「無料化しても渋滞しない高速道路」の存在
自分があれこれ言うことではないことは分かっているが、民主党公約の「高速道路無料化」の問題には、ついついこだわってしまう。
http://white0wine.blog10.fc2.com/blog-entry-534.html
に詳細がある。
ソースは、2009/09/02(水)の報道ステーションより。
以下まとめ
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一色清:「高速道路を無料化したら渋滞が」
馬淵:「渋滞しそうな所は国土交通省にシミュレーションさせて高速料金を取ります」
古館:「へえ!国民のみなさんは首都高速と阪神高速以外は全部無料だと思ってますよ!」
馬淵:「渋滞しそうなら有料です」
古館:「渋滞しそうな所なら大体分かりますよね。東名高速とか有料ですか」
馬淵:「どこの路線が渋滞しそうかは申し上げられません」
古館:「今でも渋滞してるんだから分かるじゃないですか!」
馬淵:「どこが無料にならないと路線名を上げると、地元の方の感情がありますから選挙前は言いにくかったんです」
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参考・民主党サイトより
■民主党 高速道路政策大綱~高速道路の無料化~
2.施策概要
> 実際の無料化にあたっては、首都高速・阪神高速など
> 渋滞が想定される路線・区間など
> については交通需要管理(TDM)の観点から
> 社会実験(5割引、7割引等)を実施して影響を確認しつつ、実施する。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=15550
分かりやすいドタバタである。
世界の高速道路が無料か有料かは問わない。
それは、それぞれの国がどのような経緯で・どのような予算で道路を建設したかまで確認しないと比べようがないからだ
「(無料化して)渋滞しそうなら有料です」
但し書きがあったことは、選挙前から分かっていたことで、ここは最初から「語るに落ちた」部分である。
「無料化すると渋滞が想定される高速道路」は、無料化しなくてもいい。ここがポイントだ。
常識で考えたら「無料化したら高速道路が渋滞する」のは当然のことで、誰もがその常識を肯定する。
だから、民主党の公約は無料化をやろうと止めようと、どっちにしても実現可能になる。 なんといっても、「無料化しても渋滞しない高速道路」だけを無料化することが公約なのだから。
逆にいえば、無料化したら渋滞が想定される高速道路まで無料化することは公約違反になる、ということだ。
民主党に公約実現を求める人たちは、この点を自覚すべきだろう。無料化したら渋滞が想定される高速道路まで無料化を求めているのだとしたら、それは無理難題なのだということだ。あれほどマニフェスト選挙といわれたのだから、マニフェストの文言が、口当たりのいい選挙遊説より重視されるのは当然だ。
それにしても、である。
「無料化しても渋滞しない高速道路」が、もし存在するしたら、一体どのような交通需要の予測に基づいて造られた道路なのだろうか。
「無料化しても渋滞しない高速道路」と認定された時点で、その高速道路は存在意義を問われている。おそらくその高速道路がなくても全然困らないということなのだから。
「無料化しても渋滞しない高速道路」の存在が、高速道路の借金を膨らませる根源なのだ。
もし「無料化しても渋滞しない高速道路」が存在するとしたら、なぜ、とっくに採算のとれている高速道路が渋滞を理由に有料を維持され、永遠に(?)採算のとれないそのような道路が早々に無料化されるのか。
民主党が官僚主導の政治を批判し、自民党道路族議員による強引な道路建設を批判するなら、「無料化しても渋滞しない高速道路」の存在そのものの責任を問うべきであり、そのような不採算道路の存在こそ、世に問うべきなのではないか。
高速道路無料化そのものには懐疑的だから、無料化にならなかったからといって私は非難しない。
もちろん「無料化しても渋滞しない高速道路」しか無料化しないのだから、無料化しないことは公約違反でない。
「シュミレーションや試験運用の結果、どの道路も無料化すると混雑することが分かりました」と結論付けられたら、むしろ無料化しないことが公約実現になるのだ。
しかし、さまざまな問題をはらんでいるけれども、無料化できなかったら民主党を非難する有権者は多いと思う。
「あれほど豪語した公約は何だったのだ!」と。
すると、次の参院選や衆議院選で、今度は民主党が窮地に立たされる。
再び、極端な差で形勢逆転するかもしれない。
こうしてシーソーがいったりきたりしている間は政治が進まないのかと思うと、この国はいつになったら安定するのか。
「民主党が政策実現する前から、決めつけないでほしい!」
という批判も当然ある。
そのような政治の議論をする立場にはない。
ただ1点。
「無料化しても渋滞しない高速道路だけを無料化する」という言いまわしが、1つのトリックではないかいうことだ。
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