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July 04, 2010

国語の読解授業が、どう変わったか。

 「日本の中2読解力低下」というセンセーショナルな見出しで話題になったPISAの学力テストの問題で、特徴的だったのは、問題文を読みとった上で自分の考えを記述させる問題パターンだった。

◆どちらの手紙に賛成するかは別として、あなたはどちらがよい手紙だと思いますか。片方あるいは両方の手紙の書き方にふれながら、あなたの答えを説明してください。

これは、従来の読解の授業では対応できないもので、実際、他国に比べて「無回答」の割合が多いことも話題になった。(ただし『やまなし』の授業実践に代表される向山型・分析批評型の授業は、このような問いに十分対応する授業を展開していた)。

◆たった1つの主題(作者の思い・教師の解釈)にたどりつく正解志向の授業
◆読み取りに大半の時間を使い、自分がどう思うかを表現する時間を確保しない授業
◆言葉の根拠をもたなくても、自由に思ったことを言えばいい正誤があいまいな授業
◆テーマ指定をせず、自由に感想文を書かせる授業


 PISA型2000年と2003年のPISA調査の結果を踏まえた「PISA調査(読解力)の結果を踏まえた指導の改善」には、次のようにある。
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 また学習指導要領国語は、言語の教育としての立場を重視し、国語に対する関心を高め国語を尊重する態度を育てるとともに、
豊かな言語感覚を養い、互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成することに重点を置いて内容の改善が図られている。
特に、文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め、自分の考えをもち、論理的に意見を述べる能力、
目的や場面などに応じて適切に表現する能力、目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てることが重視されている。

・・・この中の「特に、文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め」の部分が、新学習指導要領の1つのキーワードになっている。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/siryo/05122201/004.htm#top

 「読解力向上プログラム」文部科学省平成17 年にも、同様の記述がある。

 PISA調査は、読解の知識や技能を実生活の様々な面で直面する課題においてどの程度活用できるかを評価することを目的としており、これは現行学習指導要領がねらいとしている「生きる力」「確
かな学力」と同じ方向性にある。また、学習指導要領国語では、言語の教育としての立場を重視し、特に文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め、自分の考えをもち論理的に
意見を述べる能力、目的や場面などに応じて適切に表現する能力、目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てることが重視されており、これらはPISA型「読解力」と相通ずるもの
がある。

◆言語教育の立場・・・・道徳的な心情の読みに終始しないよう、言葉を根拠にした客観的・論理的な議論を仕組む。
               
◆伝えあう能力の育成・・。マーク方式や選択型では育てられない力で、自分の感じたことや考えたことを「書く・話す」という形で表出することを仕組む。               


 1年に2度ほどある小学校での文学作品の読解は、主として3読法を用いる。おそらく、それは今も以前も変わらない。

①通読・・概観を読み、初発の感想
②精読・・段落ごとの詳細な読み取り
③味読・・全体のまとめ(読後の感想)

 各段落の精査に1・2時間かけ、最終段落はさらに時間をかけてきた。
 だから、1教材の読解で15時間~20時間かけるような実践がざらだった。
 今なら、この時間内に「音読発表」や「感想交流」などの時間が含まれる。
 それだけ読解そのものの時間は圧縮されることになる。

 それはPISA型読解力の定義「書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」と関連があるとも言える。
 従来なら「テキストの理解」だけに時間を費やしてきたが、同じ配当時間で「テキストの理解+利用+熟考」まで実施せざるをえなくなった。
 正しくは、「話す・聞く活動」や「書く活動」への配当時間が増えたので、さらに読解時間は削減されている。
 今や、中学校では1つの文学作品の正味の読解の時間に3時間もかけられないことがある。とても場面ごとの読みにこだわってはいられない。
 これは説明文教材も同じで、すべての段落に小見出しをつけ、要約し、文章構造図をつくるといった悠長な精読をしている余裕はない。
 従来よりもコンパクトに効率よく指導する必要がある。
 作品の特徴に合わせた指導内容の選択と精選が求められている。  

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