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May 26, 2009

「なぜ」で追い込んではいけない

 指導がうまくいかない時や子どもが思うように動かない時。
 ついつい
「どうして、そんなことするの?」
「どうして、先生の言った通りにやらなかったの?」
と言うことがある。

 自分では気がつかなかったが、先日、他の人が「なぜ?」で子供を責めている場面をみて「これは、いかんわ」と思った。
 
 やり方が定着していないから苦労して算数の問題を自分なりに解いている子に浴びせかける「どうして」の嵐。

 「どうして、そんなやり方でやるの?」
 「どうして、また同じ間違いを繰り返すの?」
 「どうして、分からんの?」

・・・「どうして」(実際は名古屋弁なので「なんで」)と問う側は、そもそも相手に理由など求めていない。
 「どうして」と質問の形にはなっているが、実際は「詰問」であり「批判」であり「侮蔑」である。

 「どうして、そんなやり方するの? だめに決まっているでしょう」
・・・反語的な使い方

「どうして、分からんの? 馬鹿だねえ、この子は」
・・軽蔑的な使い方

 言われた方が、「なぜ」に正対して返答することはない。
 
間違った理由など存在しないので答えようがない
・・・無理由ゆえの無返答

批判・軽蔑の意味であると分かっているから答えない
・・・・・あきらめゆえの無返答

 したがって「どうして~」と詰問された子は、悲しそうな顔をしているか、不満そうな顔をしている。

 逆ギレ風に言うならば
「最初から分かっとったら苦労せんわ」
「分かるように教えるのがお前の仕事だろう」
「馬鹿で悪かったな。ほかっといててくれ」
ということになる。
 逆ギレされずにすんでいるのは相手が小さいうちだ。
 いつか反撃を食らう。
 
 自尊感情を傷つける「どうして?」には、何の効果もない。
 言う側の憂さ晴らしだけだ。
 そして言われた側には、屈辱感が残り、遺恨が残る。
 まさに、エラー・ラーニングだ。

 想像してみるといい。
 おかしな使い方をして器具を壊したからといって、家電メーカーの人は「どうして、そんな使い方をしたんですか」とは言わない。
 心の中でそう思ったとしても、ぐっとこらえて「ああ、壊れてしまったんですか」と故障した現実を受け入れるだけだ。今更、過去を責めても何の意味もない。
 相手を子どもと思っているから無遠慮に嫌味混じりに「どうして?」が出る。

 われわれ教師は、相手が子どもだからと、つい相手の尊厳を損なう言い回しをすることがある。
 その1つが「どうして、そんなことしたの?」という詰問だ。
 もっともっと発する言葉に敏感にならねばと思う。

 以上の考察の背景には、言語の「語用論」的なアプローチがある。
 「語用論」とは?
 これは、検索してみればいろいろヒットするはずだ。
 要するに
「言葉には額面どおり受け止められないことがある」
「言葉の状況によってその意味が規定される」
ということだ。

 「マッチ持っていますか?」という問いは「はい・いいえ」を答えて欲しいわけではなく、「マッチを貸してください」の意味である。
 「今、何時になった?」という問いは実際の時間を尋ねているのではなく、「早く終われ・今何時なのか早く気付け」の意味である。

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May 24, 2009

仕事術を学ぼう その2

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 仕事が遅い理由・仕事がたまる理由の最大の原因は以下だ、と分かってはいる。


◆1つ2つの仕事を任されていたころと同じ手法で10や20の仕事を進めるのは無理である。

・1クラス分のテスト集計なら手計算でもできるが、多クラスの場合は表計算を使うべきだ。
・少々の部分の雑草なら手で刈ればいいが、大規模なエリアの場合は草刈り機を使うべきだ。
・数枚の帳合いなら手でやればいいが、多量な場合はページセッターを使うべきだ。

 文書作成・印刷・ホチキス・清掃・園芸・修繕など、さまざまな場面で上記のような発想が必要なことが分かった。
 だから、一度、大規模な仕事を任された人は、その時の大量な処理の方法を利用できるから仕事が早い。
 小規模な仕事処理しか馴染んでこなかった人は、どこかで発想の転換を強いられる。従来の方法でいいじゃないかという発想を変え、行動を変えなければ、残業時間が増えるか、破たんするかのどちらかだ。

 「急がば回れ」の発想で、大量処理の方法を自分のものにしておくと、次からが楽になる。
 そもそもPCや様々な機械は大量処理のために開発されたものだ。
 費用対効果を考えても、利用できるものは利用すべきだ。 
 もちろん手でやれば早い・手作業で十分な作業をわざわざ機械を使って時間をかけるのは愚行である。
再利用しない文書なら手書きで十分。早く終わらせることを優先させるべきだ。

 そんなことが、最近になって分かってきた。
 参考文献は、「なぜか『仕事がうまくいく人』の習慣」(PHP)。
 帯の文字は、大きな発想の転換だった。

◆仕事に優先順位をつけるな すぐにやれ!

