「ありがとう」をきちんと言わせる
図書館にあった『努力の天才バッター イチロー』(高橋寿夫著 旺文社)。
イチローの努力のすばらしさは、他の本でもたくさん読んできたから特に驚かなかった。
P110に、さりげないエピソードが書いてあった。
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イチローのまわりはいつも、サインをねだるファンでいっぱいだ。イチローはたいてい気軽にサインに応じるが、サインをもらった子どもが、お礼もいわずに帰ろうとすると、きまって強い口調でこういう。
「『ありがとう』は?」
いわれた子どもはあわてて「ありがとうございます。」という。
イチローは両親や野球チームの監督たちから、お礼をいったりあいさつしたりすることのたいせつさを教えられてきた。だから、みんなにも、そういうことをたいせついにしてほしいのだ。
あこがれのイチロー選手からお礼のたいせつさを教えられたことで、少年たちは、きちんとお礼のいえる子どもになるにちがいない。
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その通りだ。
よく、「あいさつしない」「礼儀がない」と文句だけ言う教師がいる。
だれだって、自主的なあいさつを求めたいし、自主的なお礼を求めたい。
自分に「ありがとうを言え」などと言うのが厚かましいとも思う。
しかし、我々教師は指導者だ。
子どもの足りない部分は教えてあげないといけない。
「『ありがとう』は?」
余分なお説教はいらない。
これだけ言えば子どもは十分分かる。
言わないで期待するのは虫がよすぎるのだ。
指導すべき事はきちんと口にしないと、子どもには伝わらない。
伝わらないまま放置しておいて「最近の子どもは・・・」と愚痴るのは指導の放棄=教師失格だという気概が大切である。
ちなみに、引用した部分の章題は「『人の心』がわかる男」である。
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