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July 28, 2008

視点の転換=発想の転換

酷暑に中、セミが元気よく鳴いている。
「長い間、土の中にいてほんの数日しか地上にいられないセミはの命を惜しむように精一杯鳴き続けるのだ」
・・・というようにイメージしていた。
そのような視点でセミを見てきた。
ところが、ふと、考えてみた。
地上に出てきてからのセミの暮らしの方が幸せなのだと誰が勝手に決めたのか。
セミは幼虫の姿で7年も8年も土の中で平和に暮らしてきたのだ。
地上に出てきて外的にさらされながら約10日間、あちこち飛び回って逃げ回る姿が幸せなどと誰が勝手に決めたのか。
セミは悲しくて鳴いているのかもしれない。
土の中の生活は楽しかった、土の中を追い出され、いよいよ数日後には死ぬ、なんて悲しい生涯だろう。もっと土の中で暮らしたかったなあ、というように・・。

・・・このような解釈が成り立つのは、しょせん「セミの考え」など人間の勝手な想像に過ぎないからだ。
成虫が幸せか不幸せかといった議論は人間本位の勝手な推測に過ぎないのだから、どちらの解釈が優位に立つというものでもない。セミに聞いたって答えが分かるわけでもないし、セミが答えてくれるわけでもない。

それにしても、こんな風に視点を変えてみたら、いろんな常識を疑うことができて、新しい発想も生まれてきそうな気がする。

あるコラムで、ある夜の駅での場面が紹介されていた。
塾帰りで学習テキストを読んでいる中学生と携帯電話で騒いでいる中学生を対比させて、話の流れは後者を嘆くものだった。
・学力低下(科学的応用力2位から6位)
・学習時間低下(30カ国中15位)
・数学の授業時間の減少(年間105時間)
・1人あたりの名目国内総生産(99年2位から00年18位)
といった具体的な数字を挙げて「がんばれ日本」のトーンで語っていた。

しかし、だ。
今の世の中で塾通いの子どもと携帯少年と、どちらが世渡り上手でコミュニケーション上手で将来の日本を背負うかは分かったものではない。
優等生が一歩間違って事件を起こす例も少なくない。
塾通いして手に入れた学歴が生きるかどうかは分からないのが今のニッポンだ。
今の世の中でいちばん求められるのが「コミュニケーション能力」だと言う立場の人からすれば黙々と塾通いする少年よりも誰とでも話ができるナンパ少年の方が、世間は求めているのかもしれない。無論そう断言したいわけではなく、そのような見方もあるという意味である。

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July 24, 2008

酷暑の中の陸上大会

本日は、毎年恒例中学校の陸上地区大会だった。
年によっては台風の心配もするが、今年の心配は「猛暑」だった。
確かに猛暑・酷暑だった。
グランドコンデイション記録によると以下のような結果である。
10時 35度 湿度57%
11時 35度 湿度57%
12時 35度 湿度52%
13時 37度 湿度49%
14時 38度 湿度45%
15時 40度 湿度47%

さすがに40度の報告が会場に流れると「おー」と、どよめきが起こった。
午後は風力1M程度の風も吹いていて、湿度も下がってきたので感覚的にはずいぶん楽だった。
それでも、終了の4時まで厳しい日差しだった。

このような猛暑・酷暑の中での大会は健康管理が大変である。
そもそもこれほどの猛暑・酷暑の中での中学生の大会実施は問題があるのではないか、と思うほどだった。
この暑さの中で1500M・3000Mを走る中長距離選手は本当に大変だと思う。
でも、自分の競技時間だけグランドに出てくる選手よりも大変なのは大会役員・審判である。
交代制で半分の時間をグランドで過ごした私も後半かなりしんどかった。
交代の度に水分補給をしたり体を冷やしたりしたのだが、厳しい1日だった。

