厚生省は実に友好的で協力的である。(中略)彼らはこの10年間、食生活改善運動を進め、もっと野菜、魚、小麦、乳製品を食べなさいと指導してきている。このためにポスターやその他の資料も作成している。デモンストレーション用のキッチンカーなる調理バスもすでに試作され、主婦に小麦食品を含んだバランスの良い食事の作り方を教えている。
 われわれの計画の1つは、厚生省の栄養改善運動をこのキッチンカーの使用によって拡大強化しようというものだ。ところが、農林省はこれに異議を唱え、これまで何の実績もないくせに農林省の生活改良普及員組織を活用した方がもっとうまくやれると主張している。
 われわれの要請によって、日本の五大小麦加工産業団体からなる「小麦販売促進協議会」が組織された。ここには、製粉、製パン、ビスケット業者、マカロニ業者、製麺業者が含まれている。
 この協議会が担当する事業として、パン職人の研修と小麦職人の全国宣伝キャンペーンを準備してきた。ここでまた農林省が口ばしをはさんだ。アメリカが日本の他の団体と直接に事業契約を結ぶのはまずい、これらの事業の資金委託は自分たちだけが任せられてしかるべきだと言う。農林省には食糧庁という部局があり、国民の食糧管理はすべてその管轄下にある。その権限の一部たりとも失う危険は冒したくないという。
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・・・国民の栄養を厚生省が考えて小麦の輸入に熱心だったのか?
 アメリカで使えなくなった非加熱製剤を輸入してHIV感染者を増やしたのが厚生省なのだから、アメリカの余剰小麦受け入れに熱心だったのは別の理由なのかもしれない。
 一方の農林省は、日本の将来を考えて小麦の輸入にストップをかけたのか?
 この件については、この報告書の別の記述を読むと分かってくることがある。
 小麦粉を原料としたアメリカ製の粒状食品アラーに反対して、人造米の普及に躍起になった農林省の事情について次のように記してある。
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 アラーが疎んじられる背景には「人造米」の製造業者の圧力があるらしい。人造米業者は、人造米がたいして普及もしていないくせに、このアラーにとって変わられては大変だと騒ぎ出したのである。(中略)食糧庁は人造米の製造を認可した。そしてその時、何人かの食糧庁退職者が人造米製造会社に天下りしている。こうした製造工場は全国に50もできたが、日本国民は人造米を好まなかった。あまりに高価である上に、米のような味もしなければ栄養価値も乏しい。厚生省のある幹部は人造米の生産に大反対を唱えているほどである。
 人造米がどうにも商品にならないことが判明するやいなや、製造業者たちは食糧庁にやってきて援助を要請した。人造米の開発・奨励の責任をとれというのだ。勿論、天下りした元役人はまだ庁内に影響力を持っている。かくして、食糧庁は他の官庁に働きかけ、防衛庁が自衛隊用に一定量を購入する手はずとなった。今のところ、人造米のまとまった市場はここだけである。
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 なんとまあ、天下り役人の私利私欲は今に始まったことではないのだ。
 人造米については、次のサイトが詳しい。

http://www.nipponstyle.jp/column/nttr/column_16.html

 ちなみに「かっぱえびせん」は、開発当時、米不足だったことから小麦粉を使った「あられ」である。

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アメリカ小麦戦略―日本侵攻

学校の廃棄書籍の中に、意味深なタイトルのものがあった。
『アメリカ小麦戦略―日本侵攻』
NHK農林資産番組班高嶋光雪著 1979年 家の光協会

これはNHK特集の「食卓のかげの星条旗ー米と小麦の戦後史」の聴視者の反響に応えてまとめた本なのだとあとがきにある。

アメリカは戦後食糧難だった日本に小麦を援助した。それは大変ありがたい行為ではあったが、アメリカは余剰小麦の新たな市場に日本を利用したものだった。
学校給食にによってパン食が広がり、一方で米は消費を減らしていった。

でも巻末に文書資料もあり、正確な事実に基づいて書かれている。
おそろしくなる裏事情だ。

よく似たタイトルの本なら解説がある。
http://www.rui.jp/ruinet.html?t=5200&o=10507&s=43

上述の「食卓のかげの星条旗」についてコメントされたのブログは、こちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/ff6988m/51947827.html

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March 09, 2008

「道徳」の指導目標

「道徳」というと何かと反響が多く、指導するのが難しい。
徳目(価値)の押しつけとか、資料がわざとらしくて本音が引き出せないとか、
そもそも「道徳」は教えられないのだとか、特設「道徳」反対とか・・。

現行の指導要領の一部を文科省のHPで見てみる。


〔第5学年及び第6学年〕
 1 主として自分自身に関すること。
  (1)生活を振り返り、節度を守り節制に心がける。
  (2)より高い目標を立て、希望と勇気をもってくじけないで努力する。
  (3)自由を大切にし、規律ある行動をする。
  (4)誠実に、明るい心で楽しく生活する。
  (5)進んで新しいものを求め、工夫して生活をよりよくするようにする。
  (6)自分の特徴を知って、悪い所を改め良い所を伸ばすようにする。
 2 主として他の人とのかかわりに関すること。
  (1)時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。
  (2)だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にする。
  (3)互いに信頼し、学び合って友情を深め、男女仲よく協力し助け合う。
  (4)謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。
  (5)日々の生活が人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し、それにこたえるようにする。
 3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
  (1)自然の偉大さを知り、自然環境を大切にする。
  (2)生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する。
  (3)美しいものに感動する心や人間の力を越えたものに対する畏敬の念をもつ。
 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。
  (1)身近な集団に進んで参加し、自分の役割を自覚し、協力して主体的に責任を果たす。
  (2)公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たすようにする。
  (3)だれに対しても差別をすることや偏見をもつことなく公正、公平にし、正義の実現に努める。
  (4)働くことの意義を理解するとともに、社会に奉仕する喜びを知って公共のために役に立つように努める。
  (5)父母、祖父母を敬愛し、家族の幸せを求めて、進んで役に立つようにする。
  (6)先生や学校の人々への敬愛を深め、みんなで協力し合いよりよい校風をつくるように努める。
  (7)郷土や我が国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。
  (8)外国の人々や文化を大切にする心をもち、日本人としての自覚をもって世界の人々と親善に努める。

・・・・ごくごく当たり前のことが書いてある。
日々の教育活動の中で、指導できそうなことばかりだ。

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