ペットボトルの国内販売量
9月8日の中日新聞の「環境と暮らし」の欄に、ペットボトルの情報が掲載されていた→ここ
◆環境省によると、二〇〇六年度の国内のペットボトル販売量は五十四万四千トン。このうち回収されたのは66%。回収されたボトルは粉砕処理され、化学繊維や卵パック用のシートに作りかえられる。
◆ペットボトルのリユースは、ドイツやデンマークなどのヨーロッパのほか、タイやフィリピンなどアジアも含め二十カ国以上で導入実績がある。先進的に取り組んでいるドイツでは一九八六年に取り組みが始まり、リユースボトルの回収率は95-98%という。
この環境省の元データが探せなかったが、
国内販売量約54万トン
というのを、きちんと押さえておこうと思う。
環境用語「ペットボトル」には、次の数値がある。
2004年度、容リ法による収集量は238千トン、回収率46.4%、参加市町村数2,796。
再製品市場は、繊維・シート・ボトル・成形品等である。
・・・238千ト=23万8千トン。これが回収量46,4%なのだから、
2004年の生産量は約51万2千トン。
そして
2006年が54万4千トン。
月刊チャージャーのサイトでは、武田邦彦氏が下記のQAで数値を紹介している。
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Q.ペットボトルのリサイクルは本当にムダなんですか?
本にも書きましたが、リサイクルをする前はペットボトルのために使っていた石油はおよそ26万トン。リサイクルをするようになってからは約200万トンの石油を使っているんです。平成16年には約50万トンのペットボトルを作り、再利用できたのは3万トンだけ。年間で推定1000億円の予算をかけて、使う資源もゴミの量もおよそ7倍になっているのが現実です。
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・・・平成16年には約50万トンのペットボトルを作り、とある。
回収量が20万トンを超えるのに、再利用できた量が3万トンにすぎないと算出されたのは、回収されても焼却されていたり不法に海外流出されたりしているからだ。
2006年の新しい数値で考えてみよう。
販売量・生産量が54万トン。
回収率66%で計算すると35.6万トン。
百歩ゆずって、回収されたペットボトルは有効利用されたとして、残りが約20万トン。
この20万トンのペットボトルが無駄ということになる。
となると、この20万トンのペットボトルに使う石油量を算出してみたくなる。
武田氏のサイトには、ペットボトルは石油で作られる。大きさや目的にもよるがおおよそ1本で20グラムから40グラムである、と書かれいる。
しかし、20万トンがペットボトルの本数に換算できるのか分からないので中断。
ペットボトルを薄くしたポカリスエットのサイトには、次のように記されていた。
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今回、「ポカリスエット」500mlペットボトルの容器を『エコボトル』にして約30%の容器の軽量化を行うことにより、年間約2,700トンのペット樹脂量が削減できます。これをエネルギー量で原油換算すると年間約4,000kLの削減となり、10km/Lの燃費で走る車のガソリン量で換算すると走行距離として地球約950周分に相当します。また、CO2削減量としては、年間約8,300トン-CO2の削減となり、約1,500世帯分の年間CO2排出量に相当します。
今回の「ポカリスエット」500mllペットボトルの軽量化を機に、500mlペットボトルを使用する当社他商品においても、順次『エコボトル』を使用する予定です。
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「2700トンのペット樹脂で原油換算4000KL」が確定。
この比率で未回収のペット20万トンの原油を計算すると、
20万÷2700×4000=約296286トン=約30万KLとなる。
じゃあ、この30万KLの石油はどのくらいの規模だと考えられるのか?
そこを考えないと、ペットボトルの無駄の意味が見えない。
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Comments
ペットボトルリサイクルに疑問を抱かれるのは分かりますが、この武田邦彦氏の発言にはおかしい点がいくつもあります。
まず、ペットボトルのリサイクルを始める前と始めた後の比較です。
これってどれくらい年次が離れているか知っていますか?