高校野球もそうだが、全国で、この猛暑・酷暑の中でさまざまな大会が開催されている。
中学校も、全国大会(中学総体)がお盆すぎに行われるので、今は地区大会・県大会の時期なのだ。
そもそも、学習に適さないほど暑いから夏休みなのに、この夏休みに運動大会が開催されるこの矛盾。
「部活動で日々鍛えているから大丈夫!」だと願いたい。
全国で熱中症患者が出ないことを願うばかりである(本大会は無事終了しました)。

さて、明日25日は春日井市の小学校の陸上大会。
こちらも、熱中症などの事故がないことを切に願っている。

追記:
地震があれば、大会は中止となる。
岩手で震度6強の地震があった当日である。
地震被害にあった方にお見舞いの気持ちを抱き、のんきに陸上大会を実施できた幸せに感謝もする。
「本当に愛知でも大きな地震があったら・・」と漠然と思うのではなく、「大地震は近いうちに起きる」という前提で物事を見ていかなくてはならないという思いを強くした。

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July 23, 2008

春日井サボテンと王子製紙春日井工場

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 春日井市の副市長 本間奈々さんのブログで、春日井市のサボテンプロジェクトが政府インターネットテレビで紹介されていることを知った。

 観光教育=地域学習=町おこし・町づくり=郷土愛
という発想で「春日井の自慢は何か」を考えている。
 春日井という「くくり」は結構単位が大きい。
 以前勤務していた西の地区にとって「日本三大ニュータウン=高蔵寺ニュータウン」といってもピンとこない。
 現在勤務している東の地区にとって「徳川家康が長久手の戦いで『勝川』と名付けた町」といってもピンとこない。
 春日井サボテンの栽培も桃山地区の農家に限定されるから、実生日本一とはいえ、春日井市民の多くが関わった産業というわけではない。
 企業の規模で言えば「王子製紙 春日井工場」が大きい。市民の雇用にも貢献している。

http://uub.jp/arc/arc.cgi?N=527によると、東京の「王子村」を発祥とする王子製紙は工場進出した場所に「王子町」を作っていったという面白い事実も分かった。
こういう小ネタは、おもしろい。
====================
製紙業界と地名の関係にこだわってみました。明治以来の歴史ある業界であり、地名由来の企業名や、企業名を冠した地名が多く見られます。それだけ、製紙業界は雇用等を通じた地域経済との結びつきが強いということかも知れません。

・王子製紙:東京府下王子村(現:東京都北区王子一丁目)が最初の工場所在地で、1875年に社名を「王子製紙」に改称→地名先行

しかし、地名由来の企業名が工場進出により新地名として「伝播」しており、
・苫小牧工場:北海道苫小牧市王子町(工場なのに駅前)
・江別工場:北海道江別市王子(旧北日本製紙、1970年合併)
・春日井工場:愛知県春日井市王子町
====================
 特化した分野で全国的なシェアを誇る中小企業も面白い→ここ
 でも、雇用を確保して地域経済に貢献している大企業も、きちんと把握しておかないといけない。
 ちなみに市内の小学校3年生の多くは、遠足(社会見学)で、サボテン農家と王子製紙の工場見学を行う。ただし、王子製紙の工場見学は、教育団体のみ・バス内のみで、撮影厳禁である。
 高学年で、観光教育(春日井のPR)の視点からサボテンや王子製紙を取り上げるなら、
小3とは異なったアプローチ・小3よりレベルアップ・スケールアップした取り組みを考えないと、しょぼくなる。

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July 06, 2008

ブランド商店街

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 愛知県の「ブランド商店街」認定の取り組みがある。
http://www.pref.aichi.jp/shogyo/sido/brand/brand_index.html
 

商店街ブランド化推進事業は、地域の食・人・物・文化・歴史等を活かすなどして、特徴ある取り組みをしている商店街を「ブランド商店街」として認定し、広くPRするとともに、他の商店街にも特徴ある取り組みを促し、県内商店街の活性化を目的としています。

