「交通戦争」と「自殺天国」などと呼びたくない
年末に運転免許の更新で講習を受けた・・・ということは違反があったということです。
その時、このままいけば、愛知県の連続ワースト1の記録は脱却できる。交通事故死も200人を下回りそうだとの話だった。
そして、無事、そのような結果になった。
愛知、交通事故死の全国ワースト脱却 高齢者の件数大幅減 2011年1月1日 11時57分愛知県内の2010年の交通事故死者数は197人(暫定)で、前年比30人減となり05年から続いていた全国ワーストを脱却した。09年と比較した死亡事故の減少率は全国1位の13・2%。特に高齢者の死亡事故が大幅に減少した。
交通事故死者数が200人を下回ったのは、1945(昭和20)年以降では50年に169人を記録して以来。最多だった69年の912人の2割程度にまで減少した。
県警は10年、全交通事故死者に占める高齢者の割合が4割を超えたため高齢者対策を重点的に実施した。7~10月に4万3711世帯の高齢者宅を警察官らが訪問。高齢運転者を対象にした「脳トレ教材」を作成して各署で講座を開き、高齢者の死者数を昨年より17人少ない90人にとどめた。
このほか、死亡事故が多発している交差点で指導取り締まりを強化。歩行者が横断する時に車の通行を止める「歩車分離式信号機」を積極的に導入した。
県警交通総務課の担当者は「高齢者の事故死者数が減っているとはいえ、依然高い比率を占めている。細やかな対策を講じていきたい」と話している。
都道府県別の事故死者数のワーストは、東京と北海道が並び215人。
(中日新聞)
いろんな数値が気になる。
交通事故死者数が200人を下回ったのは、1950年以来というのもすごいが、最多だった1969年は912人だったというのもすごい。それにしても4年連続ワースト1、常に上位にランクしていた愛知県というのも悲しい事実だ。
朝日新聞のネット記事によると、全国の死者は、警察庁によると、4863人で前年より51人減った。死者数は10年連続の減少、2年連続の5千人割れだが、減少率は1%でこの10年で最も少なく、減少傾向は止まりつつある。とのことだ。
全国で4863人。
この数値が多いかどうかを図る1つの基準がある。
ウイキペデイアに「交通戦争」の項目。
交通戦争(こうつうせんそう)とは、昭和30年代(1955年 - 1964年)以降交通事故死者数の水準が、日清戦争での日本の戦死者(2年間で1万7,282人)を上回る勢いで増加したことから、この状況は一種の「戦争状態」であるとして付けられた名称である。日本における交通事故での死者数は1970年にピークに達するがこの後減少。しかし、1980年よりふたたび増加に転じ1988年に1万人を超え、第二次交通戦争ともいわれる状況となった。
・・・1万人を越えた時期があることをを考えると、交通事故死者の数はうんと減った。
油断は禁物だが、とても喜ばしいことだ。
さて、一方で、自殺対策支援センターが発表しているように、自殺者の増加は楽観できない状況が続いている。
http://www.lifelink.or.jp/hp/realities.html
【年間自殺者3万人超 10年連続】
日本の自殺者数は、毎年3万人を超えています。98年に、年間自殺者数が急増(前年より8000人増加)して以来、高止まりを続けている状況です。
未遂者は既遂者の10倍はいると言われていますから、毎年30万人(一日1000人)もの人たちが自殺を図っている計算になります。
【交通事故死者数の5倍以上】
2007年の交通事故死者数はおよそ5800人。自殺者数はその5倍以上にのぼります。
「交通戦争」といわれた1960年代から70年代とくらべても、はるかに多くの人たちが自殺で亡くなっているわけです。
【自殺率 米国の2倍、英国の3倍】
日本の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)は米国の2倍、英国の3倍で、先進国のなかでは群を抜いて高い状態にあります。
私たちの社会が、自殺の問題をタブー視し続けてきたために、対策が著しく立ち遅れてきたことの結果と言わざるを得ません。
交通事故が激減し「交通戦争」の汚名を返上しても、「自殺天国」などといった悪名が残っている。
年間自殺者3万人。この数値の異常さにきちんと向き合っていきたい。
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