確か5年以上離れていたと思います。
しかも、ペットボトルの生産量が増えたのはリサイクル可能だからでしょうか?
違います。飲みかけを保存できるからです。
なのにこの著書ではリサイクルできるから生産量は増えたと言われています。
ペットボトルのリサイクルが出来ると、ペットボトルへの消費石油量は減るといったニュアンスガこの本には書いてあります。これはおかしいと思いませんか?リサイクルが進もうと進まないと関係なく生産量は消費量に依存します。
なぜならペットボトルはペットボトルへのリサイクルではなく他のものに作り変えられるからです。
確かに利権が絡むところもあるのでしょう。
しかし、いくら環境問題とはいえ取り組む団体もそこで働く人に給料を出します。当然お金もかかります。
しかも日本はドイツなどと比べると回収率も悪い。
それでは余計にお金がかかるも当然です。
お金がかかるにしても原油がなくなれば当然資源です。
電気は太陽光などで作れますが原油は作れません。
ゴミとして捨てるよりは回収したほうがいいと思いますが。。。
しかし、なによりもまずは使わないことではないでしょうか?
何度も使う、水筒を使う。色々方法はあるはずです。
批判するのであればでは、代わりに何をするのか?
これを考えてみてください。
Posted by: AB | October 01, 2008 05:06 PM
ABさん、コメントありがとうございます。
武田氏の発言は「数字・資料」として引用した物で、武田氏の意見まで全面支持したつもりはありません。
私の立場は、2006年6月26日のブログに書きました。
▼ペットボトルもリサイクルできることを言い訳にして、右肩上がりで大量生産されている。
そもそものところで、消費を抑える・生産を抑える・資源を大切にする、という発想が大切なはずなのに・・。▲
この意見に批判いただけると勉強になります。
Posted by: 竹田博之 | October 02, 2008 08:26 AM
付け足しです。
私は「リサイクルできること」が大量生産の引き金になったと書いてます。
ABさんは、「飲みかけを保存できるから」と書いています。
私だって「飲みかけを保存できる」が直接の普及の理由だと思っています。
タカラのサイトに、次の解説があります。
http://www.takarashuzo.co.jp/environment/ecokids/recycle/a4_4-4.htm
▼ペットボトルは透明で軽く割れない、「リキャップ」(何度もキャップができる)ができるなど、他の容器にはない特徴を備えた飲料容器として機能面では非常にすぐれています。しかし1996年に500MLの小型ペットボトルが登場すると、ペットボトルの消費量は著しく増加し、リサイクルに回されず在庫となったペットボトルが問題となりました▼
500mlは、1996年に認可されました。
それはもちろん保存・持ち運び等の利便さが第一の理由ですが、認可の背景は「リサイクルできる」という長所があったからではないでしょうか。
そのような判断は独善的だったのかもしれませんが、2年前は、そのように言われていたような気も・・・。
個人的な見解は
・ペットボトル作りすぎ・使いすぎ・頼りすぎ。
・石油がもったいないから、生産も消費も減らすべき。
・レジ袋で騒ぐなら、ペットボトルは、なぜ見逃されるのか。
の3点です。
Posted by: 竹田博之 | October 02, 2008 06:19 PM
はじめまして。検索から訪れました。
500mlペットボトルが普及したのは、平成7年(1995年)の容器包装リサイクル法が成立したことを受けたものです。
ペットボトルの大量生産にリサイクルの大義名分が大きいという武田氏の主張はおかしいものではありません。
そして、リサイクルなんかせずに「環境を考えるなら、ペットボトルは使わない」と考えるのが一番正しいことだと思います。
Posted by: 中山淳一 | October 20, 2008 03:03 PM
中山さん、実名でのコメントありがとうございます。
近ごろスーパーでペットボトルを回収していますが、すごい量です。自分も利用してはいますが、そんなに大量消費していいのかな、と不安も感じます。
Posted by: 竹田博之 | October 23, 2008 12:20 AM
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