「介護 農業をバカにするな」~WEDGE 3月号~
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/93?page=1http://wedge.ismedia.jp/articles/-/93?page=1
WEDGEの3月号の見出しに惹かれて購入した。
サイトでも記事が見られることがあとで分かった。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/93?page=1
納得する部分もあり、疑問もあった。
◆「派遣の人は続かない。ここ3カ月で派遣労働者を5人受け入れたが、3人が辞め、そのうち1人は1日で辞めた。しかも彼らは仕事を時間で割り切る。そのため、終業時刻間際にお年寄りから用事を頼まれてもやらずに帰ってしまう」
・・・「派遣」に限定しているが、普通の社員だって簡単に介護の仕事などできない。派遣ではない自分も正直なところ自信がない。「派遣の人は続かない」と切り捨てるのはどうかと思う。
◆厚労省の調査によれば、介護職員の平均的月収は21万円。全産業平均の33万円を大きく下回る。やる気があっても、この給料ではとても家族を養えないという理由で、途中で転職してしまう人が多いという。さらに、男性非正規社員の平均年収は300万円弱であるが「介護の場合は、正規職員でも夜勤を何度かして、やっと300万円台になる」(結城康博・淑徳大学准教授)という状態だ。
・・・派遣社員の給料の低さだけが強調されるが、派遣より低い賃金で正規の介護職員の厳しい現実も何とかすべきである。
派遣がだめなら介護職員があるじゃないか、という意見もあるのだろうが、「その年収では・・」と敬遠する人を誰が非難できるのだろうか。そして、これは農業でも同じである。
◆全国新規就農相談センターによると、就農1年目にかかる平均費用は、水稲が約690万円、露地野菜で約470万円に対し、平均売上高は水稲・露地栽培がともに約230万円と、5年以上経過しても事業を軌道に乗せることは難しいからだ。
介護、農業をバカにするな、という特集タイトルの意味は重い。
むろん、本意は「派遣で解雇されたって、介護や農業なら人手が足りないじゃないか、という世間の声に対する抵抗である。
しかし、この機会に、介護、農業の世界では 派遣社員より低い収入で苦労してきたことを認知させたいという思いも感じられるのだ。
これからは介護が大事だ
これからは農業が大事だ
と言いながら、待遇面で正当な評価がなされていない現実をどうするかが問われている。
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