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October 10, 2009

日本教育技術学会 愛知大会

第23回 日本教育技術学会 愛知大会
~身銭を切る免許更新制-現場が受けたい講習とは-~
   
                      
 教員免許更新制度に対するTOSS代表向山洋一氏のスタンスが『現代教育科学』6月号に掲載されています。
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私は、基本的にこの制度に賛成である。それは、教師の中には「英会話の授業は持ちたくない」「パソコンの授業などできない」と公言してはばからないヴェテランがかなり存在するからだ。
それのみか、高学年は絶対担任したくない」「発達障害の子を持ちたくない」と言って、ゴリ押しする状況が各地で見られるからだ。
 学級崩壊したクラスをヴェテランが逃げまわり、「新卒教師」「新任教師」にまわされている状況も広く存在する。むずかしいクラスを新卒が担任して自殺まで至ってしまった例も、一つや二つではない。
 どれも「教師の技量が追いついていけない」からであり、改革が必要とされているのである。

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 免許更新制度には、不備もあります。この制度を運用する文部科学省や、講座の大半を請け負う大学に対する批判や要望もするべきだと思います。
  しかし、一方で「不勉強な教師・学ばない教師」になってはいけないし、そのような教師に迎合しようとは思いません。費用も時間もかかりますが「なくしてほしい・なくせばいい」というわけにはいきません。
 免許更新制度を機に、教師にとって本当に役に立つ研修制度の在り方が議論されることを願っています。
 しかし、政権交代直前に、あるニュースが飛び込んできました。
 

教員免許の更新制廃止 民主方針、12年度から
           2009年8月27日 夕刊

 民主党は27日、衆院選で政権を獲得した場合、教員免許取得に必要な大学の4年制養成課程を、2012年度から大学院2年も義務化して6年制に延長する方針を固めた。教員の指導力向上が目的。今年4月に始まった教員免許更新制度は「教育現場の負担が大きく、効果が不透明」として新制度導入に合わせ廃止する。免許取得前1年間の教育実習も義務付ける。
 6年制の受け皿となる「教職大学院」は09年度現在、全国に24校しかない。民主党は、11年度までに都道府県ごとに設置した後、12年度から新制度に移行させる考え。政権獲得後1年をかけて(1)カリキュラムの策定(2)教授陣の選考(3)教育実習受け入れ校の確保-などの準備を進める。
 教員免許更新制は「教育再生」を掲げた安倍内閣が「不適格教員」排除を念頭に導入を決めた。教員免許を有効期間10年の更新制とし、更新前に30時間以上の講習を義務付けた。しかし講習時間確保を求められ、教育現場の負担が大きいなど問題点が指摘されている。
 民主党は現職教員の質の向上策として、免許取得後8年以上の現場経験を積み、「教科指導」「生活・進路指導」「学校経営」の各分野で高い能力を持つと認定された教員には「専門免許状」を与える制度も新設する方針。
 将来的には、校長や教頭などの管理職となるには学校経営の専門免許状取得を条件とする方向だ。

 翌日、学校でも「やっぱり廃止かあ」の声が上がっていました。
 すでに取り組んできた人もいる、というか始まったばかりの制度なのに一巡することもなく、改善でなく廃止と打ち出すのは極端な話です。
「安倍政権の負の遺産」といった意識があるのかもしれません。
 6年制延長も専門免許状も極端な提言だから、どうなるかは分かりません。
 でも、ようやく制度が始まって苦労して受講している先生方の気持ちを逆なでしていることは確かです。

 さて、表題にあるように、日本教育技術学会が愛知県で開催されることになりました。
 今回の学会のテーマ「免許更新制」については、政権交代した民主党が廃止を主張しており今後の動向が気になるところです。
 しかし、教師として子どもの前に立つ以上、日々の研修が必要であることは言うまでもありません。
 日本教育技術学会は、TOSS代表向山洋一氏を会長とする学会であり、各講座の多くはTOSSを代表する先生方が担当されます。
 我々地域サークルのレベルでは到底伝えることのできない最新の教育内容を知り、最高の授業技術を体験できる絶好の機会です。
 もちろん学会員でなくてもかまいません。非学会員として申し込んでいただければけっこうです。
 ぜひ,ご参会下さいますようご案内申し上げます。
 分科会については、入金順に参加する分科会が選べます。
 11月7日の予定が不確かでも、お早めに申し込みください(キャンセルの場合は1000円を差し引いて返却いたします)。
 参加費は郵便局で振り込んでいただければ完了です。
 我々も大会事務局・スタッフとして会場でお待ちしています。
 なお、お知り合いの先生方にも紹介いただければ幸いです。

1 名 称   第23回 日本教育技術学会 愛知大会

2 日 時   平成21年11月7日(土) 午前10時00分~午後4時00分
  (受付9時15分~)

3 会 場   あいち健康プラザ(JR大府駅から知多バスで12分)
   ※当日は大府駅よりシャトルバスも運行します。
 高速道路利用の場合、知多半島道路「大府東海IC」から約10分

4 講座内容  下記リンク先のHPをご覧ください。
        
  愛知県教委・名古屋市・春日井市教委等たくさんの教育委員会の後援をいただいています。


<申込先> 夏目雅子 masako-n@live.jp
<HP> http://www7a.biglobe.ne.jp/~polar/gakkai23aichi.html

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教育現場の皆様に、ぜひお読みいただきたい本があります。
「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望著 日新報道社)です。
学校カリキュラムや指導方法、教育行政の問題を明らかにするとともに、新しい時代の教育について考察した本です。
題名も内容も衝撃的ですので躊躇されると思いますが、是非とも読むべき本であると思います。
 不登校、引きこもり、ニート、自殺者を生まれる教育の仕組みがよく分かります。日本社会の歪みも、ハッキリと理解できます。
 多くの人が読むだけで、日本の教育が変わると思インパクトの強い本です。
 私たちは教育改革を望む親たちのグループです。

Posted by: 勝手に推薦隊 | September 25, 2009 04:41 PM

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