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October 31, 2010

指導にはステップがある

 市の教育研究集会があり、国語と英語の部会発表を聞いた。
 分かる人には誰の実践発表のことか分かってしまうのだが、どうかそれは気にしないでほしい。
 国語部はスピーチ実践(小2)を発表した。
 そもそもの動機は、朝のスピーチがうまく進まないこと。
 いくつかの実践を積み上げてスピーチが上達していく様子の報告だが

◆スピーチが苦手な子の原因分析が甘いので、指導の手立てが後手に回っている

という印象があった。
 実践1・・・スピーチメモを見ながらの発表
 実践2・・・スピーチ原稿を書かせてからの発表
と、明らかに順序が逆だった。

 ①事前に書いた原稿を読み上げるスピーチ
 ②メモ書きを見てスピーチ
 ③メモなしでスピーチ
が、ごく普通のステップだ。

 また、アドリブ発言より事前練習を積んだ発表の方が指導がしやすい。
 朝のスピーチも、その場で思いだして言わせるのでなく、まずは、きちんと準備し練習して臨むことを重視するべきだろう。

 ①練習してスピーチに臨む
 ②即興でスピーチに臨む
が、ごく普通のステップだ。

 このような指導のステップの意識がないと、指導がいきあたりばったりになる。
 せっかくのいい授業ネタがあっても、効果も半減する。

 この後、英語教育部会の中学校実践発表が、「教科書の音読指導」だった。
 答えがあっているかどうか自身がない生徒には、まず何より自信をもって大きな声を出させたいという願いから「教科書の音読」に的を絞ったようだ。
 聴覚入力の音読指導の効果は分かっている。
 しかし、だからといって、英語の授業が教科書の音読で終わるわけではない。

 ①教科書の音読
 ②自分の意見を英語で言う
 ③英語による会話練習

につなげないと意味がないだろう。
 教科書音読の実践発表だけで研究が完結してしまっては、もったいない。

 再び国語に話を戻す。

 もし、子どもたちが「自分の意見を言う」という点でスピーチに苦手意識がないなら、当然だが「音読練習」を入れればいいし、音読→暗唱に取り組めばいい。
 だから、朝の会のスピーチもステップを考えるなら次のようになる。

 ①音読発表
 ②暗唱発表
 ③事前に書いた原稿を読み上げるスピーチ
 ④メモ書きを見てスピーチ
 ⑤メモなしでスピーチ

 そのような「ステップ」の意識が必要だ。
 優れた教育活動は、教師にも子どもにも「上達論」がある。

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