 これは、前回の書き込み「優先順位をつける」と相反するが、重要な指摘だった。 
 後回しにした仕事もいずれは、期日が回ってくる。いずれ再度作業するなら今やればいい。
 文書を読んで後でやるか先にやるか決めることが多いが、あとでもう一度読み返す時間を考えたら、できることは今終えてしまうべきだ。
 あれもやらねば・これもやらねばと身動きできなくなることが多い。1つずつやり終えて片付ける習慣が大事。
というわけだ。
 そして、お決まりの鉄則が

◆整理整頓

 整理整頓の重要さは、要するに「システム化」の重要さだ。
 位置を決めたり順序を決めたりすることで、・いつでも誰でも分かるようにする「システム化」。
 仕事ができない・整理ができないのは、自分自身の行動と思考をシステム化できないからだ。

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May 05, 2009

仕事術を学ぼう!

 たとえば、○日までに書類を作成して市教委に提出しろという文書が回ってくる。

◆見た瞬間に市教委あての封筒を作っておけば、あとが楽になる。
◆見た日のうちに(記憶が定かなうちに)書類を作成してしまえば、期日を忘れてしまうことはない。

 これがなかなかできない。
 しかし、できる人の仕事術はこうなのだ。ゴールを見据えて仕事をするし、極力その場で済ませてしまう。
 かつて、ある先生にサークル通信を郵送で送っていた。
 その先生は、封を開ける前にハガキを用意して私宛の住所と名前を書いて、それから通信に目を通したのだそうだ。
 上の◆は、そのような先生なら実行済みの行動だ。
 できない仕事を「多忙」のせいにしてはいけない。自分の仕事の処理の仕方が悪いのだ。

 最近、エクセルの処理を求められる仕事が多くなった。在籍人数の確認や名簿管理・集金等の金額の処理には表計算が欠かせない。
 知らないままにエクセルを使っていると、実は恐ろしく効率が悪い。
 逆にエクセルの使い方をきちんと知れば、実は恐ろしく仕事がはかどる。
 罫線の引き方やコピーの仕方・データ処理の仕方・印刷のテクニックなど、マニュアルや裏技集を見ないでエクセルを使っていた自分が愚かだった。
 何も見ないで1人の力でやろうとした自分は、不遜であった。
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 『エクセル 頭のいい人の使い方』(三笠書房)の前書きにもある。
◆じつはエクセルがなかなか上達しない人というのは、決められた操作方法」しか知らないためにわざわざ「面倒くさい」やり方で作業をしてしまっているのだ。
◆大切なのは「ワザを覚える」ことではなく、「要領よくやる」ことなのだ。
・・・「要領よくやる」という目的意識がないと、仕事の効率は上がらないし、上げられない。本当にその通りだと思う。

 仕事の効率を上げるために何としても踏み切らなければならないのが「残業しない」という意志である(できるだけ)。
 教師の世界では、まだまだ遅くまで残っている先生=熱心な先生という評価をされがちだが、
 残業する会社員は仕事が時間内に終わらない出来の悪い人、という民間的な評価がいずれされると思う。
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 『脳が冴える15の習慣』(築山節著 NHK出版)の指摘はズシンときた。
◆脳の基本回転数を上げるには、時間の制約が必要です。(中略)何時までにこれだけの仕事をしなければならない、何個の問題を解かなければならないという状況が与えられないと、
速さである脳の基本回転数は上がりません。(P37)
◆問題は、持ち帰り仕事を当たり前にして、時間の制約を外してしまっていることにあると考えました。
最初から「私生活を削って1日かけていい」という発想で仕事をしているので、どこでも基本回転数が上がらない。(P40)

