指導にはステップがある
市の教育研究集会があり、国語と英語の部会発表を聞いた。
分かる人には誰の実践発表のことか分かってしまうのだが、どうかそれは気にしないでほしい。
国語部はスピーチ実践(小2)を発表した。
そもそもの動機は、朝のスピーチがうまく進まないこと。
いくつかの実践を積み上げてスピーチが上達していく様子の報告だが
◆スピーチが苦手な子の原因分析が甘いので、指導の手立てが後手に回っている
という印象があった。
実践1・・・スピーチメモを見ながらの発表
実践2・・・スピーチ原稿を書かせてからの発表
と、明らかに順序が逆だった。
①事前に書いた原稿を読み上げるスピーチ
②メモ書きを見てスピーチ
③メモなしでスピーチ
が、ごく普通のステップだ。
また、アドリブ発言より事前練習を積んだ発表の方が指導がしやすい。
朝のスピーチも、その場で思いだして言わせるのでなく、まずは、きちんと準備し練習して臨むことを重視するべきだろう。
①練習してスピーチに臨む
②即興でスピーチに臨む
が、ごく普通のステップだ。
このような指導のステップの意識がないと、指導がいきあたりばったりになる。
せっかくのいい授業ネタがあっても、効果も半減する。
この後、英語教育部会の中学校実践発表が、「教科書の音読指導」だった。
答えがあっているかどうか自身がない生徒には、まず何より自信をもって大きな声を出させたいという願いから「教科書の音読」に的を絞ったようだ。
聴覚入力の音読指導の効果は分かっている。
しかし、だからといって、英語の授業が教科書の音読で終わるわけではない。
①教科書の音読
②自分の意見を英語で言う
③英語による会話練習
につなげないと意味がないだろう。
教科書音読の実践発表だけで研究が完結してしまっては、もったいない。
再び国語に話を戻す。
もし、子どもたちが「自分の意見を言う」という点でスピーチに苦手意識がないなら、当然だが「音読練習」を入れればいいし、音読→暗唱に取り組めばいい。
だから、朝の会のスピーチもステップを考えるなら次のようになる。
①音読発表
②暗唱発表
③事前に書いた原稿を読み上げるスピーチ
④メモ書きを見てスピーチ
⑤メモなしでスピーチ
そのような「ステップ」の意識が必要だ。
優れた教育活動は、教師にも子どもにも「上達論」がある。
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