「殺人」の話題は不適切
「殺人」を話題にしたクイズやテストを提示した学校のニュースが続いた。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/sankei-snk20101024082/1.htm
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正解は「妹を殺す」 小学校で不適切授業 杉並
2010年10月24日(日)8時0分配信 産経新聞
東京都杉並区は23日、区立浜田山小学校で女性教諭(23)が3年生の算数の授業中、児童に「妹を殺せば会える」という答えが正解となる不適切なクイズを出題していたと発表した。21日に同校に届いた匿名の投書で発覚した。
区教委によると、教諭はクラス担任で、19日の算数の授業中、21人の児童に「3人姉妹の長女が自殺して、葬式が行われた。葬儀に参列した男子を次女と三女が好きになってしまいました。葬式後、次女がこの男子に会うにはどうしたらいいですか?」と出題。「お葬式だよ」とヒントを出すと、児童の1人が「次女が妹を殺しちゃえばまた(葬式で)会える」と答え、「正解です」とした。
区教委によると、教諭は「前週に行ったクイズが好評で、児童にせがまれ、大学時代に聞いたクイズを思いだして話してしまった」と説明しているという。
■愛知の高校では「校長暗殺」出題
一方、愛知県東海市の県立東海商業高校では、19日に行われた総合ビジネス科の中間試験で、校長を暗殺した犯人を同校に在籍する7人の教諭から選ばせる内容の問題が出されていた。
同校によると、問題は商業が専門の男性教諭(24)が作成。職員室で殺された校長が「41124」と横書きで残した血文字を手掛かりにして、7人の中から犯人を選ぶというもので、41124を上下逆さまにすると「カていカ」とも読めるため、「家庭科の教諭」を正解としていた。
試験科目は3年生の2クラス、計77人が受験。ビジネスマナーや株価チャートの問題があり、最後に校長暗殺の問題があった。ほかの教諭が試験問題を事前にチェックしたが、問題視されなかった。学校側は「柔軟な思考を育て、人間力を付けることが狙いだった」と説明。この問題は採点対象から外された。
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子どもも大人も「殺人事件」は、好きである。
金田一少年も名探偵コナンも、次々に殺人が起きる。平然とクラスメートまで殺される。
毎晩のように、そして土日はお昼からサスペンス劇場において殺人が扱われている。
殺人犯のトリックを暴く過程は、論理的な思考を駆使した知的な楽しみがある。
殺人事件を扱った推理小説やドラマは、不謹慎ではあるがエンターテイメントなのである。
また勧善懲悪のストーリーでは、悪役が人を殺し、ラストで主役が悪役を殺すことが公認されている。
人を殺すような悪役は殺されていいというストーリーも、またエンターテイメントとしては許容されているのだ。
しかし、いくら人気があっても、それは、いわば「裏文化」の世界だ。
授業のような表の舞台で堂々と提示するのは、ご法度である。
推理小説を放課にお勧めすることはあっても、授業中に具体的な殺人場面を紹介するのは問題だ。
個人的に太宰治の「人間失格」をお勧めすることはあっても、授業中に具体的な痴話話の場面を紹介するのは問題だ。
若い先生にとっては、このような表と裏の意識が低かったのかもしれない。
お笑いタレントのギャグだからと、人を侮辱したり下ネタを連発するのは、少なくとも「表」の教師がすることではない。
たとえ放課後の雑談で大受けしたとしても、下劣なギャグを授業中に持ち込んではいけない。
子どもが熱中する授業やテストをしたい、という熱意は分かるが、暴走と言わざるを得ない。
生徒の公私混同をたしなめる立場に教師はある。
教師自身も「公私(表裏)」の区別をしっかりしないといけない。
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