●平成18年度認定商店街
一宮市伝馬通3丁目商店街振興組合(一宮市)
一宮市本町商店街(一宮市)
銀座通り商店街振興組合(瀬戸市)
末広町商店街振興組合(瀬戸市)
勝川駅前通商店街振興組合(春日井市)
みのじ発展会(清須市)
桜町本通り商店街振興組合(豊田市)
本町発展会(西尾市)
表参道発展会(豊川市)
形原商店街振興組合(蒲郡市)
蒲郡商店街振興組合(蒲郡市)


 ・・・ちなみに、私の生まれ育った旧西枇杷島町の枇杷島通りも「みのじ発展会」として選定されている。
 みのじ街道沿いは、自動車が行きかうのも不便な道幅で、多くの店も閉じたままだ。
 そのような自分の育った場所が、活性化のためにがんばっているのだと思うと、たまらなくうれしい。

春日井の勝川駅前商店街は、前任中学校時代に職場体験で数店お願いをした。
 その際、「個々の店で職場体験を交渉するよりも、駅前商店街として仕事をしてもらう形の方がいいのでは」という提案をいただいた。夏祭りのようなにぎわう時にボランテイアで何かできないかという話題もあったが、立ち消えになった。その商店街がブランド認定を受けたことは、自分とは無関係ながら、とてもうれしい。

 まったくのあてずっぽうの話だが、高齢社会は脱クルマ社会だ。
 若い夫婦ならレジャー気分で郊外型の大型店舗に行き、大量の商品を購入する。お店の人とべったり付き合うのも苦手な人が多い。
 しかし、町全体が高齢化したら、そこそこの距離で、そこそこの品物が調達できればいい。そして顧客のニーズにあわせて親身になってくれるお店がありがたくなる。
 かつての何でも屋さんのように移動販売で自宅近くまで売りにきてくれるシステムもうれしいし、 かつてのお米屋さんや酒屋さんのように宅配してくれるシステムもうれしい。
 実際のところは、ネット販売も、通信販売もお届けサービスだし、顧客の注文傾向をデータベース化して、次のニーズを店側から提案するケースも多い。
 いずれにしろ、うすれかけた地域のきずなを取り戻すきっかけを「商店街」は持っている。

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産業観光~モノ作り中小企業~

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「元気なモノ作り中小企業300社」の選定がある。
 2007年版が、下記のサイト。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha19fy/19index.htm 
 
 たとえば春日井市は下記の企業が選定された。

(1)株式会社ISOWA(春日井市)
・・・世界最速の段ボールシート製造機械を提供
   国内シェア45%を誇る。国内で生産される段ボールの約80%に何らかの形で関わっており、輸送ビジネスのインフラを支えている。
(2)株式会社エージック(春日井市)
・・・車の酸素センサー部品、電子レンジ機能部品を製造。自動車用酸素センサー部品では世界シェア46%、電子レンジの機能部品「マグネトロン」用では同シェア40%。
(3)東洋電機株式会社(春日井市)
・・・エレベータの安全をオプトエレクトロニクス技術で支える。エレベータ用センサーは国内シェア約70%で国内トップ。
(4)三豊機工株式会社(春日井市)
・・・冷間圧造工具の総合メーカー。独自のノウハウを駆使して開発した冷間圧造工具「ダブルヘックス」は国内シェア70%。

このサイトからは、2006年版もチェックできる。
春日井市の2006年の選定企業は、東海メディカルプロダクツ(春日井市)。
・・・国産初の日本人サイズの心臓補助医療器具の開発。国内シェアは約30%。

 このような企業があることを紹介し、地元に自信と誇りを持たせることの意義は深い。
 産業観光の視点でいえば、ぜひ、このような企業の見学も可能になるといいのだが、見学に対応できる従業員やスペースの確保を考えると、現実的には難しい。
 補助資料を作る・ビデオ教材を作る・中小企業の総合資料館を設置する。
 「つくばサイエンスツアーバス」 http://www.i-step.org/tour/bustour/index.htm や名古屋の循環バス「メーグル」http://www.ncvb.or.jp/routebus/のような案内バスを設置するような施策がほしい。

