« 絵本はソーシャルスキルを育む | Main | 「主語を抹殺した男」~評伝三上章~ »

January 10, 2011

20歳の教え子たちは頼もしかった!

 中日新聞は元日以来「未来が泣いている~子ども貧国~」との悲しい特集を組んでいる。
 最初の第一印象は「そういう暗い話ばっかりするから、子供たちは未来に期待が持てなくて委縮してしまうんだ」である。新年早々マイナスイメージの増幅は気がめいる。
  しかし、現実に目をそむけてはいけないので、きちんと読む。
 「『お弁当を見れば、どういう生活をしてきたか分かる』とベテラン職員は言う。コンビニのパンやおにぎり、冷凍食材ばかりを詰めたもの。すさんだ生活の影響を最も受けやすいのが食だ。」とある。ケチャップをご飯にかけただけの夕食はあまりに悲しい。
 データ紹介の欄がある。

経済協力開発機構(OECD)が2008年に発表した報告では、日本の子どもの貧困率は13.7%で、7人に1人が貧困状態にある。非正規雇用の増加などで、20年前の12%から悪化した。ここでいう貧困とは、4人世帯で年収が254万円、2人世帯で180万円を下回ることで、生活保護基準にほぼ重なる。子どもの貧困は将来、さまざまな社会問題を生み出しかねない。さいたま教育文化研究所の白鳥勲さんは「本人がどれだけ努力しても貧困の連鎖を脱するのは難しい。社会が解決する問題だ」と話す。
よーく読む。

 20年前の貧困率は12%。これで8人に1人だから「増加」ではあるが、微増、「悪化」というほどの表現は過剰だと思う。
 見方を変えれば、20年も前からというか、いつの時代も生活保護を受ける層は存在したわけで、以前の層と、どこがどう違うかの検証が必要なのだと思う。ただ20年前というには、やはり日本ならではの終身雇用制が機能していて、「リストラ」なんて言葉がなかった頃だ。給与も景気も右肩上がりだった。
 
 ウイキペデイアの「生活保護」の解説によれば

厚生労働省の福祉行政報告例によれば、生活保護を受けている世帯の数(被保護世帯数、1ヶ月平均)は、1980年度(昭和55年度)の746,997世帯から1992年度(平成4年度)には585,972世帯にまで減少していたが、その後増加に転じ2004年度(平成16年度)には998,887世帯と1980年度(昭和55年度)の約1.3倍に増加している。2005年度(平成17年度)には110万世帯(外国籍約3万世帯含む)を超えた。2010年(平成22年)1月には、被保護世帯数1,318,761、被保護実人員1,827,652人となっている。高齢化や不況により、受給者数はさらに増えると予想されており、保護費財源をいかに確保するかが財政上の問題となっている。 実際に「福祉行政報告例」を見ると次のようにある。 平成21年度の1か月平均の「被保護世帯数」は1,274,231世帯(過去最高)で、前年度に比べ125,465世帯(前年度比10.9%)増加した。 被保護世帯数を世帯類型別にみると、「高齢者世帯」が563,061世帯(同7.5%増)と最も多く、次いで「障害者世帯・傷病者世帯」で435,956世帯(同7.1%増)となっている。

 新聞の特集記事のデータと印象が異なるのは、中日新聞の数値が「子どもの貧困率」であって、高齢者が含まれないからだ。
 いずれにしろ、貧困の問題の多くは、雇用の問題とつながってくることは明らかだ。菅首相が「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と強調したのは昨年の9月の代表選。今はどんな採用状況になっているのだろう。

 さて、成人式を終えた春日井市立中部中学校の卒業生から招待を受けて、親睦会に参加した。
 就職した者も、学生も、たくましく成長し、たくましく生きていた。
 中には、果敢に海外留学に挑んでいるものも何人かいた。
 親にこれ以上負担をかけたくないからと教職(教員免許)を取らなかったという者っもいたし、留学の費用もバイトで稼いだ者もいた。みんな保護者のことも気にかけながら精一杯生きている。そのたくましさ・頼もしさに魅了されたひとときだった。

 世間の厳しさに目をつむるつもりはないが、どうかマスコミは、こうした若者の存在に明かりを当ててほしい。
 今年の成人式のニュースは見ていないが、酔っぱらって騒ぎを起こすのは、ほんの一部である。
 恒例行事・年中行事のように、そのようなニュースを流す局があったら、『国賊』呼ばわりしてやろうと思う。

|

« 絵本はソーシャルスキルを育む | Main | 「主語を抹殺した男」~評伝三上章~ »

Comments

とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

Posted by: 職務経歴書の書き方の見本 | January 11, 2011 12:59 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 20歳の教え子たちは頼もしかった!:

« 絵本はソーシャルスキルを育む | Main | 「主語を抹殺した男」~評伝三上章~ »