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September 03, 2009

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)

Piero
 伊坂幸太郎 1971年生まれの若さ(実際に本著が出版されたのは03年だから32歳!)で、これほどの作品を書けるというだけで圧倒されてしまう。手元にある文庫版が34刷だから、すでにたくさんの読者ファンを惹きつけいることもよく分かる。
 一番の根底にあるもの(テーマと言っていいかどうかわからない)を、考えてみる。
 おぞましい事件=裁かれない少年犯罪が根底なら、東野圭悟の『さまよう刃』のように、仇討のような重苦しさが前面に出るだろう。
 しかし、事件に巻き込まれた家族は明るくたくましい。
 「遺伝子」、遺伝子を残すための「性」、生命の誕生・・・そのようなさまざまな要素も、結局は「家族」に集約されるだろうか。
 文庫の帯は「それでも僕らは家族なんだ」
 文中には「俺たちは最強の家族だ」という力強い父親の言葉がある。
 兄弟愛もほほえましい。
 「二人一緒なら決して負けないんだ」という言葉がすがすがしい。
 そして「赤の他人が父親面するんじゃねえよ」という一文による逆転・・・ここがいわゆるクライマックスだ。
 
 血のつながりって何?
 
 非常に重い問題だが、全体のトーンが明るいので救われる。
 兄弟や家族の会話が知的で、とてもいい。
 どこまでが本気かわからないセリフもいいし、随所に盛り込まれた格言・名言の数々もいい。
 引用文献・参考文献が、知的な会話のベースになっているのだ。
 後半は、うすうすストーリーが読めてくる。それでも兄の様々な言動の意味までは読めなかった。
 2回読むと、細かな仕掛けが分かる。実は何か所も布石がまいてある。そのような2度読みの楽しさも味わえる。
 格言・名言をメモしたいので、あと2~3回は読み返してみたい。

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Comments

I enjoy reading through an article that can make men and women think. Also, maby thanks for ppermitting me to comment!

Posted by: prepaid credit cards | June 01, 2014 at 03:37 PM

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