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産業観光の意義

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 2008年6月29日の中日新聞サンデー版 大図解シリーズは、「ものづくりを知る旅 産業観光を楽しむ」。
とても丁寧な解説で、どの文章も要保存だった。

■工場などの生産現場や近代化を支えた産業遺産などを訪ねる「産業観光」が熟年の人たちや家族連れの旅のスタイルとして関心を集めています。
■「産業観光」とは、歴史的文化的価値のある産業文化財(産業遺産等)、生産現場(工場・工房・農漁業)産業製品等を対象とする観光です。
■企業博物館や研究しせつを回るバスを運行したり、ホームページやガイドブックでモデルコースを紹介したりと各地で産業観光を盛り上げる動きが進んでいます。
■外国人旅行者の誘致などを目指し、国も力を入れています。国土交通省は08年4月、工場など受け入れ施設向けの「産業観光ガイドライン」を策定しました。
・・・「産業観光ガイドライン」はPDFファイルだが、読みごたえがある。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/04/040425/02.pdf

 平成13年名古屋で「全国産業観光サミット」が開催され、その後「全国産業観光フォーラム」が続いている。
 ものづくりのすばらしさを伝えることは、次世代の技術者を育てる教師の大切な仕事。
 ものづくりの現場が身近にあることを伝え、たくさんの人の来訪を促すことは、明日の町づくりを支える教師の大切な仕事。
 だから、産業観光を含む「観光教育」の意義は深い。

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July 01, 2008

東野圭吾『手紙』とさだまさし「償い」

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 DVDだけで東野圭吾の「手紙」を論じるのは悔しいので、ちゃんと読んでみた。
内容は、この間から書いている通り。
文藝春秋のサイトには、次のようにある。
http://www.bunshun.co.jp/book_db/7/11/01/9784167110116.shtml

■内容紹介■
罪を償うとは、絆とは……。強盗殺人犯の兄を持った少年の姿を通し、犯罪加害者の家族を真正面から描いて感動の渦を巻き起こした問題作
強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く……。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

 謝罪のための仕送りを続けるさだまさしの「償い」と比べるなら、手紙を受け取った被害者家族の言葉がいい。
◆「彼が自分の過ちを悔いているのはよくわかる。だけどいくら謝られても、反省の弁を聞かされても、母親を殺された無念さは消えない。」
◆「何度か、もう手紙を送ってくるなという意味の返事を書こうとしたよ。だけどそれさえも馬鹿馬鹿しかった。そこで徹底的に無視することにした。返事がなければそのうちに届かなくなるだろうと思ったんだ。しかし彼の手紙は届き続けた。やがて気づいた。これは彼にとっての般若心経なのだとね。こちらからストップをかけないかぎり彼は手紙を書き続ける。ではストップをかければいいのか。そこで私の中に迷いが生じた。彼の手紙を止めることは事件の完全な終結を意味する。事件を終わらせていいのか。告白すると、事件の終わりを受け入れる決心がつかなかった」

・・・さだまさしの被害者家族も「ストップ」をかける気になったから手紙を出したのだろう。
こちらから言い出さないかぎり続く仕送りをストップさせて、もう事件を終わらせようとしたのだろう。
それは、純粋に「許し」だったのかもしれないが、「もう、かまわないでほしい」と書いてあるのだから、やめてほしかったのだろう。

 『手紙』の中で、殺人犯である兄の最後の手紙が示されている。ネタバレになってしまうが・・。
◆「私は手紙など書くべきではなかったのです。」
◆「緒方さんへの手紙も、おそらく緒方さんにとっては犯人の自己満足にしか見えない不快きわまりないものだったに違いないと。そのことをお詫びしたく、このような手紙を書きました。もちろん、これを最後にします。どうも申し訳ありませんでした。」

・・・謝罪の気持ちを伝えるとは、これほど難しいものなのだ。

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