 時間の制約を課すからには、仕事の優先順位を決める必要がある。
 優先順位を決めるためは、「リストアップ」が必要である。
 きちんと書き出しておかないと、思いついたもの順に取り掛かることになり、提出期限のある仕事が後回しになってしまうからだ。
 これも『脳が冴える15の習慣』に書いてあった。
◆その日にやるべきことを当日の朝か前日の夜に書いて並べてみる。書かなくても分かると思われるかもしれませんが、書いてみると行動を「意識して行う力が強くなります。
何となく行動して失敗したり、忘れ物をすることが少なくなります。(P77)

・・このあたり、今流の「有言実行」に近いかもしれない。口にすること・書きとめることで自分を追い込むからだ。

『脳が~』では、さらに参考になる習慣が指摘されていた。「物の整理」だ。
 「思考の整理は物の整理に表れる」(P88)と題したページには、何となくそこらへんに物を置く人は、意識して整理していないので、どこに置いたか忘れやすいのだとある。

◆「忙しいときほど、身の回りの物を整理することを優先させて下さい」(P92)
◆しっかりと分類することは、物理的なファイル化であると同時に、思考のファイル化そのものであります。それをした上で、今度は優先順位を考え、机を機能的に整理していきましょう。そうすると、思考の混乱も自然と収まっていくと思います(P93)

 その通りだ。
 しかも、時間の浪費の中で一番多いのは「探す」時間なのだとも言われる。
 「探す」時間が省ければ、イライラも減る。
 自分の流儀で仕事がはかどれば、ますます快適に仕事ができる。そのような好循環めざして、まずは整理整頓から始めようか!

 「残業ゼロ」で検索ヒットする書籍はいくつかある。Photo

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May 04, 2009

自作教材 「時間カード」

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「時計カード」と言えるフラッシュカードを自作しました。
 従来の時計カード(たとえば公文製)は、「時刻」を読み取るもので、算数の教科書やドリルでも習熟させるのは、時刻です。
 ただし、学校での単元は「時こくと時間」です。時計の読みができればいいわけではありません。 
 自分が作成したのは、時間の「量」感覚をつかむフラッシュカードです。
 発想のきっかけは『教育トークライン』2008年5月号の「面積図」の特集でした。
 「面積図をかくことで、問題文の数値と数値の関係が視覚的に見やすくなる(木村重夫氏P10)」
とあるように、数値でなく数量で理解させること・視覚的に把握させることが、この「時間」の学習でも有効だと思ったからです。
 面積図とは直接関係はないのですが、面積図の発想を応用して、時間の「量」を1目で分からせるフラッシュカードを用いたら「時間」が理解しやすいのではと考えました。
 自作の「時間カード」は、写真の場合なら「10分」と読ませます。
 向きを変えても「10分」です。
 応用としては、
◆ 「残り50分」と読ませる。(補数とでも言えるでしょうか)
◆「10分と50分で60分」というように、「60分の合成」を読ませる。
◆「60分は10分と50分」というように「60分の分解」を読ませる。
などが、考えられます。

 目盛りがあった方がいい、仕切り線があった方がいい、という意見もあります。
 段階的には目盛りや仕切り線があるのもいいかと思いますが、最終バージョンは目盛りも仕切りもないもので取り組ませたいと思います。したがって検定の授業も、いきなり目盛なしでの取り組みで、戸惑う方が多かったのかもしれません。授業前に井戸先生には、分からない先生がいるかもしれないからカードをまくる速さはゆっくりがいい、とアドバイスをいただきました。
 ただし教卓の前でカードをめくるとなると、目盛りも仕切り線もおそらく見えないでしょう。その意味では目盛や仕切り線は、あくまで補助ということになります。

 10分間隔のコースなら6枚。
 5分間隔の場合、12枚は多いので30分までのカード6枚を使い、カードを繰り返し、めくります。
 このカードは横向きにしても提示できます。
 だから30分の位置から40分経過したら10分の位置にくることなども、数値計算でなく、量感覚で意識させられるのです。

 だんだんスピードアップしたり、ランダムにして慣れさせていきます。
 このあたりは他教科のフラッシュカードや百玉そろばんのやり方と同じです。

 ある先生は、カードを見て「パーセントの図?」と聞かれました。実際は、360度の角度、円グラフ・分数の理解にも使えると考えています。
 ある先生は、カードの向きを変えて提示する点に感心されました。横向きでもめくりやすいようにカードは正方形に近い形にしてあります。
 
 なお、円グラフは、エクセルで作りました。
下の写真が、くもんの時計カードです。
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