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January 01, 2009

鉄鋼の父 本多光太郎

Einstein_3
愛知県の中学校一年の道徳副読本『明るい人生』の中に「鉄の人 本多光太郎」の話がある。
 岡崎市出身の彼が作り出したK・S鋼と新K・S鋼は次のように記されている。
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  永久磁石とよばれる「K・S鋼」は、一度磁性をもつと、今までの金属の三、 四倍もの期間、磁性を失わないという 新しい金属だった。この発明によって、モーターやスピーカーなど、世界の電気機械が目覚ましい発展をとげること ができた。昭和八年には、十倍の磁性を持つ「新K・S鋼」を発明し、「鉄の本多」の名は広く世界に知れわたった。
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本多光太郎は第一次世界大戦で磁石鋼の輸入がストップした国家の危機を救い、世界レベルの工業発展に尽くした先人の代表格である。
 生徒の心に強い憧れを抱かせ、現在の技術立国ニッポンにつなげるためにも、光太郎の業績の偉大さをもう少しアピールしたい。
 例えば、次の説明を加える。
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 1916年、本多光太郎らによって、これまでの磁石鋼の代わりとなるKS鋼が開発されました。
 当時の高性能磁石の三倍以上の力を持つ永久磁石です(KS鋼というのは、多額の寄付を受けた住友吉左衛門の名前から付けられました)。磁石に対する技術が低いと思われていた日本がKS鋼を開発したことは、欧米諸国に大きな衝撃を与えました。
 また、1933年にはKS鋼の四倍近い保磁力をもつ新K・S磁石鋼を発明しました。これは世界的な偉業で、
 その後の我が国の工業発展に大きな役割を果たしました。
  本多光太郎は、鉄鋼の世界的権威者としてその名を知られ、鉄鋼の父「Steel Father」と呼ばれています。
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 簡単に書いてあるが、KS鋼を発明した1916年から新KS鋼を発明した1933年までの間は17年。
 17年も研究を続けた姿勢は13歳の中学1年生には印象強く残る。
 
 また光太郎が代表的な日本の発明家の一人であることを付け加える。
 光太郎を含む日本の十大発明家は、昭和六十年、歴史的な発明者の中から選定された。

①豊田佐吉の木製人力織機・自動織機 
②御木本幸吉の養殖真珠
③高峰譲吉のジアスターゼとアドレナリン  
④池田菊苗のグルタミン酸ソーダ
⑤鈴木梅太郎のビタミンB1の分離
⑥杉本京太の邦文タイプライター
⑦本多光太郎のKS鋼 
⑧八木秀次の八木アンテナ
⑨丹羽保次郎の写真電送装置
⑩三島徳七のMK磁石鋼

 私が個人的に印象に残ったのは、アインシュタインとの写真である。
※ 理化学研究所HPより
http://www.riken.go.jp/r-world/riken/history/index.html

 アインシュタインはノーベル物理学賞を受賞した1922年に日本を訪れた。KS鋼を発明した6年後だ。
 ちなみに、日本が大好きだったアインシュタイン博士は、こう話している(注3)。
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 ○近代日本の発展ほど世界を驚かせたものはない
 ○日本人ほど純粋な心を持つ人はどこにもいない。
 ○この国を愛し、尊敬すべきである。
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 世界を代表するアインシュタインが憧れた日本のよさを、これからも受け継いでいきたい。
※注 『日本賛辞の至言三三撰』  波田野毅 ごま書房

※参考 マグネットワールドHP  http://www.26magnet.co.jp/index.html

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Comments

それにしても日立金属さんはすごいですね。日刊工業新聞、十大新製品のものづくり賞に新プラスチック金型用鋼 HPM-MAGICが選ばれていましたね。異種格闘競技のなかで鉄鋼材料が選ばれることは本当にうれしいことです。

http://www.nikkan.co.jp/cop/prize/priz05000.html

Posted by: 村岡 | January 15, 2010 08:01 PM

日本鉄鋼協会・日本金属学会中国四国支部からのお知らせです。

2012年3月19日14:00~16:30まで湯川・本多光太郎記念支部講演会が開かれます入場無料にて多数のご参加願います。

場所:岡山理科大学50周年記念館4Fホール

(湯川記念講演)
日立金属(株)安来工場 冶金研究所 主任研究員
久保田 邦親
「熱力学とニューラルネットワークを用いた金型用工具鋼の先端的合金設計」

(本多記念講演)
大阪大学大学院 教授 中野 貴由
「材料工学的アプローチによる骨微細構造の解明と骨代替材料の開発」

入場無料

Posted by: kaztec | March 03, 2012 12:48 AM

 日立金属が開発した新型工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応であると。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命というものもある。
 このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。

Posted by: トライボロジープレス | October 27, 2012 08:27 PM

その開発者のご子息が天皇杯に出てたよね。

Posted by: ソフトテニスファン | October 29, 2012 07:15 PM

 先月の、「プレス技術」を読みましたが、その高性能冷間工具鋼、SLD-MAGICのトライボロジー特性は凄いですね。微量の油をぬったセミドライ状態で、摩擦させるとまるで先端技術のDLCのような自己潤滑性が出るなんて。耐摩耗性も高いのでコーティング費用分コストパフォーマンスが良く、耐荷重能も2500MPaぐらいに高強度でいろんな転動・摩擦・摺動部品にも使えそうだ。

Posted by: 自動車技術者 | February 05, 2013 08:23 PM

 この自己潤滑性のメカニズムは摩擦界面でボールベアリング分子構造のナノマシンが自己組織化するかららしいですね。

Posted by: 油屋 | May 31, 2013 05:58 PM

そのボールベアリング物質はグラファイト層間化合物っていうらしいですね。この材料、ハイテン用のプレス金型に広がっていて、カジリはなぜ抑えられるか業界中の謎だった。このようなナノメカニズムが働いていたんですね。しかしながら、固体材料の頂点である工具鋼に自己潤滑性があるとはなんとも無敵な話ですね。

Posted by: 塑性加工業 | July 13, 2013 11:08 PM

 今や低粘度エンジンオイルが燃費向上のため日産やトヨタから叫ばれ始めています。しかし、確かに燃費は低下するのですが、トライボロジーでいう境界潤滑状態が増えます。
 そこで重要視されるのがここで言われているSMAGICなのですが、境界潤滑に耐える指標であるPV値がなんと通常の鉄鋼材料の6倍程度となる900MPa・m/minもあるとある学会では報告されていました。これはバケツをひっくり返したような状況に至るでしょう。

Posted by: ベアリング専門家 | January 13, 2014 08:34 PM

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