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February 11, 2010

数値のマジックに注意しよう!

  あるセミナーで食料自給率の話があった。
 食料自給率は30年・40年でぐんと下がり、今は50%を切っている。
 しかし、実のところ生産量が下がっているわけではなく、人口増が比率を押し下げているのだとのことだった。

http://www.agriworld.or.jp/agrin/agrin1/set_rate.html
を見ると野菜も肉も60年代に比べて減っているわけではないことが分かる。ただし輸入量が増えているから、当然、国内自給率は低くなるわけだ。
Photo
Photo_3

 このようなデータも調べればネットで入手できる。
 割合だけ見ていては現実を見失う典型だ。
 さて、少し前、モーニングの「エンゼルバンク」で、就職氷河期について語っていた。
 検索したら、無事ありました。ネット情報はありがたい。

http://www.insightnow.jp/article/4762
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今週号(1/7発売)は震えました。
そうそう!と、何度も首を縦に。
今週号の『エンゼルバンク』、テーマは
「今、マスコミが騒いでいる新卒学生の「就職氷河期」はすべて嘘っぱち!」

1955年 56.5%
1970年 35.1%
2008年 13.5%
これは日本の自営業者の割合。

1985年 450
2009年 773
これは日本の大学の数。

1990年 324164人
2008年 388227人
これは4年制大学の卒業者で、正社員就職をした数。

1990年の大卒者は400103人
2005年の大卒者は551016人。

「バブルの好景気だった1990年より、2008年の“4大卒”の就職者は多い!」
「大卒者の就職者が減ったのは“景気の悪化”よりも“大学生の増加”であるわけだ。

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①求人自体は減っていない。
②ただし、企業への就職希望者が増えている。企業への就職希望者が増えているのは、自営業の衰退が大きい。
 今はとにかく会社への就職希望に人が集中している。
③したがって、求人数は増えているのに、求人率は過去に比べて極めて低く報道され、今年は就職が厳しいとイメージされている。

 これが、「今、マスコミが騒いでいる新卒学生の「就職氷河期」はすべて嘘っぱち!」の真意である。
 「エンゼルバンク」では、分母の数字に注目しろ、と指摘があった。
 割合でなく実数を確かめろということなのだろう。

 さて、2月10日の中日新聞の「話題の発掘 ニュースの追跡」のテーマは
 「第2の就職氷河期 実情は?」
 「複数」「ゼロ」内定二極化
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 今春卒業予定者に対する求人倍率は1・62倍。昨年・一昨年の2.1倍から大幅に落ち込んだもの2000年の0・99倍ほど低くない。
 一方、内定率は00年の75.2%を下回っている。なぜなのか。
(中略)「内定をいくつも獲得する学生と、1つも取れない学生に二極化が進んでおる」と分析する。

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①1.62倍ということは、選ばなくても全員に就職場所が回ってくるということ。
②現在、複数内定をもらっている学生も最終的には1つしか選べないから、今後、はずされた就職先も次の人材を確保に動くことになる。
③もちろん、企業も辞退を見込んで多めに内定を出しているだろうから、内定者と就職者の実数は違う。
④いずれにしても、内定の状況と最終的な就職状況は違う。内定率は極めてあいまいな数値でしかない。

という理屈もあるが、気になるのは次の点だった。「エンゼルバンク」でも、ここまで言及していたかもしれない。

 「大学全入の時代」などと言われている。
 もし、卒業者の数が、前年より多ければ、求人数が同じでも、求人倍率は下がる。
 大事なのは卒業者の実数・求人の実数の状況ではないか。

 ちなみに「1.62倍だから、選ばなければ就職先はあるはずだ」という論理は「選ばなければ大学は全員入れる時代だ」という論理と同じだ。
 新聞記事でも「従業員千人未満の企業への就職希望者は前年比10.2%減。逆に千人以上の企業は8.1%増えた」とある。
 要するに人気企業・条件のいい企業への希望が集中するわけだ。
 「景気悪化で、学生の安定志向が進んでいる。異業種の大企業ばかり受けているから、業界の研究も進まずに内定にこぎつけない」
とあり、職種に関係なく大企業だけを狙う学生もいることが分かる。

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