『妊娠小説』 (ちくま文庫) 斎藤 美奈子
『妊娠小説』 (ちくま文庫) 斎藤 美奈子
『舞姫』から『風の歌を聴け』まで、望まれない妊娠を扱った一大小説ジャンルが存在している――意表をついた指摘の処女評論。
・・・意表をついたネーミングと分析で、一大センセーションを巻き起こした処女評論。待望の文庫化。ともある。
94年の作品。そのような一大センセーションを巻き起こしたことも知らなかった自分は「うかつ」だった。
もっと早く読んでおきたかったと思うほど面白いし、勉強になった。
面白かったというのは、
◆「妊娠」というキーワードで小説を括る着想。
◆ 「妊娠」という表現は主として「望まない」場合に用いるというような独自の定義。
◆ 時折崩してみせる筆者の文体。
勉強になったのは、小説の構造分析や小説の分類。
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2008/02/post_ce91.html
にも書いた。
《知性の働き》は、ひとことでいえば〈区別する〉ことです。まず「分ける」のです。
次に分けたものを「集める」、分けたものを「較べる」、分けたものを「合わせる」などします。
別の言葉でいえば、「分析」「集合」「比較」「対応」などをするということです。
知性は分析・集合・比較・対応など論理数学的な法則性によって、どんどんと展開します。
・《知性の性質》は、ひとことでいえば〈自発性〉なのです。知性が働くところには自発的な発展が見られるわけです。
・・・斉藤氏は、独自の着想で=つまり自発性に基づいて小説を集め、比べる、分類している。この過程が実に知性的である。
構造分析もデータとなる小説の数が少なくては信ぴょう性に欠ける。
多くの小説の共通部分を見出して抽出したり類型化するから、読み手を納得させる。
自分も教科書教材について構造分析をするつもりなら、浴びるほどの物語や小説を読む必要があるぞ、という戒めをもらえた。
まずは「浴びるほどの情報の入力・蓄積」である。
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Comments
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Posted by: Clash of Clans Hack | January 08, 2014 08:22 AM