絵本はソーシャルスキルを育む
チャイルド社の自由形 ことば絵本というシリーズがあって、付録のような形で、五味太郎の絵本がついてきた。
手元には10冊ある。
たまたま取っておいたものだが、改めて開いてびっくりした。
よんでいます
おこっています
ないています
はげましています
おどろいています
こまっています
ほめています
よろこんでいます
わらっています
たのんでいます
おわかれしています
それぞれ○○している人の様子が描かれていて「何と言っているでしょう」というような問いかけになっている。
例
(花瓶を割ってしまった男の子)
こまっています。なんといってこまっているでしょう?
(信号の前でメモを見ながら立ち往生しているおじさん)
こまっています。どんなことをつぶやいていますか?
(引っ越しの車の中で泣いている男の子と、泣きながら手をふってう女の子)
おわかれしています
「さよなら」のほかにどんなことをいっていますか?
五味太郎の絵本を語彙を広げる国語の教材として利用している実践は多い。
場面状況と人物の表情を見て、どんな気持ちで何と話しているか想像させるこのシリーズは、ソシアルスキルを高めるタイプの絵本だ。市販のソーシャルスキルの絵カードと同じ働きがある。
五味太郎に限らず、このようなタイプの絵本は他にもあるのだと思う。
ただ自分が気づかなかっただけだろう。
小学校では、文字情報を映像化(イメージ化)し、場面に即した心情を読み取るような活動が道徳や国語で行われる。
この絵本は、その前段階だ。
映像を見て、その場に即した心情を読み取らせている。
「泣いているねえ、なんで泣いてるのかなあ」
「にこにこしているねえ、どうしてにこにこしているのかなあ」
といった問いかけは、この絵本に限らない。
心ある親なら、ソーシャルスキルという言葉を知らなくても、ソーシャルスキルの絵カードなど買わなくても、絵本を読み聞かせしながら、適宜問いかけて子どもの「言葉」を引き出し、社会性を育んでいるはずだ。
絵本の読み聞かせが大事だというのは、文字を十分理解できない子どもたちにも、
行動と心情・場面と心情・ 表情と心情
の関連を考えさせ、疑似体験させ、言葉で表現させる絶好の訓練の機会になるからだ。
むろん、読み手(与える側)に、その意識がなければ、そのような絵本の機能は全く働かない。
「絵本」について、もっともっと追求してみよう。
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Comments
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